宇野さーん、あれ、いないのかな?
[きょろきょろと辺りを伺いながら、女が1人食堂へ入ってきた。
軽い調子で先客へ挨拶をする。]
あ、どーもどーも。
今日呼ばれてる人って……これだけ?
わざわざ招待状出すくらいだからもっと多いのかと思ってたけど。
もしかしてまだそろってないのかな。
[ふと、テーブルの上の人形に目がとまった]
なにこれ?宇野さんの趣味?
[そのうちのひとつを手にとってひっくり返したりしている。
しばらく眺めたあと、人形を元に戻して写真を一枚ぱしゃり]
古いお屋敷に謎の人形……絵になるね。
[満足したように*つぶやいた*]
…………。
[スケッチブックを一冊抱え。
無言で食堂に現れる男が一人]
…………。
[ぐるり、中を見回して。
そこにいる人々に一礼すると、男は隅に寄り]
……お。
[テーブルに並べられた人形を見て、元々細い目を更に細めた。**]
[食堂に辿り着いたのは30分経ってから。
面々を見渡すと恭しく頭を下げ、柔和な笑みを*浮かべた*]
あらあら、皆さんお揃いで。
ボタンと申します。
どちらに座ればよろしいのでしょう?
華やかな方やオーラの強そうな方ばかりね。
ああ、なんだか場違いな気が……。
[後からやってきた客人の声に]
あっ、こんにちは。
ええと…オトハと申します。
[つられてお辞儀をする]
席ですか……?
そうだわ、席……どこに座ればいいのかしら。
こういうの、初めてで。
お呼ばれの時の作法ってよくわからないのですけれど、適当に座って大丈夫じゃないでしょうか?多分……
あら。お人形さんがたくさん……
[自分のすぐ目の前にあった席に座ろうとした所で人形に*気付く*]
お邪魔します。
[ドアをあけて食堂にに入れば、既に何人もの人が集まっているようだ。
周りを見渡せば、食事の準備をしている小太りの男と、テーブルの上に飾られた人形。そして壁に飾られた、歌の歌詞が目に入った]
…なんか大人の人ばかりで、なんか僕、場違いだなあ。
[はあ、とため息をついて、隅の席に腰をかけた**]
[次々とやって来る来客たち。
人形に向けられていた目がそちらに移ろい、男は居住まいを正して一礼する]
……宇野殿は、まだ……?
[抱えたスケッチブックを抱え直し、誰に問うでなく呟いた。**]
[招かれた客人が集まるにつれ、準備もまた終わりに近づいたようで]
年齢も性別も、職業すら統一感が無いようね。
[呟いては、見えた姿に会釈程度の軽い挨拶を交わす。]
あら、お作法なんて堅苦しいものは、要らないと思うけどね?
出迎えも案内人もいないのだから、咎める方がナンセンスじゃない?
[オトハと名乗る女性に、悪戯っぽい笑みを浮かべ]
宇野から招待を受けたのでしょう? 場違いなんて思う必要はないと思うわよ? 少年。
[見えた気後れは、柔く一蹴してヒールを鳴らす。席に着くために。]