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─処刑時─
…俺も行こう。
[何人かが立ち去った後、トゥーリッキの処刑に向かうミハイル>>2:252に申し出た。
体格のいい自分であれば、もしもの時にも押さえられるだろうから]
すまない。
[トゥーリッキの両肩を後ろから押さえる。
暫くして、どすり、という重みが伝わり、トゥーリッキから力が抜けるのを感じた。
返り血を浴びたミハイルが、彼の耳元で何か呟く>>2:265のが見えたが、内容までは聞こえず。
追悼の言葉を述べたのだろうと判断し]
…嫌な役目、押しつけちまったな。
[煙草をくゆらせる役人>>2:266の肩を叩き、大部屋へと戻った]
[まだ、マティアスはいただろうか。いれば隣に座り、居なければ酒瓶を持って彼の部屋を訪れ]
…終わった。
[そう、告げた]
眠れそうもねぇんだ。
暫く付き合ってくれないか?
[返事も待たずに、片っ端から酒を煽る。無茶な飲み方をしているのはわかっていても、止めることは出来ず。
男は、初めて酔いつぶれた**]
―回想・部屋に戻る前―
[去り際に待てよ、とユノラフに声をかけられる>>2。面倒臭そうにゆったりと振り返り目を細めて彼を見れば、紡がれる言葉は最後まで見届けないのかという、ニルスにとっては偽善の塊でしかないもの]
見届ける義務がどこにある?
それならば君は僕と同じように彼を選んだイェンニやイルマに同じ事が言えるのか?
刃が生身の人間に突き刺さり、血が飛び散る光景を、女子供に見せる事はできるのか?
……それが出来ないのなら、正義漢ぶるな。
[見届けることが責任だというならそれは皆平等にあるものだ、と付け足す。最後にユノラフへと近付き、耳元に顔を寄せれば]
生きていれば、また明日。
[それだけ囁くとすぐに彼から離れ、部屋を出て行く。ニルスが残していったのは重さを纏う空気だけ*だった*]
― 朝・自室 ―
[目覚めたとき、なにかがおかしいとおもった。
なんか、無駄に、あったかい。
それは、自分の熱ではなく。
薄目を開け、傍らにミハイルが居る事を
知ったときの驚きようといったら。
誰かが見ていたならば、笑われていたに違いない。]
[おい、何で。
ぎゃんぎゃんと吠えようと、口を開きかけた、
まさにその時に。]
―――― おい、 なんで、お前が、
[何故。
最初の意図とは違う、
けれど似たような言葉が、司書の口から漏れる。]
[金色へと化した瞳が大きく見開かれ、
黒を背負う男へと、向けられた哀情**]
……いや、俺ァ――――――
[言うべきなのだろうか。言葉に窮し、言いよどむ。言うべきではない、と思った。
けれど、どう返すべきなのだろう。どう言えば、誤魔化せるのだろう。]
……済まんが、ちっと気分が悪ィ。先に部屋に戻る……
[本来ならば、トゥーリッキの死を最期まで見届けてやる――といっても、見る事はできないのだが――のが筋なのだろうが、マティアスはそそくさと逃げるように部屋へと戻って行った。
少女の泣き声から、逃げるように。]*
おい、ユノラフ―――おいって。
……ったく、仕方ねェな……
[すっかり酔いつぶれてしまったユノラフを、手さぐりでどうにかこうにか背負い、これまた手さぐりでベッドまで慎重に運ぶ。
元々それほど頑強でない事に加え、光がないマティアスにとってはかなりの重労働だった。
ふぅと大きく息を吐いて、壁にずるずるともたれかかる。]
―回想・裏口―
[>>3立ち会いを申し出るユノラフに相槌を。
トゥーリッキを刺殺したその後に労いを聞いて苦笑する。
彼の亡骸から離れようとしない蛇の尾を掴む。
このまま凍死させるのも蛇にとっては良いかも知れないが
トゥーリッキの遺言があった。]
あんたも。
取り越し苦労になったな。旅人が観念した今となっちゃ。
臆、ユノラフ。 あんた蛇は好きか。
[他に預かってくれる者も、此処には誰も居らず。
また、ダグは旅人の事を怪しんでいた。
彼に任せるのは、なんという皮肉か。]
それと、着るものを何か頼めないか。
近場のサウナにゃ何かしらあんだろ。
このナリじゃ彷徨ける気がしねえ
―二日酔いの朝―
[頭がズキズキするのは、久しぶりの殺しから来る夢見の悪さか。
軍属の頃は人を殺すのが日常茶飯事ではあったが、
一般市民を手にかける事態になった時は、気分も滅入り。
『誘う』のは、幸福に招くこと。
だから、殺人の後悔に囚われれる事もなく――]
ふ、 ぁあ。
[>>9腕の中で身じろぐクレストに気付いて目を覚ます。
欠伸と共に開かれた眠気眼は――]
おまえ、……やっぱり、『 占い師 』か
[>>10なんでと尋ねる物言いを、
何故一緒に寝てるのかという意味に誤って捕える事は無く。
黄檗色をより鮮やかにした色味を前に、識られたと悟った。]
[静かに、しかし迅速にクレストの首へと掌を伸ばす。
叫び声を上げるつもりだとて、
喉の振動を指で奪う事など、造作も無いこと。
二対のマルベリーは、深みの或る色。
深く深く――闇を見通し、そして闇と同化する色調。]
…………、どこまで識った。
[占い師に『識』られた事は、これで二度目。
以前は男の闇を、そして人で居た頃の記憶も暴かれた。
締める指の力を、言葉を発せる程度には緩める。
200年前に死んだ弟の面影を重ね寄せる対象が――、
その見開いた金色の瞳で、何を見たか問うた**]
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