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名前かな。
呼ばれるものだから、名前だと思う。
呼ぶ人は最近、いなかったけれど。
[頭を撫でられると、]
わぷ
[妙な声があがった]
言ったから、だけじゃない。
欠夜来の頃だから。
雨が降ったから。
それから、
[言葉を止め、思案げに視線を彷徨わせる]
……せっかく来たんだから、ゆっくりしていくと良い。
[誤魔化すように、そんな言葉を続けた**]
あれ?これ、何だ?
[手首の辺りに違和感。「向こう」に居る時には見えなかった何かが、確かに*見えた*]
開発ですか……。
別にどっち派でも無かったんですよねぇ、アレ。
考えてみたら、そういう態度が一番不謹慎なのかも。自分の故郷に真剣じゃない訳だから。
神様はどうなの?
やっぱり開発反対派?
[おどけた風に聞いてみた]
―回想/日差しのきつい校庭―
あんた達は、消えないから好きよ。
[小さな花壇にしゃがんで、グラジオラスに呟いた。
先ほど撒いた水のせいだろうか、グラジオラス5赤を揺らめかせ陽炎がのぼる。
揺れる空気のその先に、何か不自然なものが見えた気がした。]
゛おいで、おいで゛
[いつものように嫌、と答えようとして、口ごもった。
陽炎の先に見覚えのある人影が見える。
一目で、生身ではないと分かった。
白黒写真のように、色をなくした姿は、こちらなど見えてはいないよう。]
[捕まえた。
伸ばした手のひらに確かな手応えを感じた瞬間、空気が重くなった。
水のなかに潜ろうとする時のような、微かな抵抗感。
それはやがて、自分の背を押すような流れに変わる。
捕まえたのは自分ではなくて、ずっと自分を読んでいた声の方であることに、依真里は気づいた。]
[手首の違和感が不意に強くなる]
誰?
[強く掴まれた気がして。そして]
君は……。
[見知った顔が目の前を掠めた……と思った]
[あっ、と思った時にはもう、手のひらは空だった。
抵抗感を感じた時に瞑ってしまった目を恐る恐る見開く。
掴んでいた筈の手も、その先にあった確かに生きている体も、今はどこにも見当たらない。
見えるのは、一見いつもと同じ、でも確かに違う花壇。
永嶋の手を掴もうとした時、踏んで汚した筈の土は綺麗に整えられたまま。
ここは、自分のよく知っている村だけど、まるで違う場所だ。]
永嶋さん、戻れたかなぁ。
[呟いて、空の手のひらに視線を落とした。
手のひらには何故か金平糖の痣がついていて、それは、こちら側に来てしまったことを示すようにも、あの手を掴んだことを示すようにも思われた。
天気のよくわからない空を見上げ、呟いた。]
ごめん、ね。
[自分がいなくなったら心配するだろう家族、友人を思い、眉間にしわ寄せ目を閉じる。
一呼吸して目を開くと、視線を自分が居る場所に据え、歩き始めた。]
―写真屋、暗室―
あーあ。
[あの日は、県展に応募する写真をプリントしていたのだった。
とてもそんな気にはなれなかったのだが、何故か]
溶けちゃった。
[バットの中で揺らめく印画紙の表面は、ほとんど黒が抜けている。
触れぬ指先を伸ばすと、黒の欠片が散って、新たに顔が浮かび上がった]
…私みたい。
―暗室、水洗中の印画紙を前にして―
[細い流水が、その影を洗い流して行く。
残るのは真っ白の紙]
水道代どうしよう?
死人には関係ないか、もう。
死んだのかな私。
[二の腕をむにむにしてみた]
[何も出来ないことに諦めて、暗室から離れ、辺りを歩く。
歩いているのか漂っているのか、人に知覚されるのかどうかもわからないけれど]
ああ、また。
嫌な感じ。
[空を見上げた]
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