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[一瞬、あれはすべて幻か?とも思ったけれど、
手にもった扇子一瞬、不気味な光を放つ。
開けば、そこには赤い文字があった。
『此れは神の日記也』]
『ケタケタケタケタッ』
[不意に幻聴が聞こえた気がして、
はっと視線を手元に落とす。
嗤うお化けカボチャの表紙を捲る。
白紙だったはずの絵日記の一枚目]
『これはかみさまのにっきだよ』
下手っぴな文字と。
幼児が描いたみたいなカボチャ…らしきものと。
漫画みたいな吹き出しが。
絵日記の上で楽しそうに踊る]
『とりーーーっく、おあ とりーーーと!』
『さあこどもには、お菓子《かみさまのにっき》をあげる』
『いたずらされるか、おもてなしするか』
『コロされるか、コロスか』
『*…ねえ、どっちがいい?*』
[ヨシアキの視線の落ちる先。
右手首に嵌められた端末に、
発信元のないはずの着信表示が存在する。]
” これは神の日記 ”
[明滅する文字を指先が操作する。
ぷつり。と、馴染みある接続の気配がして、]
[ぱらり、開いた手帳に、書き込んでも居ない文字が見える。
その中の一つ――]
……?
[繋がる相手の名前に、首をかしげた]
グリタって……えーっと。
[魔法使いらしきおねーさんと口論していた人だったかな、と思い返す。
どうやって繋がっているのか、何が繋がっているのか良く分からぬまま]
「とりあえず、この場所の探索をはじめる」
[いつもの癖でメモを取った**]
ほう
[そして、扇子に振動を感じ、広げると、そこにまた赤い文字が現れている。]
ええ、います。
貴方の声が今、見えます。
[それが、誰の声であるか、わかるわけもなく…しばし考えてから。]
私は、四番です。ゼンジといいます。
[そう名乗った。]
[もうひとつ、増えたアイコンに気付けば
そちらをタッチするもそれはチャットのようで。
ネットワークが圏外ならば、繋がるはずもないと
思っていたが、既にひとつ、メッセージが上がっていた。]
『2nd マシロ:とりあえず、この場所の探索をはじめる』
[チョコを受け取っていた女性で、自分の娘に
歳が近そうだと思っていた1人だった。
チャットの窓の参加者は自分と彼女だけしかなかった。
音声対応もしているタブレットだが、今は指で打ち込み]
君は今、どこに?
[打ち込みが終われば、メモ帳の窓を閉じて
再びチャットの窓を開く。]
…返事はない、か
しかし、仮に他の奴らも
誰かペアが用意されてたとしたら
――…少々厄介だな。
[慣れた手付きで新たな文字を打ち込んでいく。]
2nd。俺と手を組む気はないか?
[手帳に増えていたのは、他にもあった。
グリタからの問いかけ。
不思議なおもいでそれを見つめていたら、また新しい言葉が浮かび上がってきた]
うわあ……なんか、インクがにじみ出てきてるし。
文字になってるし、なにこれ。
[不思議な、不思議すぎる手帳に口の中で呟き]
屋上にいる。
10thと……手を組むのも悪くはないか。
そちらは、今どこ?
[そんな言葉を手帳に書き付けた]
[2ndからのチャットが更新されると、
その返事に満足げな面持ちを浮かべる。
それから、返信を打ち込んで]
こちらは2階、服飾品を扱うフロアにいる
これから武器になりそうなものを探しにいく
[自身の事を打ち込んだ後、時間にやや間をあけ]
危なくなったらすぐに呼ぶように
[どこか保護者のようなひと言を付け加えた。]
[手帳には、また新たな言葉が浮かんでいる。
どうやらグリタからのメッセージは見開き2ページを使用して表示されるようだ。
今のところは片側1ページに上から順に現れている]
武器ならこちらも手にいれたよ。
そちらで見つからなかったら、一つ譲る。
[そんな返事を書き込んでいる時に滲み出した言葉を見て。
小さく笑った]
はーい。
そっちも、危なくなったら声かけて
[素直な返事とともに同じ言葉を返しておいた]
[端末が震えたのに気づき、タブレットを手に。
チャットを開くと返事が返ってきていた。
その返事に、ふ、と口髭の下の口元が緩んだ。]
手ぶらでも闘う心得はある
2ndは、他の誰かの動きが解るか?
俺は11thの事なら解るかもしれない
[エレベーターの中で手帳に視線を落す。
また新しい言葉がにじみ出ていた。
手ぶらで、ということに]
グリタは格闘術ができる。
[と手帳にメモを取った]
11thっていうと魔法使いのおねーさんか。
こっちは隣……3rdのクルミって子の行動がわかる。
[エレベーター前で端末がまた震え視線を落とす。
取ったらしきメモもチャットに上がっていて]
…、2ndには3rd
そして10thの俺は 11th、
[思案の時間は短く、]
自分に付けられた番号より
ひとつ若い番号の奴には気をつけないとな
[手帳は開いたまま、顎にあてている。
ちらりと視線を落せば、新しい文字が見えた]
……
[伝えられた言葉に、なんとなく法則を理解して]
その人にはこっちの行動筒抜け、って感じかな。
どこまで詳細に書かれてるかはわかんないけど。
油断は禁物
[そんな言葉を書き込んだ]
[手帳に、グリタが向かった先が記されていた。
こちらも、移動した事を伝えておく]
二階についた。
[フロアマップに表示されているブランド名とかはさっぱりだった。
覚えておくのは、エレベーターの位置。
階段の位置。
トイレの位置。
そんな程度。
あとはどんな並びでとか、書かれているものをみている]
ん?
[鞄の中で端末が震えたのに気付き取り出す。
2ndからの連絡が入っていた。]
近いな。
[先程まで自分がいた場所、探しに来たのかと思い]
合流するか?
[手帳に新しく滲みてでくる言葉に、ちょっと考える]
んー、どうしようかな……
[合流するのもいいけれど。
とりあえず、目立たなさそうな上衣を手にいれようと思い]
上衣を見てくる。
合流するのは、後でもいいかな。
女は、身体冷やすなよ
[上衣を探すと見れば、そんな一言を返信し
それから、]
11thが武器を手にいれた
不用意に見つけても近付くなよ
[仕入れた情報を追加で伝える。]
声が”見える”?
そうか、そんなシステムになっているのか。
俺は叶 吉明。…1stだ。
[囁くほどの声であっても、個人端末は持ち主を認識する。
声が見えるという相手に返すタイミングは、そう遅くない。
ゼンジと名乗られたなら名乗り返す。
習慣的に、それを躊躇うことはしない。]
しかし喜べる気もしないな…。
[神の力を与えられるとはいえ、要は他から狙われるのだろう。
そうルールを解せば、ため息も落ちる。
”仲間”を簡単に喜べる気分にはなれなかった。
声の調子まで伝わるのかは知らないが。]
[それは、まだグリタと会う前だっただろう。]
カノウさんですね。
実は、私のこの、日記というんですか?
これに貴方の声が映ります。
そして、この日記はどうやら己を神と名乗っているようです。
神の日記。
ふと、思ったのですが、貴方のも左様で?
喜べないと。
ええ、なんとなくわかります。
この神の日記はどうやら、
ハズレくじかもしれませんね。
[声はどのようにカノウに伝わるのだろう。
いずれにしろ、それは単調に。]
ですが、
それもまた、なりゆき。
起きてしまったこと、振り返っても仕方ありません。
[勝負師の男は、そのとき、確かに笑んだけど、
きっと見えることはない。**]
そうか。
俺の日記には、あなたのメッセージが映されている。
話してくれれば通話出来るとは思うけど……。
[些か自信なげに端末を見て、緩く首を振る。]
ああ。そのようだ。
神の力を少し与える──…とか。
別に頼んでもいないのにな。
手にいれたもの
包丁、アイスピック、カーディガン
[手帳に記された文字に視線を落す。
服の種類が豊富すぎて目が回りそうだったとか。
そんな情報はさすがにのこさなかった]
…前向きな人だな。
[文字であればメッセージとして映されるが、
声であれば音は耳朶へと直接響く。
どちらにせよ淡々として揺れぬ様子は、
その言葉選びからも伝わったが]
なりゆきか。
このゲーム自体成り行きみたいなものだしな。
ともあれ俺は、
死ぬのも自分の世界が壊されるのも遠慮したい。
…正面からで難しいなら、使えるものは使わせて貰うさ。
[これは戦い慣れていない自分へのハンデだろうか。
思考は殺人ゲームへと向けられて、
己の落とした言葉に、4thとは対照的に顔を顰めた。]
[不意に。
簡素な棒人間がふたつ、絵日記の上に現れた。
片方は先程のオトナ専用服――もとい和服を着ているようにも、見える。
続いて幾つも出てきた吹き出しが、
二人の“鬼”の存在を―――告げた]
のわっ。 なんか、増えたっ。動いたっ!
すげーーー!
[嗤うカボチャのような悪意はなく、
何処か戸惑いを含んだかのような
赤い台詞の吹き出したち。
なんだか、玩具みたいで。
無邪気な歓声がひとつ零れた]
[ふと、子供の感嘆の言葉が、妙にまるくごつい文字で現れる。
そう、勘亭流というやつか。]
何がすごいんだい?
[ごく自然に問いかける。]
…ん? あれ。
[じーーーっと。絵の和服を見つめて]
……、なあ。
4番のおっちゃんって、
もしかして変な服着てた大人子供のおっちゃん?
[人の番号も名前も覚えちゃいない。
とりあえず棒人間の恰好を見て、
記憶に残っていた特徴をぶつけてみる]
[もぐもぐと果物を咀嚼しながら、ぱらりと手帳をめくる。
あれから新しい文字は増えていない。
とりあえず一言]
一階で果物をもらった。
こっちは欲しい武器がなかった
それと、4thとも手を組んだ
[歩きながら、タブレットを開き2ndの手に入れた
武器の詳細を見れば、上々だと思う。
4thとの会話を思い出して、]
マシロは、自分の世界を守りたいか?
[そんな質問をチャットに投げた。]
あっ、オレ様は9thってヤツみたい。
名前はなー、デンゴ!
[他の二人が名乗っている吹き出しに倣って、
自分も名前を告げておく]
[書いたと同時に、文字が浮かび上がってくる。
滲むように記されるそれを読んで。
おお、と瞳を見開いた]
4thっていうと、異世界に不思議がってたおにーさんか。
戦力が増えるのはいいことだね。
[少し間を空けて浮かんだ文字にはもちろんと頷いた]
私が生きる場所は自分で守る。
これはあたりまえなこと。
[魔獣とかいて、自分で自分を守るのは至極当たり前な世界。
それがこんなところにつれてこられて、自分=世界となったのなら、それはもう、当然守る対象なのだった。
なにより暮らしていた場所が居心地良くて好きだったのだから否定する要素などどこにもない]
[その言葉に、
ああ、あの子で間違いないと思う。]
そうだよ。
大人でもあり、子供でもある。
どうやら、君も神の日記をもっているんだね。
護身の心得もあるようだ。
男手が増えるのは悪くないさ。
[話の相手を視界に捉えつつも、
あえてチャットを選択して打ち込む。]
そうだな。
俺も、死ぬわけには いかない。
[続く文章を打ち込みかけたが削除し、顔を上げる。]
神の日記…――
[絵日記の一枚目に戻る。
…嗤うカボチャ。真っ赤な文字。
嫌でも脳裏に焼きつく、その吹き出し。
和服の棒人間のページに再び戻って、]
うん。なんか、書いてある。
その「かみのにっき」ってゆーやつだって。
オレ様たちが、鬼? …この3にん?
[振り返った先に、手帳に浮かび上がる文字を書く人が見える。
手帳は閉じないままだから、相手の返事も見えた]
おお、戦える人ならラッキーだ。
だよね。
生き残って自分の世界に帰ろう。
[そんな言葉を手帳に書き込んだ]
[振り返った先に、手帳に浮かび上がる文字を書く人が見える。
手帳は閉じないままだから、相手の返事も見えた]
おお、戦える人ならラッキーだ。
だよね。
生き残って自分の世界に帰ろう。
[そんな言葉を手帳に書き込んだ]
鬼か。
現段階ではそういうことになるのだろう。
[その立場、男は実は悪くは思っていない。
さて、この子はどうか。]
ゼンジだ。
君はなんて呼べばいい?
[見えた文字がなければ本気で驚くところだった。
書き込む余裕はないが、言葉どおりの行動なのできっと大丈夫。
しばらく逃げた後]
びっくりしたー。6thにみられたかも
[逃げる途中に見えた姿を思い出してそんな書き込みをしておいた*]
[チャットの文字に、笑みそうになる顔を堪え]
演技派だな
見られていたのは好都合
これで1st、6th、9thから
俺らの協力関係は見えにくいはずだ
うまく使えよ
[そう、逃げた2ndにだけ向けられる言葉を打ち込む。]
ああ、そういうことか、頭いーなあ。
[手帳に浮かび上がる文字に納得した。
そこまで考えて動くとか、うん、協力関係結んでよかった、としみじみ思った。
敵に回すと手強そうだ]
ソコまで考えてのあれかー。
協力関係はある程度隠しておいたほうが有利だしね。
了解。そっちもがんばって
[逃亡成功の続きで書き込んでいた**]
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