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― 水流れる柱 ―
はいっはーい!
ようこそ神の座へ、なの!
世界の代表に選ばれた人達。
サバイバルゲームの参加者達。なの!
[空と水の澄み渡る清浄なる神の座。
選ばれし日記所有者達が立つ、十二本の柱がぐるりと囲む中央。
視る者に合わせ色彩を変える巨大な球の傍に女の子が現れた]
う〜ん。
どいつもこいつも実に幸薄そうな顔してる、なの。
皆デッドエンドフラグ満載。なの!
[きゃらきゃら笑い、それは巨大な球の周りをぷかぷか飛び回る。
低頭身のミニマムなボディ、頭には瑠璃色の髪がぴょこりと揺れる]
これはと〜っても面白そうなゲームになりそうなの!
[それは柱の傍を、ぐるぐると時計回りに周回し続けるている**]
ふむ
[そして、男は袖からイヤホンを取り出すと、片耳だけにつけ、袖を弄った。
その耳には男のお気に入りの曲が流れ始める。**]
― 水流れる柱 ―
と、いうわけで。
選ばれた貴方達には、世界を賭けてサバイバルゲームに挑む権利がある。
[神の座の中央に、使い魔と時を同じくして、
もうひとつの人影が立つ。
すらりとした体躯を飾り気のない学生服で覆い、
片方の腕には済んだ水の底を思わせる青色のストールをかぶせている。
中空にどこからともなく現れた梯子からひょい、と飛び降りると、周囲を見回した]
せっかくだからせいぜい楽しめばいいと思うよ。
― とある世界 ―
[カァンと乾いたような音が窓のない道場に響き渡る。
木と木がぶつかり合ったりこすれ合う音。
室内にはもわりとした湿気と汗の臭いも漂う。
天井や壁にいくつもの空気清浄機が埋め込まれいるが
それだけでは防ぎきれないのか、室内はどこか臭い。]
[杖を相手の目線を確認しながら構え合う人々。
額から頬を伝い、顎から水滴が道着に滴り落ちる姿。
あえて杖を動かし、杖の長さを見せ相手を誘うと、
それが合図と打太刀が杖を突いてくる。
それに合わせるよう杖を素早く動かし、相手を捌く。
―――パン、と手が叩かれると全員動きを止めた。]
…、ただいま。
[仕事と稽古を終え、ネクタイを緩めながら自宅に帰ると
年頃の娘が父親を明らかに毛嫌いした顔で迎える。
マスクを外し、ソファに座った娘の方を見ながら、]
おい、…父親に何て顔してンだよ。
いい女が台無しだぞ。
[急激な科学技術の発達した世界。
だが、それに環境は追いつかなかった。
外は大気が汚染され、マスクなしでは
外を歩く事もままならず
酸性雨用の折り畳み傘は常備品。
空気清浄された通路が用意されているのだが、
その通路がない部分も存在する。
ここ数年、空気清浄システムだけ防げない程には、
この世界は汚い。]
[外で遊ぶという事が出来なくなった子供。
その対策として、室内でできる武道が
この国では強制されている。
大人になって、仕事があろうがなかろうが、
ほぼ毎日と言っていい程、稽古は行われる。
健全な肉体や精神を作るとか、
建前はご立派なものだが、
年々短くなる平均寿命のニュースを見ると
その信憑性は定かではない。
この家に、既に母親がいない理由も、
そんなところだ。]
[寝室に戻り、机の椅子に腰掛けて、
明日の大気予報を調べようと
封筒のカバーをつけたタブレット型
コンピューターに手を伸ばす。
とん、と指先でそれを叩くと ―――**]
― 水流れる柱 ―
[全く知らない場所にやってきていた。
水音と、やたら大きな玉が目の前に見えて、
取り囲むように人の姿もあった。
やがて、告げられるゲーム内容。
口髭で隠すよう、口の端を上げた。**]
[球がまた色を変え ゆらりと揺れる
ルリの様子に 笑みすら浮かべる気配と
ナオの言葉>>60に 頷く風に――]
そうですね。
招待した数には、あと――少し。
そして ゲーム開始までも――…
[呼吸無き声に 呼気のような音が掠めた]
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