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[吹雪の中、雪を踏んでいた足元がいきなり柔らかくなる]
おっと
[どうやら湖に出てしまったようだ。あわてて後ずさりすると、何かにつまずく。地べたに倒れたまま見上げる]
桜の木……?
[昨夜、ノギが鈴木に話していた言葉を思い出す。今年は妙に客が多い、桜の木には近づくな……]
何のことだろう
[訝しく思いながら、しばし木の根元で休息を取っている]
[どれだけ歩いただろうか。身体の体温は奪われ、手足の感覚が鈍くなりつつある。このままだと俺も遭難しかねねぇな、と頭の片隅の理性が警鐘を鳴らし始めた。
遠くに薄ぼんやりとした影が見えてきた。近づくと…管理棟だ!誰かにナオとはぐれた事を言わないと…
ふらふらと、管理棟に近づくと、ノギの姿が見えた]
ヨシアキです!ナオさんが、ナオさんが行方不明に!
[なきそうな声で、ノギに向かって叫んだ]
お疲れ様。
[ロッカにはそう微笑んで、エビコへ視線を移すと]
私も、薬屋さんを手伝って来ます。
何かあったら呼んで下さい。
[台所からバケツやタライを持って来て、ライデンに渡した]
[ヌイからバケツを受け取って]
ありがとう。では行くとしようか。ヌイ。
体力が残っていれば何往復かしたいところだな。
[こくり頷いて、外へと*出て行く*]
[無事に管理棟まで帰りつき、ドアを開ける。
心配そうなみんなの顔を見て]
心配かけてすみません、遅くなりました。
[雪がついたままの頭を勢いよく下げた]
[地面に腰かけると、一気に疲れが襲ってくる]
何だか、眠くなってきたな。
映画なんかだと、こんな時には寝たら死ぬぞーって言われるシーンだろうけど。ふふふ、何だか暖かくて気持ちいいね。
誰の言葉だっけ。ジョージ=ワシントンかな?
桜の下には死体が埋まっている……
[桜の木の根元でうとうとしている。やがて意識を手放すのだろう*]
体力はそれなりにあると思います。
薬屋さんには負けますが。
[部屋の隅に置いていた荷物から上着を取り出し、ライデンに続いて*井戸へ向かった*]
[気が付くと、わたしは管理棟の中に居た。温かい空気と優しい布団の感触にゆっくりと目を開け辺りを見渡す。そして記憶を反芻する。ヨシアキくんとさくらの話をしようとして…強い突風に見舞われて…]
はぐれちゃった…。っ!ヨシアキくんは!!
[わたしは勢いよく布団から起き上がって叫ぶ。傍にいてくれたホズミさんがわたしの声で驚く。]
あ…ごめんなさいホズミさん、びっくりさせちゃったりして…。あのっ…ヨシアキくんは…?
[勢いよく起き上がった所為か、頭がふらふらする。それに何だか熱っぽいような気が。
でもわたしはヨシアキくんの安否が気になり、ホズミさんに問い詰めるように尋ねていた。]
[ヨシアキはノギに頭を下げた]
ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。
[また出て行こうとするノギに]
また出られるんですか…大丈夫ですか?気をつけてください。
[不安げな顔で見送った]
『死んじゃったらどうする?』
[幼い少女の声がした。
そんなバカな、と考える]
『だって弱そうだもの』
[弱い?]
『気付いてないの?』
[ナオさん?
声には出さず、心の中でのみ名を呼んだ]
いってらっしゃい。
迷わないでくださいね?
[心配そうだが、すぐ裏の井戸だ。きっと大丈夫だろう。水を汲みに行く二人を見送る。それとすれ違うようにヨシアキが戻ってくる。残っていたタオルを持って差し出し]
おかえりなさい。無事でよかったです。
まずは温まってください。
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