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[ぷすり。
軽い音をたてて、足首辺りに刃物が刺さり、傷口から鮮血が流れ落ちる。]
痛いか?お前も痛みを感じるか?
[苦痛に耐えながら悪態をつく。
男の鮮血、鮮血。床に広がる血だまりに顔をうずめ、一心不乱に啜り、舐める。]
[これは普通の血?それとも…
マティアスも、あの鳥も【普通の肉】だった。特別な肉…、それを取り込めば、きっと組織の崩壊を止められるはず。]
さあ、お前の知っている事を話せ!
僕のお家は何処にある?にいさまはどこにいる?
―庭園の在ったビル―
[繋がれていない実験体は、抵抗するもの。
そして緑色の部屋で
彼らが繋がれていた験しはなく――今も。
返答の要を感じない質問は黙殺し、聴くは悲鳴。]
――ッ痛 … !! !
[そして旧友の声に振り向いた折の、足首の痛み]
[振り抜かせる前に、軽業師が崩す膝。
然し悪態の如く「倒れる」ためでなく
軸足を押し出して――少年の鼻面へ膝蹴りと。]
チ、そうそう
「変態やろう」ッて呼んでくれてたっけね…!
[腰から上体をきりと回して、儘の跳躍を試みる。
散ったのは鮮血とコールタールの混ざる雫で。
少年は其れを一心不乱に啜り出し、追撃はこない。]
? にいさまはどこ、って――
[視界の端へ、過るマティウスの仕草――
軽業師はもう一度旧友を振り返り]
な、っ――
…よせっ !! !
「そういういきもの」なのは――…
["俺"だけだ、と。声は*間に合わないまま*]
縄。
俺の縄がないんだ。
(だめ、だよ。)
(じっけんは、だめ。)
(しんじゃう。)
(やめようよ。)
…豚の方、死んだかも、カ?
―――…チッ。アンタが殺たのカ?
[苛立ちを露わにしながら尋ねる。
続くもう一匹を狙っているという言葉を聞けば
眉を顰めて、声を荒げる]
……翼、ぶった斬られたくなかたラ
大人しくスカイダイビングしてる、イイヨ。
[柄を握り、足を踏み込んで構える。
返答次第では、翼どころか手足の1、2本は貰おうかと]
[血を一心不乱に舐め続ける。
男が去った事も、他に人がいる事もきづかない。
これは、甘いのかな?僕知らない。
ああ、そういえばにいさまの血は…
すごく甘くて、おいしかった。
身体の熱は収まる事を知らない。熱くて身を焦がしそうだ。]
― 運び屋との対話の後に ―
[街中のざわめきは、徐々に勢いを増していく。
『口』たちが、上手く事を運んでくれた事を『耳』と『目』とが知らせてくれる。
先代に恩のある地下の住人『脳』が作り上げる噺は不安と混沌の中で、一つの道となり通り抜け。
あとはこれが、どの程度の尾鰭を纏い、鮮やかな彩で煽られてくれるか次第。]
……レーメフト。調べるべきカ。
[改めて調べてみようと思うのは、人ならざる者だと初めて知った運び屋の事。]
― 回想・砂塵の街 ―
前者だな、前者が逆
[顰められるカウコの眉は帽子の影なれど、
気配ばかりは飲み込める。道化た黙礼向け]
「儀式を潰した」ことが、
「儀式」
…そこからはじまってる
ここではね?
[人差し指をゆると上げながら、手首を捻る。
掌を上に向けると、]
そうだった、あの時も――――…、
俺は、こうして、
[ぐっと、拳を――――]
とどめは刺していない。
屋上から落とした。それだけ。
[相手の苛立ちに気付いてはいたが、それ以上は答えようもない。
声を荒げられても――こちらの方は、退く訳にはいかず]
嫌なこった。
翼を穢された報い、奴に必ず受けさせる――!
[答えつつも間髪入れず、構えた相手に右手で抜いた苦内を投げ付ける。
同時に足は、地を蹴るようにして後退した]
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