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― 現代・結城医院 ―
[『結城医院』という看板を掲げた小さな個人病院は、50年前と変わらぬ場所に建っていた。
流石に、建物は{2}×5年前に立て直していたが]
さーて、っと。
露店でも冷やかしてくるかネェ。
[狛狼のお守りを結わえ付けた巾着袋を手に、子供の頃から慣れ親しんだ道を往く。
巾着の中には、パッケージに弓矢が描かれた10本入りのタバコが(03)箱と、伯父の形見である年代物のジッポライター。
あとは、ハンカチとティッシュと、小銭入れと携帯灰皿だけである]
― 1963 向日葵の迷路 ―
[舞う。
舞う。
神に捧げるための舞い。
衣装もなく、楽もない。
謡いであってはその音程ははずれることなくても、
その舞は]
強くなんか、無いのよ、ショウイチさん。
[此方から彼方。本来の舞を、
彼方から此方。終わりから逆に舞う]
私には、「彼方」に行く、理由が無いだけ。
[迷っていた。グリタの指摘は正しい。
そして私が神隠しを望んでいたような彼の口ぶりも、おそらくは正しい。
正しかった]
無くなってしまった。
[この村の夏に、出会ってから。
――舞う。
誰もいない、向日葵の迷路で。
ただの人である自分が。
彼方より此方へ、帰っておいで、と願い、舞う*]
あんた、ばーちゃんだったの。
ふーん。
[バンビの瞳を眺めて、手を伸ばす]
おぶってやりたいのは山々なんだけど、
汗だくなんで。
立てそうか?
[ヒューと高い音を立てて、次の花火が上がった*]
― 1963・神社―
覗いてみたい だって?
……へえ。
貴方の、その興味の所為で
[この相手が何者であるか
観察する間がしばし置かれたのち――
溜め息と、微かな苦み帯びた笑気が零れる。]
どうやら。ワタシは、去らねばならない らしい ね。
結城。
[マフラーを巻き直す。眼鏡をかける。
頭へ刻み込む態で、代々続くその家名を一音ずつ、声にだして。]
……。
どうも、わからないね。
そんな興味に意味があるか が。
[やがては、踵を返した。
風の中に紛れるように、小さくなりゆくレンの後姿。*]
―1963 向日葵の迷路―
[濃厚な草いきれ。土の匂い。
沢山の、太陽を思わせる大輪の夏花。]
[向日葵迷路の入り口を、
ごくごく微かな足音をたてて過ぎる。]
[して。
逆に舞う人の影を、遠くにのぞんだ。*]
[ひまわりの花。引き返せない、想いの迷路。
手招かれて、誘われて、
引きずり込まれたもの達が集う、夏畑。
あるものはいまだ手を伸ばし続け、
あるものは真実と空嘘の狭間で揺れ動く。]
でも、本当に欲しいものは――
[迷わずとも己の目の前に
いつでも差し出されているのではないだろうかと
ひとり語散る。
迷っているのは、迷おうと自身が決めていて。
歩むべく道へ、自ら目隠しをしているような。]
でも、本当のところは判らないわね。
かみさまが、なにを以ってあたし達を誘ったのか。
[ふわり。風が吹く。
夏の終わりを告げる金色は、
未だキラキラと輝いて――]
―― 2012.8.11 ――
[ふいに訪れた眩暈は、身を崩すほど
強いものではなく。]
あ、……ごめんなさって、大丈夫?
[反射的に差し伸べられた手が、
薄物に触れたかと思うと。
今度は相手の姿が身を崩しそうになっている。
暑さの所為か。それとも――]
かみさまに、誘われたのかしら…?
[自分の一人称に不思議そうなまなざしを向けていた
着飾った姿をやはり反射的に支え。
口先から漏れるのは、この村に伝わるらしい昔話。
先程、通りすがりの村人から聞いた話を思い出す。]
人狼童子…だったかしら?
[夏のまよいみち、かみさまがいざなう
古いふるい、伝承ばなしを*]
―― いにしえのひまわり迷路 ――
ヒナせんせ。
あの村の神社にいる神様は、お願い事をよく叶えてくれるらしいですよ?
[右の手で左を、左で右を引っ張って後ずさり、迷路の中へいざなう。
そのまままよい道を進んでいけば、さかさまの祈りが*耳に届くはずだ*]
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