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[サワリ――
風に靡くように、耳許に届く音は。
文字となり言葉となり、名辞へと変わっていく。]
それは暗に誘われた者の責任、とでも?
[種を蒔いても芽が出なければそのままに。
餌を蒔いても喰いつかれなければそのままに。
選ぶのは、人間なのだと。]
まぁ、詰まれたら誰かを誘う、ただそれだけだね。
[神隠しに遭いたくなければ、花を摘まない事。
そんな単純な事を、はたしてどれだけの人間が守れるのか。]
そうだと思わないか?
[問いはしても、同意を求める様など無く。
もうじき花開く花を、ただ眺めている。]
まぁありがとう。
…お酒では無いわよね?
[歩いて回れないモミジのためにと飲み物を運んでくれた人に礼を言う。
笑いながらの確認は自分の体質を知ってのこと。
貰ったお茶をありがたく口にして、モミジは小さく息を吐いた*]
引率?
あぁ、そういえば君、去年も頼まれていたっけ。
今年もとはお疲れ様だったね。
…おや?
実力行使とは中々侮れない子だ。
ふふ、しかしダンケ兄さんには悪いことをしたかな。**
誰のせい、か。
さあ。
[釣られた魚が悪いのか。
釣り糸を垂らした人が悪いのか。
物事は巡るものだ]
――なんて。
[肩をすくめる。
言葉遊びには意味がない]
ただ、悪い、なんて言葉は、
[人間の側にたった言葉だな、と。
「コエ」にしかけて、やめた]
花。
[噂に流れるような花は。
知れば知るほど摘まれることはないだろうと思う。
知らずに。
あるいは、半信半疑で。
のどから手が出るほど欲しければ、
なおのこと、代償の大きさを知っているはずだ]
……。
[くすり、と。
笑う気配は「コエ」に乗ったろうか]
何色だっけ。
[忘れてしまった。
子供たちが描いてくれたこの絵は、本物だろうか]
[境内にはいつしか人だかりが出来ていた]
祠ってのはどこにあるんだろう?
[呟きながら歩んでいく、その袂では小学生からお代に貰った星の砂がしゃらしゃら音を立てる]
[問いかけに言葉を返さなかったのは。
問いかけというにはまっすぐすぎる音に気づいたからというよりも。
そうするのが当然なのだと。
あったはずの理由を思い出せないまま、そう、思ったから]
なぁ、ところでさ。
[代金を払って品物を二つ。
両手に収めながら]
「今年の新作」ってあるけれど。
来年も来たら別な新作が出てるの?
[興味深そうに張り紙を見つめ]
さぁ…
何色だったなんて。
[風にかき消される様に。
それでも届く声色の柔さに耳を傾け。]
しらないな――。
[興味が無い、というよりは。
必要ないと言った方が正しいかも知れず。
シャラリと購入したばかりの星の砂の小瓶を揺らす。]
でも――
[近付く足音に其方を向く。其処にダンケの姿を認めると、手の内からカメラを下ろしつつ、一礼をし]
……。
[かけられた問いに、もう一度礼をして。
差し出されたソースせんべいを受け取った]
……
[ぱり。
せんべいの端を齧ると、小さく軽い音がした]
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