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[くるりと踵を返して、早足でもと来た道をたどる。
先に出て行った連中は逆方向に行ったのだろうか。とりあえず戻ろう。警察やらが呼ばれていれば面倒だが、とりあえずそんな常識的な光景は忘れ去られていた。]
…暫く、酒飲むの、やめよ。
[酒のせいなどではないと、薄々気づいてはいたのだが。]
殺してみられる。
[緩慢に落ちる男の言葉を拾って、瞬いた。
睡魔に負けかけた意識も、少し引き戻される。]
うーん、それもねェ、ま、いンだけどぉ。
確かに、あんまり、歓迎はできないかなーァ?
寝てると、危ない?
かもねェ。
[意識が落ちてしまえば、それだけ他への反応は鈍る。
それはよろしくない。むざむざ殺される餌になるためにここにいるわけではないからだ。]
[独り言だか誰かに投げかけているのかすらも定かでない言葉たちは、床を転げたり跳ねたりしながらも酒気に消え。
はたりと止まったところで、何処かから声がした。]
――うむ。
そうだなァ。誰もいないってことは、誰も殺せないってことだもの、なァ。
それはよくないね。うん、何よりよくないなァ。
せっかくさ、何したっていいっていうんだから、ねェ。
[どこから聞こえる声だとか、そんなことは瑣末。
この声が自分に危害を加える気がない(だってそうだろ、欠片でもその気があるなら、こんなふうに煽っている間にもボクをそこの女と同じようにしてしまえばいい)なら、ここにいたって何かが出来る保証もないのは、その通りなのだから。]
よっ、と。
[弛緩しきっていた身体を、ぽんと跳ね上げ。
まだふわつくままに、立ち上がる。]
そうそう、できることじゃないものねェ。
[白い服の懐、巻いた青いストールの下。
忍ばせたものの感触を確かめて、口角を上げる。
鼻歌まじり、息絶えた女のもとへ寄った。]
[こつり、こつり。
狭い道に、足音はよく響いた。路地裏は、長く続いた。長く、続き過ぎた。幾ら進んでも、幾ら曲がっても、何処までも路地裏が続いていた]
…… は。
[振り向く背後も、進んでいた前方も、全く変わらず、ひたすらに狭く薄暗く]
ごめんね。
みィんな、行っちゃったからさァ。
[首を裂かれ、床に倒れた女の襟元を正す。
椅子に座らせるのはやめた。壁に凭れかからせるように、上半身だけを起こさせた。]
じゃァね。
さよなら。
[無情にも死を齎された彼女の、まだやわらかな唇にそっと触れ。
そのまま、自分の唇を重ねた。]
[こつりこつり。かつんかつん。
響く足音。通りの向こうに見える人影]
あらぁ…
あのお店だけが、世界なのかしら
あのお店と あの、なんだったかしら
[あの、鳥。
道の向こうでこちらをじぃ、と見ていたあの。
ああ、あの軒下もなくなっていた。
ひとつずつ、なくなっていった]
[たっぷりと何秒も、そのままでいた。
抵抗はされない。当たり前だ。
唇を舌でなぞっても、そのまま無理矢理に割り開いて口内を求めても、彼女が動くことはない。
首の傷が喉を貫いて回ってきたのか、それとも自分の舌を噛み切った血がまだ止まっていないのか、生臭い血臭が口吻に混ざる。]
……不味。
[ようやく彼女を解放して、はじめに言ったのはその一言。]
やっぱァ、キスは生きてる女のがいいかも。
これ、借りてくね。
[カウンターの隅の隅。
まだ血に濡れてぬらぬらと光るナイフを、拾い上げた。]
じゃ、今度こそ、さよなら。
運が悪ければ、またね。
[くすくす、とまだ酔い残るままの笑みをこぼしながら、ゆらぁり、と、ひとりと彼女きりだったバーを、ようやく後にする。]
あ。
洗ってくれば、よかったなァ……
[投げられて、血濡れた身体。
赤いナイフ。それを拾った手。
バーというものは水分には事欠かないものだから、洗うには困らないはずだ。]
ま、いいか。
[そうして、上機嫌のまま、歩き出す。
時々、なんとなく走った。]
[知らない場所だ。それには気づいていて、走っていた。
バーを出たその先が知らない場所であること、それ自体はさすがのこの男でも気にしたのだが、帰せと騒いでどうなるとも思えなかったし(マスターもいないしね)、何より知らない場所は大の好物なのだ。
あちらこちらの路地や曲がり角やそこいらの建物の窓やらを覗きこんでは、とにかく何かの手がかりを探そうとしていた。]
〜♪
[それはもう、極上の白砂糖と出会ったみたいに気分のいいことだ。]
[小脇に抱えた小さなバッグ。
ハンカチと化粧道具と]
どうしよう、かしら
[ナイフひとつ分軽くなったバッグ。
同じくらい重くなった帽子]
/*
あー思い出した
そうそう
かうこちゃんなんで殺そうと思ったか思い出した
かうこちゃんは誕生日を覚えてないって言ったからだ
誕生日を覚えてないなら今日を忘れられない日にしてあげる って思ってた
そうそう!
う、 げ
[この状況に相応しくない、極めてのんびりとした声音に、いやそれ以上に、その声に似合わないあまりの惨状に、潰れた蛙のような声をあげた。]
なんもねえよ。
俺にはもう何がなんだか、わかんねえ。
[しゃがみ込んで頭を抱え。
深く、溜息。]
しかし何してたんだ、お前。
まるでお前が殺したみたいに、なってんぞ…
[眼鏡を見上げる格好で顔を上げ、ウルフ(もう注釈は要らないかと思う)は半ば呆れた口調で、呟いた。]
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