情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[鉢合わせて、見上げる。
落ち着いた瞳の、背広の男。]
――ごめんなさい。
少しだけ、よそみをしていたの。
[取り落とした紙片を拾い上げて、
ふっと思いついたように、彼の瞳を見つめ直す]
ねえ。あなた。
このあたりに、詳しい?
そう。
[理解したのかどうか、少女は首肯する。
なら少しは判るのね。そう呟いて]
私の、行き先は。
[そこまで言いかけて、口を一文字に結ぶ。
紙片を握る手に赤みが差して、
息を吐いて、また吸って]
そうね。
……大通りまでの道は、知っている?
とこやさん。あらものやさん。
ぎゅうにゅうやさん。
[異国の言葉のように繰り返す。
覚えきる前に、歩き出す男]
ありがとう。あなた、紳士なのね。
[ひよこのように、ついていく]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了