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ええ、勿論。アーヴァインが何かを知っているのなら。
それはこの村全員が黒ということよ。
村の住民は1人残らず…。それで全て片がつくわ。
酒場
それにしても…どうして今更魔女狩りの話なんて…
[まだ仕事があると出ていったアーヴァインを見送りつつ、そんな事をぽつりと呟く]
確かに昔、魔女狩りがあったとは聞いていたけれど…
それは私の曾々お祖母さんの時には昔話になってたんだし…。
今更魔女狩りなんて…ねぇ…。
クインジーさんは、魔女狩りについて何か知ってるの?
[目の前で食事をするクインジーに聞いてみた]
村の全員……ひとり残らず?
[>>*9 笑みが消え、不思議そうな顔になり、しばし黙り込む]
私たちだけでは、ちょっと……村のみなさんにも協力してもらわないと、難しいと思いますよ。例えば、疑心暗鬼になって殺しあってもらうとか……どうしましょうか……
[僅かな沈黙。
>>*8 先程の問い掛けにぽつりと答える]
魔女のククは、魔法陣を書くための簡単ななぞかけです。
[空中に3×3のマスを書き、呪文を呟きながら見えない数字を入れる]
おっしゃるとおり、一部の者しか知らぬ知識は、魔法、と呼ばれますね。意味がわからなければ、未来を占う言葉にも、犠牲者を増やす呪いにもきこえる。
呪文ではなくとも混乱に陥れば、木陰は悪魔に見え、吹く風はバンシーのさけび、家の軋みは侵入者のあしおとに聞こえます。
そうだ、せっかくアーヴァインさんが、魔女狩りをうわさにしてくれたのですから、「あいつが犯人だ」と、村人同士で魔女狩りをして頂くとか。
それに、村のひとをすべて殺さなくても、何人か殺せば、自然と我にかえります。
だからみなさんが……集団自決ではなく集団ひすてりぃで……魔女狩りをしている間に、秘密を知るもの、我われの邪魔になるものを排除すればいいのではないでしょうか。
すいませんが……私は証を得ておりません。ですので、今回手を下せません。あなたのお手伝いをするだけです。Wolfの牙は、あなたのものです。
[アーヴァインと父の話す姿を部屋の中から見守る。言葉の端々から不穏な空気を感じ取ったのか、母の服の裾をぎゅっと握った]
…ママ、魔女って魔法使い?
魔法使いは良い人たちなんだよね。
[豊かな紫の髪を、見上げる瞳は不安に揺れる]
パパ、お出かけするの?
待って。ウェンも一緒に行く。
[駆け寄ろうとすると、母にそっと引き止められた。
見送る間もなく、扉は閉じられる]
どーして?大切な御用…?
ちゃんとパパ帰ってくる?
だって、帰ってきたばかりなのよ。
ご本…。…ん、分かった。
これを読んでたら、ちゃんと帰って来てくれるのね?
[きゅと唇を結ぶと、ソファに置いてあった土産の本を抱えこむ。一度玄関を振りかえるも、そのまま2階の子供部屋に向かった]
いってらっしゃい。
[部屋の窓を開けると、遠ざかっていく後ろ姿をそっと見送った]
[はらりとページを捲る。
昔々から始まる子供のための物語]
リっくん、うるさい!
[手元にあった枕を飛行機模型を持って部屋を駆けまわる少年に投げつける。抗議の声をあげる兄を無視して、ぽつりと問いかけた]
ねぇ、リッくんは魔法が使える?
そうよね。
そんなの使えるわけないわよね。
なによ、ウェンだってそれくらい知ってるわ!
[投げ返ってきた枕を受け止めるともふっと顔を埋める]
知ってるわよ。そのくらい。
[裏庭の井戸で洗濯をし、水で濯いだ後、エプロンで手を拭いてポケットから取り出した一冊の手帳を開き、首を傾げる]
衛生……ノリにより効果アガル。ただし吸水性がさがる。
ノリ? ノリ? ノリってどこだろう?
[ごまかすような笑顔になり、手帳をポケットにしまった]
ええと。きれいになりました……はい。
[力を込めて絞り、庭に張られたロープにシーツをピンと留める。ぽたぽたと水滴が落ちる]
[大人しくページを捲っていると、兄が寄ってきて覗きこむ]
なーに?このお話?
ご本は嫌いだって言ってたじゃない。
お話は好き?何よ、それ。
いいわ。少しだけ読んであげる。
[枕から顔を上げると、鞄を手元に寄せる。
兄が隣に座ったのを確認して、一冊目の物語を開いた*]
おおっと。
[ウイスキーの空き瓶に蹴躓いた。
照れ笑いを浮かべながら辺りを見渡すと、髭の男が視界に止まったので出鱈目のステップを踏み始めた]
や、やあヒューバート。
これ? 今年の収穫祭はダンスをお披露目しようかと思ってね。
[家を出ると、一度だけ、振り返る。2階の子供部屋のあたり]
過保護すぎますかね。
[二人の子たち。危ないからと家に閉じこめておく年齢ではないのかもしれない。真実も――真実であればなおのこと、隠しておくべきではないのかもしれない]
全く。
[頭を掻く]
――むかしむかし そんなことがあったのです。
小さな村に住む魔法使いは、今日も使い魔の黒猫と一緒に森で本を読んでいました。魔法の先生がくれた、不思議な本です。
ある日、いつものように本を開くと、中から妖精が飛び出してきて「たいへんたいへん 良くないことが――
[お土産の本の冒頭を諳んじながら歩いていると、眼鏡の医師と出くわした]
なるほど。収穫祭の出し物の練習ですか。
[細い目をこらしてヴィンセントの足の運びを追う。視界の隅に酒瓶が見えたが、見なかったことにした。
しばし、見つめる。
真似て、踊ってみた]
と、と、おおっと。
先生、私には難しいようだ。
[真顔で言った]
[集会場に何となく顔を出してみたら年配の男性が2人して不思議な踊りを踊っていた。]
何のおまじないですか・・・・?
[思わず口から漏れた言葉はそんな内容だった。]
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