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―回想:生存中のお話―
[殺意を向けた後は、時折口を挟む他は自ら意見を述べることはなく。
その後の「処刑」は立ち会うことを願ったが誰かに止められてすごすごと部屋に戻った。]
[彼らは、…のお願いに承諾してくれただろうか。]
あ、お鍋まだ火にかけたままだったわ。
朝食の用意、出来ますのでよろしければ
召し上がってくださいな。
[炊事場のスープを思い出し、…は足早に二人の前から去る。
その後で手早く用意した食事をテーブルへと運んだ。]
[ごろりベッドに転がると]
私、何の役にも立ててないな……。
こんなんならいっそ、
[消えてしまえばよかったのだろうか。などと呟いてみせた。
元々冬になると鬱ぎがちになる気質であり、普段は悟られないように振る舞っていたのだが、この異常な状況の中では隠しきれなくなってきていた。]
やっぱり、マティアスさんは能力者のようね。
死んだ方とお話が出来るんですって。
……あの子たちの様子、あとで聞いてみようかしら。
[苦しんでいないといい、そう思いながら。]
― 自室→大広間 ―
[肩に毛布をかけ、昨日と同じ格好で。
時折見える小花柄は、司書には似合わない。
窓の外を見て、一度。
既に死したであろう、旅人と。
ナッキに誘われ、命を落としてしまったイルマに。
黙祷を捧げた。]
………服、
[乾いていない自分の服を手に取って、部屋を出る。
もし大広間の暖炉に火がついているようならば、
乾かせるだろうかと。
そうでなくとも、別の服が見つかるかもしれない。
皆と顔を合わせる可能性が高いことが、
あまり――乗り気になれない、理由。]
>>92
礼を言うのはこちらの方です。
あなたになら、いえ、あなただから、安心して相棒を預けられる。
どうか…よろしくお願いします。
[胸に手を当て、演舞が終わった後、いつもしていたように深々と一礼する。
その仕草は誰にも見えないだろうが、相棒を引き取ってくれたことへの最大限の感謝の気持ちだった。]
―回想・相棒との出会い―
[相棒と出会ったのは、東の島国を旅していたときのことだった。
その頃は一人ではなく、数人の仲間と動物たちが一緒だった。
身寄りの無かったトゥーリッキは、幼いころ旅芸人の一座に拾われ、動物を使った芸や舞踊を教え込まれながら旅をしていた。]
…さて、今日はこのくらいにしましょうか。
[彼は青年に成長し、一座のトップスターとして、仕切り役を任されていた。
拠点を決め、公演に向けての準備や演舞の習練がひとしきり終わると長旅で疲れているだろうからと、いつもより早めに切り上げる。
仲間がそれぞれの寝床のテントへと戻って行くのを見届け、自分も戻ろうとしたとき、ふと何かを感じ、背後をふり返る。
そこにいたのは、一匹の白い蛇。
その頃はまだ大蛇というほどの大きさではなかった。
その赤い目で、こちらをじっと見つめていた。]
― 大広間 ―
[へっくしょん。
くしゃみをしながら扉を開けた先には、誰が居たか。
そこにミハイルの姿が無い事を確認してから、
おはよう、その場に居る皆に声をかけ、
視線は暖炉へと。
火のつけられていないそれに一瞬眉を下げたが、
薪を無駄にも出来ぬと諦め、
その場から踵を返そうとする。]
[誰かに引き止められるようなら、
浮かない表情をした司書が、振り返る**]
[そんなことを考えながら寝ていたから、ナッキが"誘い"にやって来たときには安堵の笑みを浮かべながら]
これで、全てが終わるんだね。
よかった……。
[増幅された願望とともに表に出ていき、急激な気温の変化に対応しきれなかった生物の遺骸がそこかしこに浮かぶ湖に沈んでいった。
溺死は苦しいと聞いていたが、思ったよりは楽だった。]
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