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ああ…確かにその格好じゃな。
わかった。取ってくるから風呂に行ってろ。
[ミハイルに所望され>>18>>19、彼が風呂で湯を浴びている間にサウナからバスローブを調達して来る。この気温でこれ1枚では凍えるほどだろうが、返り血にまみれた服よりはマシなのかもしれない]
…お前さん、それ
[手渡したバスローブを羽織る時、ミハイルの脇腹にあるそれを見て…思わず声が引きつった。
戦場に立ち入った事も、人の死をさほど多く見てきた訳でもないが、この傷跡はあまりにも惨たらしく…]
…いや、何でもない。
[元軍人、と聞いたことがある。きっと、瀕死の重傷を負った事で退役したのだろう、と自らを納得させ、その場を離れた*]
─朝─
[目が覚めると、マティアスの部屋のベッドの中にいた。
そう言えば昨日、無理矢理酒に付き合わせて…忠告も聞かずに飲み続けた所までしか、記憶にない]
マティアス?
[軽い二日酔いの気だるさをこらえて起き上がり、辺りを見回すと、壁にもたれかかっている姿を見つけ…ぎくり、と心臓が跳ねた。
眠り込んでいる間に何かあったのではないか…ベッドから降りると恐る恐る手を伸ばし、体温も呼吸も正常であることに胸をなで下ろす]
[彼が騙っているとは思えない。もし本当に彼が異能者であったら、ドロテアのように連れて行かれてしまうのだろうか…。
ミハイルの傷跡も相俟って、妙な胸騒ぎがする。彼の話は、どこまで本当なのだろう。全部信用して良いのだろうか?]
…連れて行かせやしない。
[誰にともなく呟き、男は、壁に背を預けて座り込んだ。
ミハイルは、『占い師』に『霊能者』、『守護者』と遭遇したことがあると言っていた>>2:226。占い師と守護者が存在するのかは分からないが、少なくとも、自分がこうして張り付いているうちはマティアスに妙なことも出来ないだろう、と踏んで。
マティアスが目を覚ますまでその場から離れず、目を覚ましてからも、出来るだけ傍にいる事だろう**]
… きょうだいみたいだ。
[髪色の異なる彼らの寄り添う姿を、
濡れ頭巾を片手に提げる男はそう評した。
よくあたためてやってほしいと添えて、
――退室間際。]
… ドロテアに、
壷を抱かせてやればよかった。
[後悔の滲む呟きを、その場へ*残した*]
―裏口―
…っ!…
[左胸に鋭い痛みを感じ、顔をしかめる。
だが、それも一瞬のこと。
すぐに嘘のように消えた。]
…これが、死ぬと言うことですか…
思ったほど苦しくはないのですね。
…それとも…
[それだけミハイルの腕が良いと言うことか。
急所を一突きにしてくれたのは、せめてもの温情だったのかもしれない。
周りを見回せば、仕事を終え、煙草をふかすミハイルと、「処刑」に立ち会ったユノラフの姿。
ミハイルは自分の亡骸に絡みついたまま離れようとしない相棒を、ユノラフに託した。>>18>>27
約束は果たしてくれる男のようだ。
ユノラフなら、きちんと面倒を見てくれるだろう。]
相棒は、むやみに人の命を奪ったりはしませんよ。>>27
[絞め殺されるかもしれないと言うユノラフに苦笑しながらも相棒の命が保障されたことを知り、安堵する。
と同時に、死の直前、耳元でささやかれた言葉を思い出した。>>2:265]
一度…「死んだ」…?
[確かにミハイルはそう言った。
死ぬのも悪くはない。
一度死んだ自分が言うのだから、間違いないと。
その言葉が本当ならば、彼は…]
…司書くん、司書くん。
[常は長閑な声が、すこしかたい。]
いなくなって ないかい。
[誰の部屋へも、それぞれへの
常の呼び名を添えてそうして回る。
室内の睡眠が、あるいは会話が
どのように中断されるかは知らず]
/*
物語としては全然良いですが、
占いが狼知ってるのに自分のキャラが殺されるってやっぱり親としては辛いものがありますね(/_;)
[カーテンを取り払ってある
養蜂家の部屋の窓からは――
サウナから湖へと続く桟橋へ
上体を仰向けに打ち上げられた、
イルマの骸が*見えていた*。]
んンッ……
[ゆるやかに覚醒したマティアスはもぞもぞと動き出し、そして、それと同時に聞こえてきた微かな音に耳を澄ませた。]
……なンだ、誰だ……?
女……イェンニ、じゃァねェな……イルマか?
[昨日から聞こえている少女の泣き声の他、もうひとつ聞こえる声があった。
よくよく気をつけて聞けば、謝罪をしているように聞こえた。]
なンで謝ってンだ……?
─ 朝 ─
[…は目を覚まして、外を見る。
相変わらず雪は止まない。
トゥーリッキの死体はどうなったのだろうか。
願わくば、安らかに眠れる場所にいて欲しいと]
………どうしましょうね。
[何かしなくては、と…はひとまず昨日と同じように
朝食を作るために炊事場へと向かった。]
[一度死んだとはどういうことだろうか。
彼は元軍人だという。
前線に出ていたとすれば、死線をさまよったこともあるだろう。
そのことを、比喩的に言ったのかもしれないが…
しかし、耳元でささやかれたその言葉は、そんな風には聞こえなかった。
まるで、本当に死んでいるかのような。]
…もしや、彼は…ナッキ…
[能力を持たない自分に確証はないが、なぜか確信していた。
誰かに伝えなければ。]
しかし、誰に…そうだ、霊能者。
[ミハイルが持ち出した異能者。
その中には、死者の声を聞く者もいると言う。
彼がナッキなら、なぜその話しを持ちだしたのかはわからないが、その存在を知る者は他にもいた。
確かに存在するのだろう。]
[そして、このコテージでは確か、マティアスという盲目の男性がその能力を持っているらしいことも聞いた。]
マティアスさんに自分の声が届けば、彼は間違いなく霊能者。
…試してみる価値はありそうですね。
[トゥーリッキはマティアスを探し、コテージへと戻って行った。]
─炊事場─
[生きる気があるのならば、食べずにはいられないだろう。
人数が減った分だけ、作る朝食の量も減る。]
空気が重いわね…。
[人が死んで、人を殺したのだから、
自然と空気は重くなるのは仕方が無いだろう。
朝食を作る手は自然とゆっくりになるが、
誰かしら広間にやってくるまでには準備は出来ていただろう]
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