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[吹きかけると見せかけて囁く言葉。
胸元から覗かせる封筒を寛げて見せれば、その中にはたった一言。
『遺されし禁断の果実の実、
その全てを滅せ――』
と書かれていた。
蝮の娘は蛇を思わせる眸で男を見上げて]
この手紙。
……誰から受け取ったの?
まさか……あの施設の?
[もう忘れたふりをしていた、記憶の底の地獄絵図がまざまざと蘇る]
[命を奪うよりも、恐ろしい実験が何度も繰り返されていたあの施設。
まだ少女だった己も、あの施設の片隅でスタッフとして参加していた事を、この男は覚えているだろうか]
…………
[思い出すだけで震える身体をしっかりと両腕で抱いて、眸を伏せる。
長い睫毛が震えるのは、止められなかったけれど]
……ね。いいでしょう?
[男の腕から身を離し、胸を強調するように己の身体を抱きながら]
あそびましょう……?
[紅い唇が紡ぐ声は、微かに震えて。
まるで少女のような響きを滲ませていた**]
[――妖艶な蛇が、手管を凝らす。
ちらつかせた封筒と其の肌、どちらが白いか。
ふ、と籠る男の吐息は黒く澱む色を憚るよう。]
…
[応えせぬ間にも、被せるような誘惑の言。
片腕で窓枠へぶらさがった儘、軽業師の男は
しなだれかかる娼婦の太腿へ掌を這わせた。]
[遠慮のなさは、擦れた女にも伝わろう。
蛇めく彼女の鱗を探すに似る手つきが、
太腿から昇り骨盤のかたちを確かめて、
緩く甘く腰裏を摩りながら窪みを降りる――]
[柔く身を揺らして、するり
隣家へ跳ぶ足場、それだけのはずだった
宿の庇下、其の部屋へと――滑りこむ。]
骨でも 抜いてくれるのかい
[室内へ降り立つと同時、男は口の銜を離す。]
…お嬢ちゃん
[年齢もそう遠く離れているとは見えない
――毒蛇めく仕草の彼女をそう呼んだ*。]
[見下ろす男の瞳は、間近に硝子玉めく。
呼び名は記憶の其れと合致する其れで…]
誰だっていい
…俺が書いたかもしれないだろ
[言のやわらかい素っ気なさも、また同じ]
震えてるね
…逃げるつもりもないくせに
[細い肩を、緩慢に摩りおろす。]
お嬢ちゃんがサーディをたらしこんだのは、
こいつが届く前
[「…違う?」囁きは甘く乾いている。]
[男の大きな手が肌の上を這えば、艶めく唇から漏れる、甘い吐息。
何かを確かめる様にごつごつとした手が這う度、ふるりと震える身体。
恍惚とした顔でその手を受け入れる]
…… ……んっ。
[柔らかな尻をきつく掴み上げられても、悲鳴を上げる事はせず。
それどころか、男を見上げる顔は何処かうっとりしたもの]
骨以外のモノも、お望みならば……。
[室内へ降り立つ男の足元に跪き、銜を外した男の顔を見上げながら。
その手は柔らかく男の脚を撫で、その中心へとゆっくりと登っていく。
お嬢ちゃん、と。
名前ではなくそう呼ぶ男に、曖昧な笑みを浮かべて]
ああ、それとも。
骨抜きにするほど激しいものを、お好みかしら?
[顔に掛かる黒髪を指で描き上げながら、ふわりと微笑んだ*]
……嘘つき。
[銜を外した男の顔を見上げて、
詰る様にその唇に甘く噛みついた。
すぐに唇を離し、硝子球めいた眸を見詰めて]
――……あんたが書いたのだとしたら、今更すぎるわ。
あそこでの事。
お互い触れないようにしていたのに。
[どうして――…と、音もなく唇だけで紡いで]
[サーディの事を問われれば、苦く笑い]
随分と物知りなのね。
……ドロテアの事は、私の詰まらない意地よ。
あんなバカげた祭に、あの子の命を一欠片だってあげたくなかったの。
[肩に感じる温もり。
乾いた問いかけに、そう返して顔を反らす]
馬鹿な女だって、笑っても構わないわ。
[小さく息を吐き、蛇はその眸を伏せた]
― 時間は前後する>>30 ―
[落暉残照していた濁った赤黒い空も、今は一面どろりとした墨を流し込んだように夜闇を濃くし始めている。]
―――…お腹、空いた、な。
[ぴちょ――ぴた―――――ぴた――――]
[祭壇の最上段から、ゆるゆると流れてくる血の絨毯が、男の爪先を濡らす。祭壇へ顔を上げる。何処かで潰れた蛙の鳴き声を洩らす教祖の声。]
[本物の絨毯を歩むように、そっと、一歩ずつ階段を登ってゆく。凝固するにはまだ早く、粘度のない血が一歩ごとに足裏を濡らす。]
これ、匂い。
[途中で踏み付けたのは双眸を真横に切り裂かれた教祖の身体。ごつりという音がしたし、感触からは頭も踏んだのだろう。]
可哀相、だった、
[匂いの元に近づき、血の広がる床を探る。]
――砂塵の街・宿の窓辺――
おやん
ほんとうに随分とサービスがいいらしい
[膨らんだ衣服越しに触れられる脚は、
前日の浅い疵が心地よくひりつく。]
仕込んだオトコを褒めるべき…?
[灼熱抱く身に、女がいつまで
触れていられるかは知れず――
笑みの曖昧さを追求する野暮は犯さずに
…やがて身体の芯へ辿り着く手指に任せ]
[軽業師が触媒の入った馬銜を外した口唇に
触れられるのを酷く嫌うことを知った上での
仕打ちは、溜息を堪えることで受け容れる。]
…そうだっけ
[どうしてと何より瞳で問われても応えはない。]
笑われたいやつばかりだな
ん
[絡みつく艶は、視線とも肉ともつかず。
香りばかりはクレオソート臭がかき消す。]
たとえばこういう殺し文句、
お嬢ちゃんも…使うんじゃないかい
[微笑みにかかる女の黒髪を片手に掴むと、
覗き込む己が面へ向けてくっと仰向かせ――]
[黒髪を掴む五指を緩める。
夜風を通す態で、一度梳き流す。]
今夜は俺に任せて
…休めて
[「休んで」でなく「休めて」と。
身体をとも心をとも省く*意は*]
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