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[軒下に、ずらりとてるてるぼうずが並んでいく。
さながら、雨雲とてるてる坊主の全面戦争だなと、眺めながら、手元にある作りかけのそれに顔を描く]
神隠し?
[アンの声に顔を向ける。
彼女は手元を見ていた]
てるてるぼうずがどうし……うお。
[上の空で描いたてるてるぼうずの顔は、福笑い*さながらの出来*]
[何度見てもジュンタの仕業にタネも仕掛けも見つけられなくて、感心した声が漏れる。
渡されたてるてる坊主の首、ローマ字で書かれた顔と見つめ合って、半目になった]
大丈夫だ、ズイハラっちはポルテちゃんに呼ばれていったから当分戻らん。
[こそりとしたマシロに、口元に手を当ててこそりとした風体で話す、普通の声で]
ただし続きは俺が読むまで待――ってお前そういうことすんな!
[ぴらりと広がるスカートとアンの悲鳴。
がたんとなる椅子は、ゴロウマルのもの]
か、かわいい、か?
[笑われた、と思ったらてるてる坊主の事でした。
落ち着いて座り直すとチカノの手元に視線を移す。彼女のそれを見れば、自分のてるてる坊主は無かったことにしたい出来だが]
おう。できたできた。
[コハルの声に、これ以上の修正を諦め、手元のてるてる坊主を放った]
お前はどうだよ。
[出来てるならつるすぞ、と手を*ひらり*]
反省文……なにやったんだジュンタ。
[取り出された原稿用紙は身に覚えがあるだけに渋面に。
ぼやく相手を、今は、頑張れと肩を叩いた]
ああ、いいぞ。
[チカノのてるてる坊主を受け取る。
どうやらこんなものでも作り手に似るらしいと、微笑むチカノを見直した]
これだけつるしたんだから、どれかひとつくらい御利益あるだろ。
[椅子を窓際までずらして、軒下にてるてる坊主を増やした]
リレーかあ。
コハルは足、早いもんな。俺はあんまり……
[椅子から窓枠に足をかけたまま振り返ると、きらきらした眼差しのてるてる坊主が目の前に]
……っと、お、っと。
[てるてる坊主落下事件は起こさずに、お手玉]
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