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[避け切れないので右腕でガード。
果てしなく人の悪い笑顔を浮かべつつ。]
それこそ愚問という奴ですなぁ。
原稿回収ですよ、原稿回収。
そうそう、風雪センセ宛てのチョコ配送という副業もありますがねぇ。
[起床して少しすると外に出た。白く染まる地面を踏みしめ、静かな村中を歩いていく。左手には傘を、右手には30cm定規を持ち]
……はあ。
[吐き出す息は白く濁る。周囲に目を向ければあちらこちらにハナミズキが見え]
しっかし、なんでしょうなぁこの花水木。
季節外れもいいところでしょうに。そう思いません?
[雪玉を投げる手は一時止め、風雪に同意を求めてみる。]
[顔の雪を拭いながら]
ギブミイチヨコレヱト!
本当、仕事熱心ですねえ。
なんて、本当は息子さんに会いに来たんでしょう。それと、あの写真屋さん?
[にこりと笑ってみせ、続く言葉にハナミズキを見上げて]
本当、何でしょうね。何か、天変地異の前触れか何かでしょうか。
そういえば、この村に伝わるお話……ご存知ですか?
あ。良かった。ごめんなさい、いきなり。
[扉の中からドウゼンが出てくるとホッとしたような表情で、
朝から見聞きした義兄の様子を伝え]
えと、俺、案内しますから。こっちです。
その、がけ崩れって、やばかったらやばいってこと……
いや、ううん。何でもないです。
先生も、こんな騒ぎで大変ですよね。
[ちょっと不安になって、言葉にしようと思ったけれど、言霊のことを思って首を振った。自分たちの棟に到着すれば、ドウゼンさんのノックを待ってガチャリと扉を開けて]
オッサーン、生きてる?
ここに息子やペケレセンセがいるなんて知りませんでしたぞぅ?いやホント。
ま、チョコレートは後程管理棟にでもお持ちしましょうか。
伝承…ああ、風がどうこうっていうあれですかね?
お医者さんが話を聞かせてくれましたが。
花水木と、関係あるんですかねぇ。
[風雪につられて、見上げる恰好に。]
そういや、風雪センセって甘いもの好きでしたっけ。
いーいお知らせがありますぞぅ。ファンの子からのチョコレート、結構あったりするんですこれが。
[にやにや。]
? ああ、貴方は……
[かけられた声に振り向き、ビセの姿を見る。管理棟で会った記憶のある彼女に、まず一礼し]
はい。雨園孝治、と申します。
どうも、おはようございます。
[呼ばれた名前を肯定してから、挨拶をした]
そうですか?まあ、そういうことにしておきましょう。
チョコは……そうですね。お願いします。わざわざありがとうございます。
お医者さん?ああ、あの白いお髭の方ですか。
もし土地の人なら……何かもっと詳しいこと、ご存知かもしれませんね。
[ハナミズキの樹に近づくとそっと手を当て、樹に向かって何やらつぶやいている]
ちょ、オッサン、すっげー汗じゃねぇか。
[部屋に入ってみれば、目に入るのは横たわってうなされている義兄。
思わず駆け寄って、手を出そうとするもドウゼンを振り仰いで]
せんせ、どうしよう。オッサン、大丈夫かな。
俺、なんか出来ることある?
おはようございます。
あらあら。これはご丁寧に。備前貴子と申します。
[丁寧な一礼に、こちらも畏まってぺこりと頭を下げ、改めて名前を名乗る]
そういえば、昨日も室内でこの傘、ずっと持っていらっしゃいましたよね。
大事なもの、なんですか?
[軽く首をかしげながら、聞いてみる]
あぁ、そうですなぁ。
後程会う事があったら、聞いてみますか。
…風雪センセー?何してるんですかな?
[風雪の挙動に首を捻る。]
そうですね。しばらく村の外にも出られないみたいですし、すぐに会えるでしょうから。
ああ、これですか?
突然お化粧に目覚めた理由を、直接彼女に聞いてみたのですが……なかなか照れ屋さんみたいで。
[突然の強い風に、葉擦れの音]
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