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村瀬さんが聞こえる人、ね…
俄かには信じ難いんだけど、村瀬さんなら在り得るかなって思うな。
それに自己申告は村瀬さんだけみたいだし、暫定的に纏め役をお願いしてもいいかな?
完全に信じれなくて、ごめんね。
[彼女に向け申し訳なさそうに笑みを零す。
近藤が倒れていた傍から彼の使っていたスケッチブックを彼女に手渡し]
近藤さんが殺された理由だったね。
殆ど小鳥遊先生と同じ意見だけど…
纏め役の消失によって場の混乱を招くのが主たる理由だと思う。
ただ先生と少し違うのは、近藤さんが何かの力を持っている可能性を考えたってところかな。
今までの話でも少し出たけれど力を持つ人が目立つのは好ましくない。
近藤さんが力を持っていたなら流石に鬼の目につきすぎる。
他に理由を上げるとするなれば…
この状況を詳しく知る者を消しておきたかったんじゃないかと考える。
鬼にとって自身が何者でありこの場にいる人間にどんな厄災が降りかかるかを知る人間は邪魔だろう?
少しでも情報が漏れる前にって感じかな。
[自身の手帳に現状を書き込みながら]
それと、僕が全員に出てきてほしいって言った理由だっけ?
すぐに狙われるって危機感はなかったね。
僕は鬼に連なる者は鬼と連絡が出来ないと考えていたから、偽物は補佐役の方だと思った。
つまり鬼にはどちらが本物かわからないから狙わないと思ったよ。
聞こえる人に関しては存在自体が不明瞭だったから…
出てきてもらっても信じれるかどうかは別として今みたいに申告が一人なら状況は少し変わるかなと考えた。
表に出てきた力のあるものが最低2人、最大でも4人…かな。
それだけいればどこを狙うかの目くらましにもなるし
その、鬼火の言う守る…者?の存在もあったしね。
鬼火の狂言の可能性もあるけど、もしいるとするなれば鬼の狙いを眩ませられると思ったんだ。
…あくまでも鬼と補佐役が連絡が取れないと仮定したときの話だけれどね?
だけど取れたとしてもむざむざ仲間を殺すとは思えなかった。
思考の整理が出来てなくてすまない。
鬼火の言う言葉がすべて真実とは限らない…簡単に信用はしたくないんだ。
[本人を目の前にして言うのは憚られるが事実であることは仕方がないと、彼女の目をしっかりと見据える。]
[人の温もりは偉大だ。村瀬の手も須藤同様、彼女に勇気を与える。ポロポロと涙を流しながら彼女は思ったことを伝え始める]
みんな当たり前な感じになってるけどこんな変なとこ怖くて、須藤先生は人数が減ったらとか言うし。
今さらだけど、櫻木先輩の名前言ったの後悔したの。
櫻木先輩がすごい勢いで受け身であることや他の人も受け身かどうか気にしてて変だなと思ったけど、櫻木先輩も不安だったからこそあんなにこだわってたんじゃないかなって。
だから、そこも理由に付け加えた弓槻先輩はりぅからは変だなと思ったよ。
後は・・・。
[彼女は弓槻が投票前にでてきた違和感を語り、疲れをとるように村瀬からもらったチョコレートにかじる]
そ、そうか…?
俺、なんか申し訳なくて心細くて不覚にもちょっとだけ泣きそうになったぞ
まあ、次から表に出る時は気をつけるよ
ここがフリーダムで油断したかもしれない。それはマズイ
[思いの丈を吐き出したバクに目を丸くしつつ、己の心を振り返る。
俺は、何かを探していた、だろうか?]
暗闇しかなくても……、か。
その言葉。生きているときに、聞かせてくれれば良かったのに。
[詮無いことと知りつつも、隠し立てをする理由も最早無い。
そう、忌憚なき会話を交わすことだけが、死して霊となった自分たちに与えられた自由なのだから。]
なぁ、椎名君。
鬼火は言っていたな。
『自ら贄になりたがるとは、愚かな奴らじゃ』と。
……俺たちは、いつからか、もう……自らを生贄に差し出してしまっていた、のかもしれないな。
[形は違えど、バクも己も、死の淵を覗いてしまって。]
――『深淵を覗き込むとき、深淵もまたお前を覗き込む』。
死の淵を覗いたつもりで、俺たちが死に魅入られていたんじゃないか、とか。
そんな風にも思う。
[チョコレートを食べて、安心したのかいつの間に涙は止まっていた。何か村瀬に恩返しをしなければ、そう思い今の状況を振り返る]
近藤さんはここにきた時から中心になって話してたよね。
投票の案もりぅ、すごいなって思ったよ。
その投票の案とかがもしかしたら鬼?に不都合があったんじゃないかな。
だから、これからも何か不都合なことを言われては困るからその鬼火に囲まれたんじゃないかって思ったよ。
[近藤が倒れた時に側にいた三枝を気にしつつ、村瀬や周りにいた人間に思ったことを伝える]
怖がられてるみたいだから余り反論とかはしたくないんだけどね…弁明はさせてくれるかな?
確かに投票前に出たのは申し訳ないと思う。
けれどあの状況で悠長に投票だの出るだので話している場合だったかな?
それこそ早くこの状況から脱出するために話し合うべきだと僕は思った。
皆の視界がクリアになるのなら鬼に狙われるのも致し方ないとも思ったしね。
それと櫻木さんの件だけど…僕には彼女の反応は不安から来るものには見えなかった。
個人の捉え方だと思うよ。不安なのは、皆一緒だと思うしね。
そこを疑う理由に加えられるのは少し困るかな。
まあ、これも個人の捉え方だから仕方がないんだけれどね?
っと、これぐらいにしておくよ。
後輩に詰め寄るとか本当にしたくないんだ…
[自身の語気が強くなっているのを自覚し成瀬から距離を取る。
何時も自身を落ち着かせてくれる星を見ようにも空には絵具をぶちまけた様な漆黒が広がり
慣れないことをしているせいか震える息を吐き出し扉に凭れ掛かる。**]
喋りすぎて疲れた…少し、黙るよ。
ん、分かったよ。
…色々お菓子を詰めると味が混沌になるよ。
[近寄る村瀬の頭ぽんぽんしてボイスレコーダーに耳を傾ける]
気になる所の、質問ね…。
んー、なんとなくでいいのだけど、成瀬さんからこの人とお話みたいなって思う人いる?
須藤先生は、えーと、先生からみて…不安な、えーと、分からない人って誰ですか?
あぁ、あと一部意味が分からない所は、ごめんなさい。
うん、意味が通じるように心がけるわ…。
―回想―
[霊体となったせいなのだろうか、全員の呟きにも似た小さな言葉まで全てが明瞭に耳に届く。
『意外と、呆気無いものでしたね』
そう言って口元を歪ませたのはシンヤだった。思わず彼を注視すれば、悦びとも憐みともつかぬ表情で己の亡骸を眺めている]
弓槻君……?
[近藤が彼の動きに苦言を呈したことを根に持っていたのだろうか。彼は近藤のことを占いたいとも言ったし、良く思われていないであろうことは自覚していたが。]
残念、な。一番残念なのは、ハルに会えてないこと、だけど。
[彼に自分の声は聞こえていないと、また、たとえ聞こえていたとしても解らないと知りつつも、応える]
[そのまま己の亡骸の傍へ歩み寄った彼の動きを追えば、シンヤは貼り付けたような笑みで全員に殺し合いを宣言した]
ただの優男かと思ったが……なかなか、食わせモノじゃないか、君も。
[そう感想を漏らした近藤の表情は、ひょっとすると今のシンヤのそれに、似通っていたかもしれない。]
―回想終了―
―回想―
[弓槻が、斃れた近藤に投げかけた言葉は非常に淡々としていて、普段の彼とは別人のように思えた。
何かが崩れてしまったのだと、言葉に尽くせぬ様な悲痛な面持ちで友を見ていた。
やがて、弓槻も櫻木の元へ行き――「鬼じゃない」と口にする。]
…二人とも、櫻木さんは鬼じゃないって結果なのか。
[ふっと目を閉じ、火の玉の言葉を思い出す。
同じ力を持つ人が二人いるとは言われていない。――つまり、どちらかは嘘をついている。
友を信じたい半面、疑心の目を向けなければいけないという事態に、胸が詰まった。]
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