98 収穫祭の村
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[>>27 足に何かが当たる感触に視線を落とすと、そこにはナイフがある。
それを拾おうとした途端にクレストが飛び出していく。
しかしナイフは、此処にある。]
――――……!!
[その意図を察し、名を呼ぼうとした声はぎりぎりのところで押し留めた。
ニルスは素早くナイフを拾い上げてから>>30 横に逃げようとするヴァルテリの動く方向へ、椅子を乱暴に掴んで放る。
そして、それを追いかけるようにナイフを構えて、飛び掛かった。
獣の身体では、胸を狙うのでは致命傷を狙うに心許ない。ニルスの狙いは、首だ。]
(31) 2012/11/19(月) 17:16:22[居間]
…そんな、
[一度顔を伏せる。
クレストを責めるつもりは、元よりない。
己の手を止めてくれた彼の手を、血に染めてしまったこと。
それへ向かうのは、傷つけてしまった時と変わらぬ謝罪の念。
じっと俯いて、泣き出しそうな思いを堪える。
届かずとも彼の手を握り締めたかった。
なるべくイェンニの死体を見ないよう傍に寄って、
固まったような手指>>13に透明な手を添える。
音も涙もない、沈黙の慟哭。
それを破ったのは、マティアスの小さな悲鳴だった>>+15]
(+30) 2012/11/19(月) 17:22:11[居間]
……、ユノラフ…!
[血飛沫あげて倒れる男と、灰の狼>>11
そうして現れていた桔梗の毛並みの獣に、目を瞠る。
非現実的なほどの赤に染まる視界。
悲しみよりも先に衝撃が来るのは、己もまた死したが故か。
いつしか意識は逸れて、女の視線は真っ直ぐに、
ただ桔梗の毛並みの狼へと注がれていた]
(+31) 2012/11/19(月) 17:22:21[居間]
[>>+27 人の血肉を食った後のような、赤に、眩暈がする…]
[>>+29 獣を撫でるレイヨがあたえる答えを直接受け取るのは困難を極め]
イェンニ、が……
イェンニが、あんなにも大事にしていた、ドロテアを殺し、ウルスラを……殺すなんて……
ねぇ、よ
[その獣性の全てを否定する]
イェンニ、の、ふりを、してた……
獣、なんだろ……
[起き上がる。ウルスラの姿もまた、見える視界にとらえた]
(+32) 2012/11/19(月) 17:22:53[居間]
[生者らが争う様子は耳に届いている。
けれど今この目に映るのは、桔梗の色の狼と、]
…イェンニ?
もう、戻れないの?
そのままでしか、いられないの…?
[レイヨの視線>>+29が薙いでいく。
けれど目をそちらに向けることはしないまま、
嫌悪とは違う静かさで、女は桔梗色の獣へと問い掛けた]
(+33) 2012/11/19(月) 17:26:19[居間]
[>>+29レイヨの傍に寄り
ぐると甘えるような音を出す
首を少し傾け
目を細めるとまた触れぬ手に頬を擦り寄せた
ウルスラの視線にゆるやかに首を擡げ
向ける眸は間違いなく
いつも細められている イェンニの色。
マティアスの言葉には はたり
尾を数度揺らして唸ってみせる]
(+34) 2012/11/19(月) 17:27:22[居間]
イェンニのふりをしていた、獣……
[マティアスの声>>+32に首を傾げる。
包帯をなくした男は、かつての姿を取り戻している。
それへ反応を見せることを今はせずに、口を閉ざした。
脳裏に、イェンニの言葉がある>>4:70]
…目覚めたと、言っていたわ。
(+35) 2012/11/19(月) 17:29:16[居間]
[すり寄せられる頬を、喉を撫ぜる。
目は細まり、笑って]
君は、いつでも君だよね。イェンニ。
[マティアスの言葉を否定する言葉]
最初からずっと君だった。
ウルスラさんのほうが、よくわかってるみたいだね。
(+36) 2012/11/19(月) 17:31:04[居間]
[逃げた場所へ邪魔するように椅子>>31が投げられる。
それにぶつかる痛みに、咄嗟に瞳を閉じてしまい]
――っ
[飛び掛ってくる人の匂いに、噛みつこうと、口を開いた。
咽喉を狙うナイフに気づかなかったのは、クレストの血の匂いにまぎれたせいで――。
ニルスに噛みつこうとした動きは、クレストに阻害され]
っっ――!
[声にならぬ遠吠え一つ。
咽喉に刺さる硬く冷たい鉄の感触がやけつくようだ。
狼に変じていた姿は、枯れ木のような老人へともどった。
喉につきたてられたナイフが、変容のさいにさらに大きな傷をつくる]
(32) 2012/11/19(月) 17:32:13[居間]
[そして、そういうとそっと手を離して]
どうやら、ヴァルテリさんも、死ぬつもりのようだね。
――いや、そうなっちゃうのかな。
ごめんね。
僕は、夢を覚ましにいかなきゃね。
[そう言うと、イェンニのことをもう一度撫でた後、姿を消した**]
(+37) 2012/11/19(月) 17:32:18[居間]
…イェンニ。そのままでは分からない、わ。
あなたまで言葉を失ってしまったの?
そんなの、ずるい。
[返る瞳の色は、変わらないまま。
だから声は僅かに湿り気を帯びてしまう。
かち合う視線を逸らすように、少し目を伏せた]
…ずるいわ、イェンニ。
(+38) 2012/11/19(月) 17:33:14[居間]
そう、いえば……
同情で加減される、って思ったんだろ……
[>>+35 獣の言葉を間にうける、ウルスラにそう低い声で]
それとも、せんせ、と、クレストの、どちらかも、獣、と、思うのか……
(+39) 2012/11/19(月) 17:33:28[居間]
[続く>>+33 ウルスラの言葉に。
一度伏せた目の裡に浮かぶ色は濃く――
懺悔を聞くときのものに 良く 似ていた。
全てを受け入れる それ。
そうしてから ふい と 視線を外し
俯いてまた 喉奥を鳴らし――
前足を持ちあげて ペロと舐めた。
それは指の背を噛む癖と おなじそれ]
(+40) 2012/11/19(月) 17:34:00[居間]
…っ、でも、
[瞳の色が。と、マティアスに言いかける。
咄嗟に顔を上げて、彼を見返した。
二人の名を告げられれば、
惑うように一度視線を巡らせて──…
ふるりと首を、横に振る]
全てが嘘でも、全てが本当でもないのだとは…思わない?
(+41) 2012/11/19(月) 17:37:25[居間]
[>>27
その時、音がした。
クレストが、とびかからんと、床を踏みしめる音。傷から血が滲んでいるのが見え]
クレスト!!!
[>>31 ニルスの代わりに、叫んだ]
[獣のまま死ねばいい。
ウルスラが、レイヨがいう言葉が嘘だと、人であったという記憶を抱いて狼を憎んで逝けるから。
しかし皮肉にも――灰色の老狼もまた、今際に人の姿を取った]
(+42) 2012/11/19(月) 17:37:56[居間]
[>>+41
困惑が浮かぶ、灰色の眼差しが、ウルスラに向けられる]
どうして、イェンニが、自分を殺した化け物だって
受け入れられる、んだ
[声が詰まる]
(+43) 2012/11/19(月) 17:40:34[居間]
私はニルス先生もクレストも信じ…ているわ。
[願望ではなく、言い切る形]
でも。
……イェンニのことも、…信じたい。
イェンニは、…イェンニだったのでしょう?
[再び桔梗色の狼を見た。
その瞳の色を知っている。少し、前へ歩み出た]
(+44) 2012/11/19(月) 17:40:36[居間]
[>>+38 ウルスラの言葉に 首を傾ける
くい、と 前足で地面を掻き
頭を下ろしてから 消えたレイヨを見送った
ぐるる と 鳴く声が
高い音と低い音の二重(ふたえ)となる
同情>>+39というマティアスの言葉に
ちらと視線を向けて 一拍の間を置き。
にぃぃ、と、歯を剥いて凶悪に笑って見せた]
(+45) 2012/11/19(月) 17:41:12[居間]
[上手く、いったようだ。ヴァルテリの意識が向かう先は、自分]
[気づかれるのも、避けられるのも、分かっていた。ヴァルテリの逃げる先に、椅子が飛んで来たのは予想外ではあったけれど――]
[椅子の後を追うように、ニルスがナイフを構えて飛び掛るのが視界の端に映る。彼はありったけの力を込めて、狼の毛皮を掴んだ]
(33) 2012/11/19(月) 17:41:50[屋敷・居間]
……。
私だって、アイノとレイヨを、ころしたわ。
ヴァルテリを責めて…、刃を向けたわ。
[少し俯いて返す声は細くともはっきりとして]
それでも、死が…悲しかったのも本当よ。
……だから、
[上げた視線が、灰の眼差しに合わせられる]
(+46) 2012/11/19(月) 17:45:57[居間]
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