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― 階下・5Fカフェバーへ ―
[そして、グリタに再度黙祷したあと、下に下りる。
向かうのは、マシロが日記を壊したと思われる場所。
そこに先に訪れた者の姿を見た。]
――……セイジさん、こちらでしたか。
>>114
ああ、驚かせてしまいましたか。すみません。
[驚いた様子のセイジに、少し笑んでから、視線を七番に向ける。
そこに飾られた花も。]
綺麗な方ですね。花も……。
[そして、黙祷をする。それから顔をあげると、店を見回す。]
何か、飲みますか。
そういう場所のようです。
[遺体と傍に、ではあるが、
七番の遺体は、まるで生きている女性が眠ってしまったかのように自然だったから。]
ああ、そう、さっきの、ありがとうございました。
これでまた、音楽がきけます。
[そして、カウンターに入っていくと、袖からもらったイヤホンのパッケージを開けていく。]
[提案には一度ちらり、と、
7thの亡骸の方へと視線をやった。]
……喉は渇いている。
さっき、10thと2ndと一緒に食べたのが、舌火傷するほど熱かったし……。
冷たい飲み物ほしい……。
[理由と注文を小さく主張してから、スツールについた。可愛い白猫獣人のイヤホンが取り出されるのを見る]
なんかそういう可愛いのしかなかった……。
[少しいたたまれず、言い訳を添えたりして]
音楽、ふぅん……、なに きいてたの。
[クルミの笑顔に、自然と笑みが浮かぶ。
コップを片付けて振り返る。
彼女の真似をして軽く伸びをしてみれば、
じんわり眠気が痺れのように駆け巡った。]
じゃ、探しに行こうか。
少し眠れるところ。
[促して休める場所を求め、
クルミとソラを探した要領で日記を使う。
結局は3Fのキャンプテント、
ソラたちの近くに、知らず仮の宿を求めることに*なった*]
え?オレンジ?あ……、
[出された飲み物の匂いに眉を寄せた。
柑橘の匂いには猫科的本能で忌避感がある、眉根を寄せた難しい顔になったが]
………、そうか。
[猫が好きという言葉には、少し満足そうに頷いた。]
音楽はあるが……、
お前の世界でも戦意高揚は必要なのか?
[音楽の用途はまあそういうものだと知れるだろう]
…はっ? ちょ、ま、 ずりぃ!
てゆーか、それだとオレ様の行動は8thに筒抜けであってだなーっ?!
あっ、 ひっぱんな! こらっ。
ばかーーーーっ。
[連れ込み宿よろしく、キャンプテントに引っ張り込まれる。
相手は負傷し、疲労しているとはいえ、
体格差による力の差はいかんともしがたかった]
…、おい。
[逃げられないよう、手首はしかりと握られている]
…、…こら。
[オトナの女性が傍で横になっていて。
そのぬくもりは、すこぶる近い。
やってることは割とひどいのに、
あったかさは変わらなくて。
慣れない。
知らない。
…おもいだしたく ない。
―――怯えのような震えが奥底から競り上がって、]
っ、 いやだ!!!
[両腕を力いっぱい振り回して、
相手を突き飛ばすかのように距離を取った]
…っ、 は、 はー。はー…
[肩で大きく息をする。まだ、指先が震えていた。
ソラが目覚める気配はない。
おそらく熟睡しているのだろう]
[しばらく呼吸を繰り返して、なんとか平静を取り戻す。
見下ろす視界の中、眠るソラの姿がある。
――…いつもは見上げているものを、今は見下ろす]
…っ、だいたい、さ。
行動がバレるからオレ様を傍に置いて眠るとか、
そもそも根本が間違ってんだろーが!
[眠っている相手の日記を狙うことは、容易いのに]
こんな、無防備に…
[きゅっと唇を引き結ぶ]
…自分の世界を残すために。
ここにいるんだぜ、 オレ様だって。
オレンジは駄目ですか?
なら、林檎のほうがいいのかな。
[さすがにそこらへん気が利かなかった。
オレンジジュースは自分が飲もうと寄せて新しく飲み物を作る際、音楽端末のスイッチを入れる。
そして、流れ出すのは、
その世界での映画音楽のメロディばかりを集めたオルゴールの音色。]
――……どうぞ。
[そして、新たに、飲み物を差し出した。]
そのためなら――…
[そこで。ふ、と息を吐き]
まあ、…アンタだから、しないけど。
[けらっと笑って、静かに隣を抜け出した。
時刻はもう夜。
店の照明は落ち、世界は闇に落ちている]
[セイジが飲み物に口をつけたとき、
その音楽のことに聞かれれば答えながら、
その最後に……。
大事な話をしようとするだろう。]
ん、そっちがいい……
おまえ猫が好きとか本当か……?
[大抵の猫にとっては柑橘は敵である。
が、林檎ジュースは問題なかったようだ。そして流れ出した音楽に甘さに細められていた目が、ぱちくり瞬く]
………ん、
僕の世界でいうところの音楽と、だいぶ、ちがうな……。なんだこの音は……、形容しがたい……。
[音の由縁を探すように少しばかり天井を見上げた]
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