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……まあ、考えてても、仕方ないっぽいし。
『ワスレモノ』探し、続行しますか。
[とはいうものの、まずは、後で合流しよう、と話した面々を待つ事にする。
そう取り決めた内の一人──チカノが来ない事は、『わかっている』から。
さて、そこらはどうかわしたものか、と。
そんな思考を巡らせながら、ではあるけれど。**]
― →駅前公園―
[公園に着いたのは、それから間もなくして]
あれ、いつものじーさんじゃん。
……と、あの人は確か……
[いつも公園で見かける異国人や、ちょっとだけ接した母親も来ていたことを、ここで初めて知ることになった。
ともあれ、まずは合流を約束していた者のところへ]
……うん?
[首振られたので、素直に頷いておいた。疑問符はつけたままだったが。
時々不可思議な行動を取るところは、自分と似ているなと、思う。
尤も、自分と一緒にされては敵わないかもしれないが。]
お祖父さんのお店だったんだ。
じゃあ、もしかしたらもしかするかも知れない ね。
行く、行きます。
[寄り道はワスレモノを探す手掛かりになるだろうか。
父の作品を観たのは何処であったか。この記憶の隙間を埋める作業がワスレモノに繋がる確信があるわけではなく、純粋な興味半分なのだが。]
『刻』は――今のわたしの原点でもあるから。
[そこだけは確信篭めて、微笑んだ。]
[公園に集まろうという菊子の提案に同意はしたけれど、合流はもう少し後で構わないだろうか。後で行くか先に同行するか、少し逡巡する。]
………。
ところで、もう一つ聞いてもいい?
省吾さん。…荷物は?
[バッグを肩に掛け直して、ふと気付いた。
手ぶらのように見えるのが、違和感だったのだと。]
確か買出しに行くって、荷物持って行った……ような。
[気の所為かしらと、省吾と手元とを交互に見て。**]
それよりも、今、何が起こっているのかわかりませんか?
一緒にいた息子がいきなりいなくなって、あたりの風景が10年前に変わってしまって、変な生き物が、「ワスレモノ」を見つけて来いと・・・
[恐らく、彼らも自分と同じようなことになっているのだろう。検討を付けて、なにか情報はないかと聞いてみる。
因みに、初老の男性の時計から光が放たれた丁度その瞬間、過去と対面してしまったため、その光景は頭に全く残っていない。]
・・・あら?
[確か、「こちら」に来る前、公園でちらりと言葉を交わした少年がやってくる。]
あなたも「こっち」に来ていたのね。
[名前は・・・聞いていなかったけどまあいっか。
初対面の人に名を名乗り、「ああ。あの」と同情のまなざしを向けられたことが、過去に数度。それからは、ほとんど自分から名を名乗らないようになった。
そして、自分から名乗らないため人に名を訪ねることもほどんどしない。]
─ 風音荘→駅前公園 ─
どうだろ。
でもほら、行けばわかるし。
[和馬>>44の手を離しながら、彼に答えた。
貢のハンカチをもう一度目に当てて雫を拭い、しわの寄ったそれを丁寧にたたんで制服のポケットにしまい。]
よし、決まり。
いってみよ。
[和馬の顔を見ぬまま、先を歩く。
後ろで彼がぼやいた声は届きはしなかったが、当人も自分自身に戸惑っていた。
現状がどれだけ不安でも、泣くなんて普段の自分らしくない。
でも、懐かしいとも、思うのだ。
泣いた時特有の腫れぼったさを感じる瞼も、鼻の奥に感じるつんと痛みに似た感覚も。
だって、昔は良く。]
─そういえば、泣いてた、な。
[次兄によく、泣かされていた。
そんな自分を助けてくれたのは、長兄。
長兄と───
記憶にかかる靄が、少し薄れそうな気がして。
けれど、目に入った人影にその思考は霧散した。]
……祐樹さん、と…おじさん。
それと…えぇと、たしか美容院の…
[公園にいたのは、約束をした人と、たまに此処で会って挨拶をするおじさん。
それと、友人達の間で評判の良い美容院のお姉さん。
この人達も同じなんだろうな、と思いながら頭を下げた。]
[それから、少年が男性に話しかけるの(>>49)を黙って見ている。
この人は皆川さんっていうのか。などと思いながら。
ふと、聞き覚えのある名前が。]
雷電さん、「落ちた」って、あの、どういうことですか?
[二人に尋ねながら、ふと思い出すのは、兎の言葉(>>2:#0,>>2:#1)]
帰ってこられるというのなら、大丈夫だと思いたいけど・・・
それに、笹川さん「だけ」ということは、まだ他に誰かいるのですか?
[こちらに来てからほぼ一人で行動してきたため、兎から聞かされたものと、雷電に説明してもらったこと、見てきたことしか知らない。人と比べた圧倒的な情報量の少なさに、一人で動いてきたことを少し後悔した**]
あら?
こんにちは。あなたも何かワスレモノ?
ええと、鬼流院、さん?
[美容院の顧客を思い出し、あてはまった一人の名前を口に出す。
高校生のお客さんは多いが、間違えていない自信がある。
腫れた目に、やはりいきなり飛ばされたら不安なのだろう。と勝手に結論付けて、すこしでも和らげようと笑顔で軽い冗談を言ってみた。
まさか彼女の目の前で二人も人が消えてしまったなどと思っていない。
状況を聞いたら、思った以上の事の深刻さに頭を抱えたくなっただろう**]
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