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[ゼンジを見送った後、違う方向から扉の開く音がして、そちらを振り返る]
あれ、セイジくん。プレちゃんも。
……ってことは、お稽古場にはフユキ監督しか残ってないんじゃ。
私達も、そっち戻っていいのかな?
お稽古しなくちゃ。
主役でも、そうじゃなくても。
前に[おとなしい コハル]ちゃんがやってた、[心を奪われた]シーンをやってみたい気分なの。
「そうして誰もいなくなった。
秋に木の葉が散るように、みんなここから去っていった」
[椅子に座ったまま諳んじる、
台本の一行**]
監督、みんなから選びきれなかったんだね。
[そっと覗き込む舞台にはひとり、ふたり。
稽古を始めようと集まり始めている。]
私も、もう一度頑張りたいです。
これからの演技で、これなら大丈夫だって
言ってもらえるように。
脇役で培った存在感を出す為の努力を、
しっかり発揮出来るようにして行きます。
……よろしくお願いします。
[大人しくて目立たないけれど、次こそは。
そうして決意も新たに、コハルもまた
皆に続いて舞台へと向かった。**]
…結局、オーデションはしきり直しなの…?
まさか、余所からスカウトするなんて
言わないですよね、監督。
[どす黒いオーラ漂わせながら、にっこり笑顔**]
[なんだか笑われた気がして>>0、ちらっと振り返るが無表情のまま。
>>2かっこつけるセイジに]
ふーん。
難しいことわかんないけど、気が変わらないうちにもらっとく。
…あ、もう返して欲しいって言っても遅いからね?
[手の中のマニキュアを振りながら]
[髪を縛っていたゴムを外し、髪を下ろす]
さて、普通だと、私がモニターの場所へ行ってから、みんなで監督のところへ合流って展開だけど、めんどくさいから手っ取り早く順番を飛ばして監督のところへいこっと。
はやいとこ、あの頑固な監督に私の演技を認めてもらわなくっちゃね…!
[駆け出した**]
[ああ、そうだ。
監督には私の[小箱を拾った]な演技を見てもらおう!
と決意を固めながら**]
/*
ランダム使い忘れていたのでくっつける
「ひとつ、試練を与えよう。
ひとつ、絶望を与えよう。
ひとつ、苦痛を与えよう」
[立ち上がると、台本を椅子に置く。
諳んじるのは台本にない台詞]
「そうしてお前を苦しめて、
それを俺は、見つめるのだ。
苦しむ姿を。
あがく姿を。
そして俺の元へと、突き進む姿を」
……お。
[稽古場に戻ってきたメンツに顔を向ける。
眼鏡を拭き直し見せた顔はいつも通りの緩い笑み**]
戻ってきたか。
じゃあ。
稽古、再開するぞ。
[稽古場に皆が戻ってくる。
その中に、アンの姿を見つけた]
……アンちゃん。
[ほんの少し、ためらってから。
その後は迷い無く、彼女へ歩み寄る]
アンちゃん。
悪戯して、ごめんね。
主役候補になったの、羨ましくて……ごめんなさい。
ハンカチ、洗って返すね。
[彼女から返ってきたのは、どこかで見ていたのか、デコピンひとつ]
[誰かに嫉妬する気持ち。
それを恥じる気持ち。
誰かに胸をときめかせる気持ち。
虫の良い話かも知れないけれど、それらはきっと演技の糧となるから]
さあ……みんな一緒に、お稽古始めよっか。
[手強くて、可愛らしくて、優しいライバルたち。
競い合って、支え合って、いつか、皆で大輪の花を咲かせたいと思う**]
結局みんな、主役候補で主役は未定っていうことなのかな。
[稽古場を覗き込む。
監督と、幾人か、自分と同じ、主役候補]
ふふ。
いいね、楽しいね。
[みんないる。
そんな場所にまた、足を踏み入れる]
セイジくん、マニキュア、プレーチェちゃんにあげたんだね。
[セイジの爪に残る色と、プレーチェの爪を新たに彩るものは同じ]
私も塗っておけばよかったかな。
[ぽつり]
な、なんとか間に合った……かな……。
[それからしばらくして。
セイジは再び人の集まってきた稽古場にそっと姿を現した。
皆、さっきまでとは顔つきが違う気がすると、ふと思う。
主に目つきがいいとかまあ色々。
自分は、何か変わったのだろうか。よくわからん。
それはさておき]
いいよなあ、……こういうの。
[しみじみしつつ、新たな一歩を*踏み出した*]
マニキュアを次に渡した人にささやかな幸せが訪れるってね。
あの台本、実話らしいよ。
[嘘とも本当ともつかない口調で言いながら、セイジの背中をぽむっと叩いた**]
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