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楽園。
そこには痛みも苦しみも無い。
なぜならば、何も無いのだから。
[ぽつりとつぶやき、目を閉じて。]
助けたかったのは…、助けられなかったのは…
[思い出すのを拒否するように、額を押さえて唇を噛む。]
[聞こえる声>>6]
ペケレ。
[名を呼んで、真似するように自身の右手で左胸を押さえた]
いつ? 何故?
[言葉は、カナメがまだ居たときのようにたどたどしくなってしまう]
/*
ちなみに白出し用もついでに。
[雲ひとつない青い空に、果てなく続く水平線。
その水平線を真っ直ぐに見据えるバク。
大空には、翼を曲げて空を飛ぶカモメの群れが見て取れる]
本当はルリ占って使ったほうが色合い的にryとか
思ったけど、ルリ霊能だしそもそもルリだったら
名前的にオオルリとか使えばいいんじゃね?と思った。
[白い上着に付いていたのは、赤い染み。――まるで、血のような]
夢……絵、……手向けられて……
ペケレの中に?
……待って、くれたまえ。
わからない。何も……
[語るペケレに、右手で顔の半分を覆うように押さえ。何かを説明しようとするカナメの声を聞くまいとするよう、一度、強く目を瞑り]
……ペケレ。
君は……何、なのだね?
[一言だけ発した問いかけは掠れた]
>>+18
せんせい?
[苦しげなユウキに近づいて、彼の頭へ手を伸ばす。
そこにはぬくもりも、冷たささえもなく、ただ視覚のみが存在していた]
ペケレ…と、ライデン…
[低く呟いて感覚を研ぎ澄ませれる。
やや遠くかほど近くか、彷徨う影たちの気配も感知して]
[みつめる先は、獏の上着の、赤を]
カナメに聞きました。
手向けられるのは…ひとり、のはずです。
[ユウキの墓標を一瞥してから、
ペケレの動作を見、ことばを黙して聞く]
ペケレ…わかりま、せん…わかりません…
[俯いて抑揚のない声がくりかえす]
[蹲り、手を伸ばす少女を見上げて。]
僕には出来ると思っていた。
治せると、救えると。
…本当は、何の力も持ってやしなかったんだ。
食い止めることも、遅らせることも出来ず、ただ看取ることしか、
僕には、出来ない。
ライデンは覚えてないのね。写真を撮ったときに、会ったのに。寂しいわ。
[笑みはだんだん引いていく]
カナメは教えてくれなかったのかしら?
ここには、ひとをくらうものが眠っているって。
私は──博士たちの言葉を借りるなら『恐ろしい失敗作』 。ひとをくらって生きるもの。
楽園。
[次々に口にされるその言葉が、酷く空虚な物に思えて手が震えた]
>>+22
きっと、救えていたよ。
[指先は、掠めるようにユウキの髪の毛を撫でる]
救いは、生きることだけではないもの。
[少女が優しくかける言葉に、それでも首を振り。]
彼女を、あんなふうにしてしまったのも。
[透ける手は、褐色の肌を切り裂いて装置を埋める感触を覚えている。]
まだ不完全だったんだ、あの技術は。
けれど、そうしなければ彼女は…
私は……
[ペケレの言葉に下ろした手を握り締め]
ひとを、くらうもの。
[抑揚の薄い復唱は、暗に聞いていなかったという事を伝えるようで。
カナメはただ、生き延びるために手向けろというルールを。そして役目とを伝えた]
「人を喰らう失敗作」……
そんな……君がそれだと、言うのかね?
バクもそうだったのかね……?
赤ずきんちゃん。
そんなにわからないと言わないで。
人の脳は──忘れない。
思い出すきっかけを失っているだけ。
カナメの部分は決して消えない。
>>+24
それは自分の為?
それとも、誰かの為という大義名分?
[低い囁きは、感情を抑えたように平坦に]
同じことなのに。
子どもみたい。
[ユウキのつむじの辺りを、ぐいっと指で押した。
くすくすと笑い声が響く]
カナメ。
私の役目は、何だった?
本当の私の役目は……何だ?
君は誰で、私は誰なんだ?
[口からは問いばかりが零れる。空気はひんやりとしているというのに、肌が汗ばみ]
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