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5th! あんた、1stに狙われてる!
このままじゃ、あんたが次のチート日記の犠牲者だ!
死にたくなかったら、戦え!
[マシロと同じ、未来犠牲者になる、――太った男の出身国風に言えば、確定白 を見出した瞬間だった]
[逃げを取らず、大声で叫ぶ。結果、ソラが接近するなら容易に間合いに入るだろう]
[電気ポットは当たる事無く、
ガシャンと何かを壊して落ちたらしい。
展示品が並ぶ狭い道に入り込んだマシロを追い、
またとりあえず触れたものを放り投げた。
電気シェーバーのようだったが、
勿論ソラには何かは判らない。
駆けこんだ通路の幅に低く舌打ちを漏らし
ポールは縦に持ったまま。
マシロへの距離を詰めようと、
更に蹴る足に力を籠めた]
きゃあっ!
[荒々しく倒される展示品。
投げつけられる商品。
それらを避けようと物陰に隠れながら
ネギヤの「時間がない」という言葉を頭の中で反芻させる]
[ソラがマシロを追うのを見れば、足は自然にそちらへ*向いた*]
[狭い通路、蹴りつけられる足を軽く跳躍してかわす。
逆の位置になりながら縦に振り下ろしたポールは、
薬缶に当たり、高く大きな音を立てた]
…いい得物持ってンじゃねェか。
[く、と口の端を上げて。
包丁を持った手首をめがけて、
真っ直ぐにポールを突きだした。]
[手元の日記が更新されていく。
『私は、4階に移動する。』
『私は、包丁を構えてネギヤさんを、』
日記は、まるで私の意志に応えるみたいに内容を増やしていく。それだけ、選択しうる未来が多いということでも、あるのだろうけど。
いつか、デンゴくんが言っていた言葉を思い出す。日記に書かれているではない、もっと別の選択があるはずだ、って。
つまり、日記に書かれていない行動だって、取れる。
私はゆっくりとエスカレーターを上がる。
大丈夫、って自分に言い聞かせるみたいに、何度か胸を撫でて。
>>294 聞こえたのは、ネギヤさんが叫んだ声。
ネギヤさんの背中は、私の前方にあった。
2番の子とソラさんが対峙しているのは、ネギヤさんの向こう。あれならば、私の行動を日記で見る余裕は、きっと無いだろう。
私はそっと、音を立てないようにネギヤさんの方へと近づく。]
自衛は大事、ってね。
[高い音に眉をしかめつつ飄々と返す。
手首を狙ってくるポールを薬缶で叩き、逸らそうとして]
11thはさ、なんで 1stをかばう、わけ?
[問いかけの応えはとくに気にしない。
それで気がそれれば、その間に、ポールを持つ手を切りつけようと、間合いを詰めた]
さぁ、ね?
[薬缶に跳ね返ったポールが負傷した指に響く。
ぐ、と眉を顰めて答えを返すと共に
一瞬足の動きを止めたから、
包丁は手の甲を掠めて 赤く線を描いた]
あんたが12thを逃がそうとするのと、
別に違わねェんじゃねェの?
[ぐる、と身体を大きく捻り
包丁を持った腕の肘辺りを狙って
伸ばした踵を上から落とす]
[赤い色が見えたが、それで彼女を止められるはずもなく。
その返事に、ふぅんと相槌一つ]
ま、そんなもんだよ、ねっ
[間接からはそらしたけれど、腕に受けたダメージは結構なものだ。
その痛みに取り落としそうになった包丁をきつく握り締め。
近づいた身体の、脇を狙って包丁を突き出した]
…あんた、慣れてンな…ッ!
[振り下ろした足を地面に下ろし態勢を整える前
突き出された包丁にポールを地面に落として
彼女の手首を捕まえようとする――が。
思っていたより素早い動作に僅かに間に合わず、
その切っ先が自分の脇腹へと飲み込まれていた。
それ以上刺されぬよう、力を籠める]
……やるじゃん。
[にぃ、と笑って、余裕ぶって見せた]
人を、刺したのは 初めてだけど、ね……っ
[切っ先がほんの少し刺さっただけ、狙いが甘く。
また、人を刺すと言う抵抗感で思い切り良くはいけなかった。
包丁を支えたまま体当たりでもすればもっと深く刺さるだろうが――]
とりあえず、諦めてくれると、むだなことしなくて、いいんだけどな。
[笑みを浮かべる11thを間近に見つめ。
ぽたり、と包丁から伝わる赤い雫がこぼれる音を聞きながらそんな問いかけをした]
…諦めなんて言葉は、俺の辞書には無ェな。
[間近に見詰められる顔に、更に壮絶な笑みを作る。
痛みが、薄い。
だからまだ思ったより動けそうだ。
それは先ほど飲んだ鎮痛剤のおかげだとは判らないが。
包丁を握るマシロの手を握った手のうち、力の余り入らぬ方を離して、ゆるゆると逆の脇へと手を伸ばす。
短剣ケースに入った包丁がそこにはあるから]
無駄で悪かったな?
[そして眉を立て、手首を握った手を捻ろうと力を籠めた]
なくても、諦めて。
[壮絶な笑みに眉をひそめる。
11thの動きには気づかずに、ただ、握った包丁を押し込もうと力をいれ]
っっ!
[手首を捻られる痛みに、とっさに11thをけりつけて、距離をとろうとした]
やなこった。
あんたが諦めな。
あんたの世界ごと。
[押し込められた包丁が身体の中で嫌な音を響かせる。
蹴りが入るのは視界に収めていたが、
掴んだ手首は離さずに、更に力を篭めた。
逃さない、と、呟く声は、低い]
けふ、
[至近距離の蹴りは鳩尾に入り、
身を折るけれど。
逆の手で短剣の柄を上着の内側で握った]
[2番の子と、ソラさんの遣り取りが少し遠くに聞こえる。それが距離のせいか、自分の緊張のせいかは、分からないけど。
ネギヤさんに近づきながら、私は鞄の中の包丁を取り出す。そして私は、果物ナイフをブレザーのポケットに忍ばせて、鞄を捨てる。
端末は、反対のポケットの中だ。まだ、点滅していない。
両手でしっかりと包丁の柄を持ち、]
―――……ごめんね、ネギヤさん。
[少し離れた距離からの、一声。
それを契機に、地面を蹴って。
包丁の刃ごと、ネギヤさんに体当たりをしようと、駆け出した。]
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