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ドロテア!
わたくしの可愛い妹。
どうして…!
[自分が拾われたのちに暫くしてから来て
共に育った儚く見えるも芯の硬いを知る少女。
尊敬し、敬うべきと知る村長の星詠みとはいえ
高ぶる感情のままに大股で足を運び
男と共に屋敷へと小走りで向かった]
[ニルスが屋敷へと辿り着いた際、中にいたのは供儀となる者だけだった。
がらんどうの居間を見回してから、空いた手で供儀となる者の背をポンと軽く叩く。
供儀を立てるのは古からの習わしであり、前回人狼が目覚めた百年前にも行われたこと。
これもまた、星詠みによって選ばれたのだろう。]
なぁに、まだ人狼が現れると決まったわけでも、君が食われると決まったわけでもない。
全ては未だ、長老の星詠みで表れたというわけの話だ。
[緊張故か、それとも恐怖故か。
固まったままのドロテアを促し、2階へと足を進め、ニルスは空いた一室を陣取る。
そのまま暫く読書でも、と思いもするが、どのような面々が呼ばれるのかにも興味はある。
迷った末、少しの書物が入った鞄と共に、ニルスは再び階下へと降りようとする。
>>44 ヴァルテリと顔を合わせたのは、その折のことだった。]
[再びニルスの意識が書物から現実へと引き戻されるのは、>>47>>48 マティアスとヴァルテリの会話が耳に入ってからのことだ。
ニルスは不意に視線を上げ、>>50ヴァルテリの声が途切れると共に、大袈裟に本をパタン、と閉じた。]
以前このようなことがあったのは、おおよそ百年ほど前のことだ。その際にもこういったことはあった。
……が、実際のところ、人狼を食い止められたかどうかは……記載がない。
というよりも、削られているという方が正しいだろうね。
[閉じた本は傍らのテーブルの上に置き、ニルスは足元に置いた鞄から、古びた数枚の紙を取り出した。
そこにあるのは、人狼が目覚めるという星詠みがあったこと、そして人狼と疑われたもの達が一箇所に集められたということ。
今回と何ら変わりがない状況ではあるが、それが随分と昔のことであるのは、黄ばんで乾いた紙と、所々擦れたインクとが物語っている。
それは、ニルスが職場としている、所謂資料館の中に眠っていたもののひとつであった。
紙の側面は明らかに破かれた跡がついている。]
―屋敷入り口―
[荒々しい音を立てて扉を開くのは大男
その後ろからおずおずと
大きな鞄を背負う、ほっそりとした
女のシルエットが覗き込み
高く良く、通る声を中へと張り上げた]
ドロテア!
[二階建ての大きな屋敷の玄関の天井は高い
エントランスの椅子に座っていたドロテアは
声に気づくと力無い笑みを浮かべて歩み来る。
細い腕を差し出して彼女を抱き締めるイェンニの脇
送り届けた警備兵は外へと大股で出ていった]
−回想−
[居間を出た彼の耳に、マティアスの声(>>43)が届くはずも無く]
………っ。
[入れ違いになったヴァルテリの姿を認め(>>44)、息を飲む。どうしてヴァルテリまで、という驚きと。どうしようもない自分に対しての、歪んだ顔を見られたという恥ずかしさで]
[きょろきょろと目が泳ぎ……ぺこりと一礼して、彼は空いている部屋に飛び込んだ]
[それから、どれくらいの時が過ぎただろうか――]
………。
[いつの間にか、眠っていたらしい。居間の方からかすかに耳に届くのは、複数の人の声]
[マティアスと、ヴァルテリと、他には、誰が召集されたのだろう。足の悪い、あの婦人がいなければいいのだけれど――]
[目を伏せ、息をつき……彼は荷物の中から、小さな黒板とチョーク、そして紙とペンを持ち出すと、意を決したように部屋を出た]
やぁ。随分と酷い怪我だね。
[>>60ニルスが返す挨拶は、やはり今までと変わらない。
マティアスに関することは耳に入ってはいるが、資料館での力仕事を頼んでいる間柄上、彼が何か良からぬことをしたとはニルスには俄かに信じ難いことだった。
勿論、マティアスが何も話さない以上、謎は謎のままだ。
そこに興味が沸かないでもなかったが、興味に行動が伴うより早く、この騒ぎが起こった。
それがマティアスにとって幸か不幸かは、誰にも分かるまい。]
さて、そこまでは私にも分からない。
人狼が生き残ったか、もしくは人狼に味方するものでもいたのか。
或いは良い方向に考えるならば、人狼の脅威は去ったが故に、忌々しい記述は葬ってしまおう、となったか。
いずれにせよ、推論の域は出ないね。
[破かれた書類は、ニルスがこの村の歴史的な物品を集めた際に紛れたものだ。
それがどのようにして紛れたかまでは分からない。
口許に苦笑いを浮かべて、水の入ったコップから水を飲む。
>>61 アイノには、ちらりと視線を向けるのみ。]
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