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それと…獏。
[ミナツ越しに獏を覗き込んで、
大きな瞳が瞬く]
ミナツを守って、って。レンが、頼んでます。
それから。世界の歌を聞いてみたい、と言ってます。
[聞こえるテンマの声は他の者達とは違う不思議な響き方で。まるで、時が交差したような感覚。未だに慣れない響きに]
……不思議な感覚だな。
[響いた声>>+13>>+14に]
……俺が持っていると自覚できるのは、この心だけだからな。
殺されずとも人は死ぬ。多分、それは自然なことだ……空を遮る透明なものの向こうでは、きっと。
…だから、お前は再び結びつきを取り戻したとしても還ることができないような、そんな気がするんだけれどね。
[浮かんでくる言葉をそのまま口から紡ぐ。自ら口にする言葉の意味をはっきりと感じるにはまだ、記憶がぼやけすぎていて。心に全てを任せて。]
[記憶がないのにレンの事が手伝ってか、少々遅れて声を発する。
暫くの間周囲の会話をぼんやりと聞いていたが、そのうちに立ち上がり]
失礼。
もう少しだけ寝てくるよ。
[誰にともなく言い残して、その場を*後にした*]
もう。テンマは。
いぢわるなの。やさしいの。いやらしいの?
ちっとも。わかりません。
[平坦な小声でルリは呟く。
語調ほどには呆れや怒りは含まれていない]
わかりま、せん…。
[少し不思議そうに
ミナツと獏とを、交互にみた]
[頷くともなくミナツへ頷くと、
いちど温もりを握り返してから離し、
膝をはらって立ち、アンの墓標の方へ向かって*]
箱入り娘 プレーチェは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
[ふと、こちら側へ来たばかりで意識がぼんやりとしていた時のことを思い返す。気になった事は…]
…そういえば。皆が揃って「手向ける」と突然言い出したのは…?
プレーチェが最初…だったかな。
[記憶の糸を辿る。目覚めた後の記憶は、目覚める前のぼやけた記憶と違って繋がるのは遅くなくて。プレーチェの言葉の後のペケレの言葉>>33を捕まえて。そして連想を]
…カナメが、言った…?みんなに?
カナメ。俺は何も聞いてないんだが。あの様子。みんなに必要な事?必要な事はおせっかいに話すお前が俺に話さない。
…という事は。俺には必要がないことか?何が?
何を言った、カナメ。
[少しずつ遠ざかるも、聞こえる事に変わりはない声へと問う]
『…………。
"あなたが生き延びる方法。それは、誰かを手向けること"。
君にはもう、必要のない事だ。
君はもう既に手向けられているのだからね。』
[やっと話したカナメの声に]
…この上ないほど穏やかではないな。
ふぅん。…それで。『誰に』『何に』、『なんのために』手向けるの?
とても妙な話だね…。
俺が手向けられたとするならば。
手向けた『先』が存在するということ。
お前が答えない類の話だろうから答えが返る事は期待しないけれども。…でも。
やっぱり「この世界」はどこかが変だ。
……そんな妙な「死」であるならば。
仮に、あの透明なガラスを突き破って、適応できずに還る……そのほうが、ずっとずっとマシ。
…世界との結びつきを見つけることができるまで。
ぼやけた記憶から意味を見つけることができるまで。
俺はやっぱり、眠れない。
俺は……望んで彷徨う。還るその時までは。
[その言葉は―――決意。]
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