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[歩き始めて、再び窓のところで立ち止まる]
[レンとミナツに気付く]
あら──泣いてる?
[なにやら深刻そうな空気に首を傾げる]
[無意識にカメラを構えてシャッターを切る]
[何枚も、何枚も]
[立ち上がり、泉から離れ出す。
きょろきょろと辺りを見渡していると、突然の衝撃]
うひゃぁ……
[素っ頓狂な声を上げて、地面に尻餅をついた。
見上げると、そこには息を切らした黒髪の少女]
……おはよー?
[ゲームというのは何なのか。
最初にいわれた時から現れて消える気配のない疑問。どこか胸がざわめくような感覚を持ちながら、歩いていく、私の足はどこに向かおうとしているのだろうか]
―通路―
[遠目にペケレの姿がみえる]
ごきげんよう、ペケレ。
おさんぽですか?
でも、歩を、してないですね。
[挨拶に続き、
彼女が手にする物の方へ、珍しげな視線がとび]
てがみ?
[同じように地面に座る少女の足元には、口の開いた封筒が落ちていた。
娘がそれを指差すが、瞬く間に少女は逃げるように走り去っていく]
だぁれ?
[問いに答えたのはカナメ。去って行った少女はアンという名だと言った。
落し物を拾って、汚れを払い落とす]
ああ、びっくりした。
ごきげんよう、ルリちゃん。
[ルリの視線が胸元に揺れているカメラにあるのに気付き]
カメラ。
写真──瞬間を取っておける機械よ。
[右手でカメラを掲げて見せる]
―泉―
[水の音は、どうやらここからしていたようで。ゆっくりと歩いて、水に触れてみる。ずきり、頭に痛みが走った。]
………水、触ると頭が痛いのか。
[凍った頭が溶けていくような、そんな感覚がする。]
あぁそうだ、俺はここで………
[ずきり、ずきり。]
ミナツはこの世界が好き…そうか…
[その言葉に、微笑んだ。泣きながら、微笑んだ。
目覚めてからまだ一度も浮かべたことがないほどの微笑みを。]
ミナツの描いた世界。俺も好きだ。
[そしてミナツがぽつりと呟いた言葉に]
…あると、いいな。この絵の場所。
行けると、いいな。
もし思い出したのなら、大切にするといい。
こんなにも心が震える世界なのだからね…。
[そうして、やっとその頬の涙を拭った。]
[びっくりしたペケレを、ふふふと笑い。
窓際へ足を進めて、下のミナツたちとペケレの胸元を交互にみた]
瞬間を取っておける?いつまでも?
とっておいた瞬間は、このなかですか?
[そっと手を伸べて、カメラへ触れてみた]
せか、い。
せかい…
世界……。
ミナツの見た世界。描いた世界。
繋がってる。結びついている。
もっと……もっと見たい。
世界をもっと見たい。
ミナツが、生命の息吹に溢れる世界と、再び結びつきを持てる事を。
……願い。
いや―――祈る。
俺は、祈る。世界との結びつきを。
[体に馴染む事務椅子に座り、両の手をじっと見る。]
なぁ、カナメ…だったか?
ここ…
[救護室だという返答以外、詳しい答えは返らない。]
なんかさ、引っかかってるんだ。
…大事なもの。
[デスクの上に転がったままだったペンを手に取り、胸ポケットへ収めると立ち上がる。]
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