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[義兄の操る風が、一層強くなった。
それが、本格的に雨園君に襲いかかろうとしたその時、穏、と銀の獏が一声鳴いた。獣はタカハルをまとう風を駆け抜けて、いざ本体へと走りよる]
…………っ!
[地面に投げ出された身で、這いずるように義兄にせまり、思い切り彼を突き倒した。身を切り刻む、風の牙。ものともせずに、ただ必死に我武者羅に、義兄の胸倉掴み上げた]
[その拳に腕に、鋭い爪持つ獣が宿っているとは思いもせずに]
[そこから先は、まるで悪夢のようだった。
思い切り義兄の首を吊り上げて、気が付けば義兄の呼吸を止めていた]
………義兄さん、啓太さん、もう、やめよう。やめようよ。
[断末魔のような、強い風が一陣吹き荒れた。
それから急に風はパタンとやんで、それっきり。
真っ赤なハナミズキの花嵐も、黒い黒い風の渦も、
義兄と共にその息止めた]
ぁあああああああああああああ!
[カマイタチに、いいや狼に噛みつかれ、
ふらふらと全身を真っ赤にそめながらその場に立って慟哭する]
"名は魂を持つって本当ね。あんたって本当に獏なんだから"
"争いが嫌い? 馬鹿言ってるんじゃないわよ。
戦わなきゃ守れないものだってあるでしょう"
"どうせなら、あんたは悪夢を食べる獏になればいいのに"
[耳の奥で、亡き姉の声が蘇る。
とさんと倒れ落ちようとする義兄の亡骸抱え、ただ立ち尽くしていた**]
/*
てゆか、相打ちだと思ってたよ。
よもや昨日生き残るとか思わなかった。
超死ぬ気だった。ガチで。
タカハルに絡みたかった。けど、なんていうかキャパオーバー。ここでタカハルに話を振れるだけの力をつけたいです。
ええ、朝にはかならず。必ず絡みます。
ごめん、なさいごめんごめんごめんごめん。目を、開けて
[ぶつぶつと無表情に呟いて、どれくらい立ち尽くしていたろうか。
そっと義兄の体を横たえて、虚ろなまなこを閉じさせる。
全身のじくじくした痛みと奇妙な空腹を抱えて振り返った]
………ごめん。巻き込んで、ごめん。
[腫れた目と、掠れた、疲れたような声でタカハルに話しかけ、
管理棟の方へと目をやった]
まだ、終わりじゃないんだろ。兎の子、何かあるんだよな。
もう俺、やだよ、こういうの。
儀式、やろう。もう全部全部、終わらせようよ。
ごめん。
ごめん、親父。信じなくて、ごめん。
痛い、無念な思いをさせてごめん。
素直に、会えて嬉しかったって言えなくてごめん。
プレゼントありがとうって言えなくてごめん。
離れていても、親父だって思ってるって言えなくてごめん。
親父。死なせてしまってごめん。
何も出来なくてごめん。
仕事仲間もさ、親父の仲良し、いたよね。ごめん。
本当に本当に、ごめんなさい。
ごめん。
オッサン、ごめん。支えられなくてごめん。
1人で追い詰めさせてごめん。
俺を守るために辛い思いをさせてごめん。
否定してごめん。
連れて来てありがとうって言えなくてごめん。
事故のことは気にしないでって言えなくてごめん。
義姉さんが死んでも、義兄さんだと思ってるって言えなくてごめん。
………命を奪って、ごめんなさい。
[くらくらと、眩暈がする。
全身からゆっくりと、俺の血潮が流れ出る。
口いっぱいに鉄の錆びた味が広がって、ぐうと奇妙に腹が鳴る]
[でも、そんなの構うもんか。
目に焼き移る、俺の親父の赤の色。
手にこびりつく、俺の義兄の命の最後]
どうして。
[どうして、こんなことになったんだ。
これらが全て、夢ならいいのに。
こんなに、こんなに信じられない出来事なのに、
息が詰まりそうなこの現実感は何だろう。
胸の痛みは、何だろう]
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