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[タカハルは屋上の階段についていた。まるで自分の意思とは関係の無いように足が動く。
疲れているはずなのに。走って。下って。上って。こんな事態に巻き込まれて。疲れているはずなのに。
タカハルは足を上げ、ゆっくりと一段づつ上っていく。上らされている?]
[一段上るごとに人の顔が頭に浮かんでくる。
親しくなれた人たち。
親しくしてくれた人たち。
守りたいと思えた人たち。
守ってくれた人たち。
なんだかんだで大好きな姉]
[九段目]
[・・・怖いよ]
[十段目]
[怖いよ・・・]
[十一段目]
[やだ・・・《そこ》には行きたくない・・・]
[十二段目]
[・・・たすけてっ]
[そしてまた一段]
へっへっへ、ナオ先輩!
死亡フラグはもらったぜ!!
その長続きしたということを聞いたことの無いつり橋理論で恋人になったらカップルに挟まれて右往左往すうがいいわ!!
やけどしろ!!
いやームリだって。
あんなカップルワールドムリだって。
なんの結界だよあれ。
やべーって。あんなんに手出しできるとか幽霊、強い力を手に入れるのと引き換えに空気の読み方を失ったな?
っていうか誰も生き残らないストーリー展開ならあれか。七不思議がないと二人は両思いになること(もしくはなっても気づくことは無かった。もしくは思いを伝えられなかった)は無かったけど、七不思議があるから生き残れないって
なにそれかなしい
あー同じくらい空気を読めない存在が普通に地球上に存在してるわ。
おばちゃんっていう。
なんだよー普通に登場人物に用務員のおばちゃんとかいれば勝てたんじゃね?これ
[十三段目]
[そこに足を踏み込むと、目の前に黒い空間が広がった。扉のような・・・さっきまで屋上への扉が見えていたはずなのに]
・・・っ
[足が・・・止まらない]
にゃっ・・・ゃ・・・
[手が震える。懐中電灯が手から離れて・・・階段を転がり落ちた]
[それでも止まらない。止まれない]
たっ、たすけてっ!!
[その一寸先も見えない闇の中に足を――]
[闇の中から声が聞こえた]
オイデ……
オイデ………
コッチニオイデ………
[闇へと誘う甘い声。とても優しくて・・・冷たくて・・・怖かった]
おねがい・・・
「…――――――」
[最後に何かを言って。
タカハルは闇に消えた。
普通に階段を上るように]
[何事も無かったかのように元通りになる階段の下にあさっての方向を照らす懐中電灯だけが残されて]
リア充てめー
じゃなくて
おめでとうございますご祝儀です。ってことでつり投票をプレゼントさせていただきます。先輩!お幸せに♪
―同刻 タカハルの家・リビング―
「・・・遅い!!
なにやってんのよあいつは!!」
[バンとテーブルを叩き、イライラしたように叫ぶ女性。
タカハルの姉の恵美だ]
「いま、何時だと思ってんのよ!!
ちょっと遅くなるって・・・あいつにとってのちょっとの定義を帰ってきたら問い詰めてやるわ!!」
「まったく・・・あいつのハンバーグも食ってやろうかしら
人がせっかく食べないで待ってやってんのにあいつはどこで何してるのよ!!」
[通じないだろうな。と思いつつまた携帯を掛けて見る。
やっぱり通じない。
恵美は携帯を乱暴に閉じた]
「はぁっ・・・もー、早く帰ってきなさいよ。
寂しいじゃない」
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