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[ニルスに、問いたい事があった]
[きっとそれは、聞いてはいけないことで、聞かれたくない事なのだろうけれど]
[居間に降りると、既に全員、揃っている。彼はニルスの姿を見つけると、黒板の文字を見せた]
『きいてはいけないと わかっているけど』
『おしえてください』
『ひとを ころしたきもちを』
まあ、でも、
僕は少し疲れたから、後の疑問は、後で答えてあげる。
きっと今日はね、ウルスラさんが死んでしまうと思うよ。
[そんな予言のような言葉を残して、彼は。
彼もまた、その場から、消えた**]
そうだ、な。
正直、とほうにくれている。
まんま、とレイヨの、もくろみ通り。
[頭をかいて]
人狼が生き残った、ら。
最悪、村が滅びる、らしい。
それも、レイヨ。
お前、の望み、なのか?
ここの宿に呼ばれていないものたちも、酷い目に、あう。
家族も、みんな。
――…うん、そうだよ。
[望みなのか、という言葉に、
沈黙の後、最後にそう答えた。
僅か俯き加減の言葉は、見せない**]
[消えた姿を目で追い――]
ウルスラが……?
[人の死は、生きているものを憔悴させる。
引き上げていく皆の姿を見――
ウルスラを、一人にしてはいけないと、耳元で囁けども。
誰にも、聞こえない]
[その中には、部屋に引き上げるイェンニもいた]
[時は経ち、ウルスラの死が伝わり、皆が居間に引き上げた頃のこと。
二階の廊下にアイノは居た。
そこはドロテアの死を知った場所。
全てを夢だと思い込んだ、始まりの場所]
……。
[何も言わず、アイノはただそこに佇んでいた]
[イェンニからの返答を待つ間、居間に人が増える足音が聞こえて視線を向けた。
>>53 現れたクレストの手には黒板があり、その文字をニルスは読む。
その直後、僅かに表情は陰った。]
……困ったな。
それには、上手く答えられる気がしない。
ただ、気持ちの良いものでないことは確かだね。
[穏便でない問い掛けの裏には、何かしらの思惑があるのだろうとニルスは推測する。
しかし、それに口を出すことはしない。
自ら何かを選ぶというのなら、それは口を挟んではならないことだと思うからだ。]
私は、私がしたことを間違いだとは思わない。
しかし、……人の命を奪ったことは、一生付き纏う。
……随分と、重たい荷物を背負ったような気分だよ。
― ウルスラの部屋 ―
イェンニ、が人狼…
[ユノラフが嘘をいうわけではないとは思う。
しかし、イェンニが…]
あんなに、慕っていた、ドロテアを?
それに、ウルスラ、を……
[にわかに信じがたいのは確か、だ]
ドロテア…
[彼女なら何かを知っているのかもしれない。
そうは思えど―― いまだ、死後の彼女の姿を見たことがなかった]
[そして、皆が居間へといくのについていく]
[アイノが一人ドロテアの部屋の前で佇んでいるのが見えたが――]
[声をかけなかった。
今、彼女に必要なのは、整理する為の時間のように思えたから]
─ 回想:昨夜 ─
[女の投じた置物の破片が、レイヨの足を止める>>3:147
ニルスの手に鈍く光るナイフの刃が光る。
鈍い音と共に、それは呆気なくレイヨの胸へと吸い込まれた。
女は涙やらで、ぐしゃぐしゃになった顔のまま、それを見つめた。
長い黒い髪は乱れて額に掛かり、目は大きく開かれたまま。
少年の命絶える瞬間を、床でじっと見ていた。
───また、女の頬に新しい涙が伝った>>24]
[女は少し俯き、瞼を伏せる。
泣きすぎたのだろう、頭の芯がぼうっとしていた。
ニルスの忠告>>3:138も耳には届いている。
けれど、その真の意味を理解することはなく───いや。
その理解を拒絶したまま、女はあった。
イェンニが度々見せた、指の背を噛む小さな仕草>>3:5
女はそれを目にしていたはずだった。
どこか気掛かりなものとして、意識に捉えた筈だった。
けれどやはり、女はそれを思考することを拒絶していた]
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