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……とに、かく。
ここにいても、仕方ねぇ……か。
[しん、と静まり返った空間。
誰の声もしないここにいても、得られるものはなさそうで]
どーすっか、ねぇ。
……駅前に戻るか、それとも……。
[過去の自分は、まだ海岸神社にいるだろうか。
いるならば、行ってみるべきか、と。
そんな事を考えつつ、ひとまず、病院を後にした]
止まってても、仕方ねぇ、よなぁ。
[返る声がないのはわかるが、ぽつりと呟く]
『仕事』もしないとなんねーし。
[力は、もう少しすれば回復しそう。
飛ばすのは慣れてきた気がしなくもないが、制御は無理な気がしてならない]
……そも、人の手に負える力じゃないんじゃね、これ?
[多分きっと、間違ってない]
―!!
[その瞬間、手で示したその場所に、二人の人が現れた。
一人は、見慣れた制服姿の「娘」。もう一人は、同じ制服を着た、娘の友達。
「娘」は、今にも泣き出しそうな顔をしていて、「友達」が心配そうにのぞきこんでいる。]
・・・ごめん!今話しかけないで!
[固まった自分の様子を見た誰かが自分に声をかけてきたら、そちらを見ることなく、するどい声で制止するだろう]
日向子さん……。
ええ、本当に。
[ウサギの仕業であることはもう明らかだから、頷くに留めた。確か日向子には小さいお子さんが居た筈だ。さぞ心配なことだろうと眉下げて。]
ワスレモノを探しているところだったんです けど…
チカノちゃん……友達が、その、狭間に落ちてしまったかも知れないって聞いたものだから、つい走って来てしまって。
[風でやや乱れた髪に無意識に触れた。
彼女の手にかかるとどれだけ言う事を聞かなくなった髪の毛も大人しくなるので、社会人になってからは時折通っているのだが、今の自分の状態は少し、何と言うかその、だ。]
んー?
[2人を探しながら、聞こえて来た声に生返事]
…アイツ、何か見つけたのか?
[声が届かないのが分かったから、会話するように返すことは止めて。文字通りの独り言を口にする]
そーいや……アイツが忘れてたことって、何なんだろうな。
[そう呟いて、思わず相手を探すように視線を巡らせた。声からはどこに居るかなんて分からなかったから、それ以上探しようが無かったけれど]
[娘が口を開く。]
「ねえ。私、お母さんの邪魔、しちゃってるのかなぁ。」
[言葉を出すと同時に、ぽろぽろと涙を流す。その様子に、]
―っ!なっ!
[絶句することしかできない。友達もそのようで、]
「どうしたの、みーちゃん?」
[ハンカチを渡して優しく手を握る。]
「私、おじさんのこと嫌い。私のお父さんは、お父さんだけだよ。
でも、私がそうだから、お母さん、おじさんに優しくできないの。
私、お母さんの邪魔だけはしたくないのに・・・」
[嗚咽をあげながらそう言い、そして、必死に何か言葉を紡いでいる友達とともに、「娘」は消えた。]
─ 駅前公園 ─
え、あ、そんな。
手入れとかよくわかんなくて、はずかしいんです、けど。
[髪を誉めてくれる穂積>>80に赤くなりながらも、誉められて悪い気はしない。
気を抜いてたら、と軽い口調で言われるのも気遣いからだと解るから頷きを返した。
和馬の説明>>70から二人の知り合った経緯やお子さんとはぐれたことを知ると、少し迷いながら口を開いて。]
あの、きっとお子さんも、大丈夫です。
お姉さんのお子さんだもの、お母さんを心配させたりするような子じゃないはず。
[根拠のない気休めだから、口にしていいか悩んだけれど。
大丈夫、そう自分にも言い聞かせるみたいにそう口に出した。
どうしていたか>>85と穂積から聞かれると、ん、と表情を改めて。]
あたしはとりあえず、風音荘に誰かいたらって思って見に行ってました。
心当たりは…まだ、思い出せなくて。
─ 駅前公園 ─
そう、ですか。
[祐樹の返答>>67を聞いて心配に表情が曇る。
彼が口にしなかったことは、付き合い長い雷電や六花ならば分かったかもしれないが知り合ったばかりの身では察することもできず。
ただ、何かを見て驚いたような表情と小さな呟き>>68には流石に気付いた。]
あ、祐樹さ…っ、気を付けてくださいね!
[急に駆け出した彼に驚くも、なんとか背中に声を投げかけ。
祐樹の駆けていった先、何かあるのだろうと思いつつも心配でつい見遣っていたところに六花の声>>83が聞こえた。]
あ…六花さん!
よかった、六花さんは無事だったんですね。
って…チカノさん、一緒じゃなかったん、ですか?
[六花とチカノは一緒にいると思い込んでいたから、彼女の問いかけに驚いて。
後からやってきた男性>>95の姿には見覚えがあったかどうか、息を切らしている彼に頭を下げた。]
[ふら、ふらりと歩いていく。
頭の中を巡るのは、先ほど病院で聞いた言葉たち]
『約束』……かぁ。
[思い当たる節があるような、ないような]
……そもそも、俺。
なーんで、絵描きじゃなくて、医者になろうと思ったんだっけ。
[意識の隅に追いやっていた事、それへの疑問が過ぎる。
この辺りが多分、解けないパズルのコアなのだろうけれど。
それだけに、というわけではないだろうが、中々答えは見えてくれなかった]
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