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[ヌイと別れ、湖畔の桜を見上げる]
桜桜桜 桜桜 桜桜 桜 桜 桜
桜 桜 桜 桜 桜 桜桜 桜桜 桜
桜 桜 桜桜 桜 桜 桜桜
桜 桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜 桜桜桜
桜桜桜桜桜桜 桜桜桜桜桜桜桜桜桜 桜桜桜
桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜桜
[反らした身体をやがて地面に仰向けに倒すと、空をバックにした視界一面に広がる桜色の世界を見上げている]
[目を閉じてしばらく桜の海をたゆたった]
時間がない、か。
僕の時間もどれだけ残されてるのかわからないね。
[ヌイの言葉を思い出す。ノギやエビコ、スグルはヨシアキに呪い殺されたのかもしれない]
悪魔祓いね
[ネタ帳に記した後、起き上がり、桜色の花道を管理棟へと戻っていく]
[沈黙の流れるの中、すっくと立ち上がる]
判断はホズミさんにまかせるけど…
俺としては見えちゃったものは仕方ないわけで。
ノギさんとエビコさんは、管理人さんと同じところ、かな…会いに行ってくる。
[そのまま、囲炉裏を離れようとする]
[外がほのかに暗くなってきた頃、管理棟へと戻ってくる。扉の前、一度だけ桜を振り返り、ねめつける]
化け桜と……人狼か
[つぶやくと、暖を取ろうと居間へ向かう]
[わたしが雑炊を口にしていると、ヨシアキくんが目を覚ましていた。]
おはよう
[わたしは挨拶をして微笑んで向かい入れたけど。
ヨシアキくんは丁度台所から戻ってきたホズミさんの隣に座り、雑炊を盛って一緒に食べていた。その姿を見た時ほんの少しだけ胸が痛んだ。
こんな時に不謹慎だと思いながらも、チリチリと焼け焦げるような感情はとめられない。
わたしは不貞腐れながら雑炊を口にして、早々に立ち去った。エビコさんの姿を探す為に。]
[屋内にも関わらずかじかむほど寒い部屋。
四つの遺骸が並ぶ霊安室と貸した場所。いつの間にいたのだろう。そこに薬屋が佇んでいる。
言葉を捜すかのように、何を言えば全く思い浮かばないように]
……何だろうな。
[やっと、それだけを言った]
えびこさーん…何処行ったのぉ?
[外を探しに出るのは一人だったため出来なかった。もし一人で出て遭難なんて…考えたくも無い。]
もしかして…アンさんの弔いごとでもしているのかな…。
[遺体は奥の部屋に安置していると誰かの言葉を思い出す。もしアンさんの傍にいるのなら、お線香の一本でも上げてこようと思い、恐る恐る安置されている部屋へと向かった。
そこに遺体が増えている事なんて知らずに――]
――管理人室――
[そこだけひんやりと冷える部屋のドアをノックして、わたしは静かにドアを開けた。
そこには薬屋さんが静かに佇んでいた。]
薬屋さん…?どうしたんですか?こんな所で…。
[そこにはエビコさんの代わりに薬屋さんが居て。不思議に思いながらもわたしは声を掛けた。]
[すれ違いざま、ヨシアキは管理人室へ向かったのだろう、とふと思った。使用済みの食器を片付けながら、静かに俯いたままのホズミに気づくと]
どうかしましたか
まだ頭痛が治まりませんか?
[心配そうに声をかけた]
――人を。人を探していてね。
見つけたところだ。きっと、見つけたと思う。
[名を呼ばれても振り向かず、だがナオに答える。
薬屋は上着のポケットから手を出して、そっと人型を包む毛布をめくった。その顔を見る。
女だった。大人しそうな顔の。男の手は震えている。男は自分のそれに気づかずに、亡骸の頬に触れる]
……何だろう。苦しい。とても苦しい。
ひとを…さがして?
[一点を見つめたまま答える薬屋さんに、わたしは首をかしげながらその動作をただ見つめていた。
やがて毛布に伸びた薬屋さんの手元から現れたのは――]
エビ…コ…さん?うそっ…そんな――
[わたしはその顔を見て息を呑み口許を手で覆う。
苦しいと呟く薬屋さんの言葉には、何も返せずに。]
[泣いたせいか顔が火照っている。彼らの死を考えては浮かぶ涙を拭いながら部屋を出る。台所から出汁の良い香りが漂ってくる。込上げてくる感情を沈めるために、外へ出た]
あ…置いてきちゃった。
[利用者帳を奥の部屋に忘れてきてしまった。空になった手が涼しい。]
[震える指でゆるゆると他の者の毛布もめくり、亡骸を確認する。乃木。そしてスグル。
薬屋は自分の震える指に気づいて、震えをとめるようにその指を噛む。ぶつりとかすかに肉を噛みきって指を離す]
自分にここまで反吐がでそうになることもないな。
[疲れたように言うと立ち上がった]
[ナオに優しい言葉をかける余裕もなく、出て行こうとして、思い出したように一つだけ言う]
乃木の意志は私が継ごう。
[少なくとも、そうしようとして死にたいものだ。
そう付け足して、*その部屋を出た*]
[無意識に足を進めるうちに、初めに与えられた家屋にたどり着く。がらがらと音を立てて、玄関の扉を開く。ひんやりと冷えた部屋の空気が身を包む。]
一つ目の魂。
狂い咲くは魂。
黄泉に捧げては死を。
[歌うように刻まれた文字を唱える。湖と桜並木の見える窓辺に立つと、結露に濡れたガラス触れた。]
[薬屋さんの震える手が、新たに並んだ毛布を剥いで行く。そこでわたしは初めて毛布の数に気付く]
アンさん…エビコ…さん――そして他の二つは…?
[答えは聞かずとも薬屋さんの手で暴かれる。
次々現れる変わり果てた姿。]
そんなっ…人攫いさんまで…。
な・・・んで…?何でこんな事っ――
ねぇ!どうして?これもさくらの…根牢の呪いなの…?
[夢に出てきた言葉と同じ文字。消された名前。丸とバツ。]
…意味分かんないよ。
[指から温度が奪われていく。桜の木下に、人影を見た*気がした*]
[投げかけた問いは果して薬屋さんに向けたものだったろうか?
それはわたしにも解らなかった。
ただ、立ち去る間際。薬屋さんが零した言葉だけが救いに思えた。]
人攫いさんの意思…――
[それはどんな意思なのかは解らない。でも今わたしは…その言葉にただ縋るしかなく――]
こわい…こわいよ…ヨシアキくん――
[誰かに縋りたくて呟いた言葉は、仄かに温かい思いを寄せた歳の近い少年の*名前だった*]
[ヨシアキはふらふらと廊下を歩いていた。さほど遠くない管理人室に向かうだけのはずなのに、足どりがあまりに重すぎた…
管理人室の近くまで来ると、中からナオの声がする。
中に入るべきか、入り口でしばらく悩んでいた…]
?!
[自分の名前が聞こえる。助けを呼ぶような声…
悩む間もなく、ドアを開け中に入ろうとした]
私は......
生きたい......
死ぬなんて...
嫌だから......
私は......
犯人を知っているかもしれない...
私のしようとしていることは...
間違っているのかもしれない......
けれど......
ただ殺されるだけならば.........
[ノギとエビコを見つけた時の、ヌイとホズミの様子を思い出す]
あの時ですか
[外出の準備をするホズミに]
ちょっ……
もし本当にヌイさんが犯人なら、ホズミさん一人じゃ危険ですよ!
[ドアを開けると、ナオが振り返ってこちらを見た]
ナオ…
[彼女の後ろには、4つの毛布につつまれた塊。
何も言えずに、ゆっくり彼女に歩み寄る。近づいて、彼女にむけてそっと手を伸ばす]
先生...
あなたと一緒で認めるわけないでしょ?
冷静に考えて?
大丈夫だから...
二人で話しをさせて?
ね?
[フユキにキスをして帰るよう諭した]
[開いたドアから覗いた姿はヨシアキくんだった。]
あ…ヨシアキ…くん…、エビコさんが…人攫いさんが…スグルくんが…――
[声が震える。頬に温かい感触を感じた。それはわたしの涙だった。泣くなんてみっともないと思ったけど。でもわたしは――]
こわいの…いっぱい人が…っ――わたし…もう…人が死ぬのを見たくないの…
[差し出された手。その手の温もりを確かめるように。わたしはヨシアキくんの手を握り*頬に寄せた*]
[不意打ちに驚き、ホズミの瞳をじっと見つめる。彼女の意志の固さが見て取れる。ここで手放したら二度と会えないような気がして、それでも口をついて出るのは静止の言葉ではなかった]
絶対、戻ってきてくださいね。
[それだけを言うと、彼女の背中を見送った。桜の笑う声が聞こえたような、気がした]
[月光に照らされながらヌイのスケッチブックを覗き見て悪態をつく]
あんな惨劇の中お絵描きなんて気楽なものね?殺人鬼さん......
[手を確認すると傷が消えている。驚きながらも冷静になり淡々と悪態をつく]
その手......
まるでトカゲみたい
復元するの?とても人間じゃないわね?
[目の前の少女が涙を流している。小さな肩を震わせ、泣いている。
俺の手を握った彼女を、そっと抱きしめる。
自分の腕も震えてるのはわかっていた。それでも…それでも。
彼女を怖がらせないように、*そっと抱きしめた*]
[ホズミの手首を掴みぎりっと力を入れた。
首筋に微かに傷がついたのが感じられる]
どちらが殺人鬼ですか。
死にたくないなら放って置いてくれればいいだけですよ?
[呆れた口調で行って、取り落とされたナイフを湖へ蹴りつける]
ホズミさん。
私が死んだ方々に何かしたのを見たとでもいうんですか?
身に覚えのない理由でいきなりナイフを向けられても、困ります。
色々あって気が振れそうになるのもわかりますが、落ち着いた方がいいです。
[ホズミの肩を軽く叩き、荷物をまとめて立ち上がる]
探すべきは、人ではない得体の知れない何かです。
[一度振り返り、真顔でそう告げた]
[ホズミの背中を見送り、しばしその場に立ちつくしていたが]
……ああ、やっぱり行かなくては
[例え無駄かもしれなくても、どうして引き止めなかったのだろう。嫌われるのを恐れて失うのは本末転倒だ。悔いる時間も惜しい。急いで湖畔へと走り出す。足元で舞い散る桜が、ふわりと...の周囲を包み込み]
え?
[視界が桜の花びらに遮られる。ピンクのカーテン。かき分けてもかき分けても視界には桜以外の何も見えず……桜色の迷宮へと*迷い込んだ*]
――乃木。
[すぐ傍にいるように、死んだ男の名前を呼ぶ]
ここに怪物は存在するのか?
怪物はどんな姿をしている?
願わくば何かしたい。
ならば何をすれば良い?私は何を手伝えば良い?
判らない。私には。
[口惜しそうに目を瞑る]
君のしようとしたように殺せば良いのか。
それでは何を殺せば良いのか。
[判らない。ともう一度、ただ悲しそうに言う]
[男はゆるゆると立ち上がる。疲れきった老人のように]
『皆が無事いれるように手伝いたい』
そう言った。
『気に病みすぎなくて良い。大丈夫だ』
そう言った。
[――そう言ったのだ、と。
血を吐くような声で独りごちながら、歩き出す]
[歩きながら、男は茫洋と考える。
狂える開拓者となればいいのか。
手を取り合って、少なくとも正気を保つか]
――針は何だ?
[正答がある保証など微塵もない問い。
薬屋は呟く。*少なくとも餌は幾らでもあるに違いない*]
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