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なンだ、クレストか?
お前も飲むか?ん?
[機嫌が良さそうな様子でそう訊ねたが、恐らくこの場で飲む事は断られた事だろう。
その場にグラスを置き、名残惜しげにしつつもクレストに連れられて行った。]*
[天の助けか。
どう切り返したものかと悩んでいると、ゆったりとした声>>81がかかった。見れば、この村に居を構える養蜂家の男だった。
とはいえ滞在しているのは冬の間だけで、雪が溶ければ各地を転々としているのだが、それでもこうして、祭となると戻ってくる]
…イェンニ。
グダじゃなくて、ダグ。
[ペガサスという言葉に苦笑を浮かべつつ、相手の名前を微妙に間違えたイェンニ>>87の耳元に囁いて]
そろそろ戻ってくる頃だと思っていた。
今年のコッコは立派なものが出来るらしいぞ。
[すれ違い様の挨拶。そのついでに今しがた聞いたばかりの話を伝え、ひらりと空いている方の手を振って別れた]
[――嗚呼。さらば、天の助け]
―イェンニの店の前―
[どうすればイェンニに分かってもらえるのだろう。
いや、いやいやいや。
酔いさえ醒ませば、自分がただの写真家である事は思い出すはず]
…ああ、うん
[次々に紡ぎだされるイェンニの言葉に適当に相槌をうちながら、彼女を家に送り届けた>>86。きっと今も壮大な物語が彼女の脳内で繰り広げられている事だろう……と思えば、彼女の口から紡がれる言葉>>86はまともなもので、却って驚く]
いや、まだ時間もあるから気にしなくていい。どうせマティアスの所にも寄って行こうと思っていたんだ。まあ、あいつの事だからもう行ってるかもしれないが。
…それより、具合は大丈夫か?
[そのマティアスが既に会場にいて、しかも結構な量を飲んでいる>>91事は薄々感づいていながらも、一度村に戻ったのなら声をかけていこうと思い]
そうか。
じゃあ、折角だから頂こうか。
[コーヒーを、と誘われればそれに応じる。ここに至るまでの状態を思えば、家に送り届けただけでは安心出来なかった。どこまでも世話焼き体質である]
―回想・少し前―
[司書と共に居た盲目の男、マティアスとも多少なり話した。酒でも飲みに来たのかと問えば彼からも予想通りの答えが返ってくる>>88。彼が酒好きなのは、あらゆる酒のある所で水でも飲むように口に酒を流し込む様子を何度か見かけた事があるので知っている。そんなマティアスに祭りを楽しもうと言われれば>>89]
…こんな馬鹿騒ぎは嫌いだ。
一周でも回って蝶が見つからなければ帰るさ。
[何となくだ、彼に心の底を読まれたような気がして寒気がした。盲目ゆえだろうか。たまにマティアスは何か心を読んだような発言をする時があって、ニルスは彼を不気味な人間、と他とは分別していた。手をひらひらと振られれば、それに応えるなどニルスがするはずも無く。二人とは別の道に向かった**]
―宝石商の露店―
じゃあ、無理に飲まなくてもいいんだぜ。
[>>72そう言い、クレストの手元にあるグラスに手を伸ばす。
その手は本気で奪うつもりの無い速度で向かせたので
余程のウスノロで無い限り簡単にかわせる。]
そのナリよか幾分マシだろ。
[舌を出して文句を垂れるクレストを鼻で笑う。
歳の頃に似合わず、ガキだ。]
それじゃあ前を捲られないように
フードに留め具でもつけておくんだな。
[先ほど正されたばかりなのにも関わらず、
馬鹿にするように、前を捲り上げた。
クレストが距離を開けない限り、
酔っ払いはこうして遊び続けるつもりだ。]
―湖畔へ―
[さてイェンニからコーヒーを世話になった後、果たして彼女の酔いは覚めただろうか。
湖畔に戻るようであれば伴い、まだ休むようであれば一人で、湖畔に向かう]
[途中、マティアスの家に立ち寄るが、案の定留守だった。
大方、酒に釣られて先に行っているのだろう。彼が盲目である事も飲兵衛である事も、誰もが知っている事だろうからさほど心配はしていない]
おい、やめろって、ばか!
[フードを捲るミハイルの手をぺしりと叩き、
一歩後ずさる。ちり、と頬が痛んだから、
きっと少し日が当たってしまったのだろう。]
[空のグラスを手に、ミハイルを睨みつけた。
目深に被りなおしたフードのおかげで、
睨んでいる事も分からないかもしれないが。
彼がフードを捲ろうとするのを諦めるまで、
司書は警戒を解く事はない。動物のようである。]
しっかし、アレだなァ。こう……華がねェっつーか。
どうせなら綺麗なネーチャンと飲みたいもんだ。
[尤も、綺麗どころかどうかを判断する基準をマティアスは声や雰囲気などしか持っていないのだが。
ミハイルとクレストの戯れる様子を聞きながら愉快そうにからからと笑い、ウォトカをぐびりと流し込んだ。]
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