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───なあ、セイジ。
[8thとの別れ際に声を投げる。]
さっきは話してくれて嬉しかった。
ありがとう。
さっきの言葉、俺は本気だ。
だから、何かあったら思い出してくれ。
そうそう、あと──…
[なんでもないように付け足す。]
俺は3rdと11thと会っている。
ふたりともいい奴らだったぜ。
多分気が合うから、一応伝えておく。
[そこまで告げて、彼と別れた。
ひとまず目指すのは2Fの婦人服売り場。
約束の待ち合わせ場所を目指す*つもりで*]
十番……彼は、強いです。
そして、自らの世界を愛しています。
他に、何か揺るがせるものがないのであれば、
彼はきっと、勝ち残るほうにつくでしょう。
[しばらく考えてからそう述べ…。]
彼に接触する必要性は感じています。
彼をこちら側につけることはキーかもしれませんね。
デンゴくん
本当は、君にはそういうこと、させたくない気もする。
だが、どうやらここで勝つ、ということは、
そういうことらしい。
でも、大丈夫かい?
[それは、子供であるという心配。]
!?
[日記が書き換わる。
「風船があがり、アンの姿が見えなくなる」
「風船があがりきると、アンは死んでいた」
]
アン、起きろーーーーーーーーー!!
[隠れていた場所から出て、ありったけの声で叫んだ]
[風船を書き分けて進もうにも、死の運命を変えるにはあまりにも時間がかかり*すぎた*]
[屋上の扉を開いて、まず目に入ったのが赤色の風船。
空に上って行くのを目で追っていたら、風船は後から後から増えてきて、気付けば視界を埋め尽くすほどになっていた。
そこに重なる>>50ネギヤさんの声。大量の風船で埋もれ、くぐもったように聞こえる声は、ちょっと遠くて。
私達は、風船があがりきるまで待つ。でも、私の日記の表記は、変わらなかった。
風船が空へ消えていった後、開けた視界には倒れている0番さんと、……床に広がる、赤色。
私の目はそこにくぎ付けになってしまう。ネギヤさんの姿も、ネギヤさんと一緒にいた2番の子の姿も、目には入らない。]
…………死んでる、の?
[私の端末が、点滅する。そこには、『0番さんが死んじゃった!カノウくんにも知らせなきゃ!』って書いてあった。
まるで、怖くて近寄れない私の心の内を読んだみたいに。]
私、……知らせてくる!
[言うが早いか、私は屋上に背中を向けて駈け出していた。
急いで階段を幾つも降りて、2階の婦人服売り場に辿り着いた時には、完全に息が上がっていた。]
つまり、私には貴方の動向が思いのほかよくわかってはいません。
出向いたのも、ここに貴方がいるということがわかったからです。
そして、貴方がもし、今の状態をよくお知りでないなら、
ある程度、お教えすることもできます。
[そこで扇子をまた少し広げる。]
ちなみに、貴方が鑿を所持していることは知っています。
[フユキの動向を窺う。]
─ 2F 婦人服売り場 ─
[辿りついたそこは、昼間と違って静かに暗い。
そこで日記を確認した。]
”クルミとソラが来ていない”
来てないのは、分かったけどなあ。
二人は一緒なのか無事なのか、どうなんだ?
”2ndは12thと合流した”
”2ndは5Fでうどんを食べている”
”2ndは屋上へ向かう”
”2ndは12thと一緒に0thを見守っている”
ん?これは…。
平気そうかな。戦っている風でも、ないか。
[日記にぼやき、その記述に少し唸る。]
デンゴ、気をつけろ。
0thを12thと2ndが見張りに行っている。
場所は、屋上だ。
[リスクと、そして最も重要な情報を彼に伝える。
もっとも、神の日記の力は場所をも超越するのかも知れないが]
何かが?
[階段を駆け下りる音はどう考えても異常を示している。
誰かが追われているのか、それとも、追ってるのか、それとも何か別の事態が起きたのか。]
フユキさん、どう思いますか?
強い…、か。
10thもこちらにつけるなら……
人数が、ひとり多くなるな。
[ゼンジの言葉に返す声は苦い。
ほんの僅か、暗闇に向け顔を歪めて、]
分かった。任せる。
[短く告げた。]
”階段に足音が響く”
”階段からクルミが駆け下りてくる”
なに…、
[階段から足音が響くより前。
日記の記述に目を見開いた。
咄嗟に殺虫スプレーを握り締め、階段へと駆ける。
結局、階段より手前でクルミが駆けて来るのに出会った。]
… クルミ、大丈夫か!!
[追われているのかと、咄嗟に思う。
だから彼女の背後を警戒した。
良く見えない薄闇の向こうを睨みつけ、庇うように動こうとする。]
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