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私のこと、言えば、少なくとも家に帰ることくらいはできるかもしれないわよ?
[純粋に疑問だけ。
そんな言葉に驚いて、瞬きする。
苦笑とともにそう言えば、ゆるりと頭を振った]
あなたが去って、30分、かしら、もちもちなネギヤと一緒にいたのは。
正確なこと、覚えてないの。
……いいえ、
正確には、覚えていることが、みんな違っているの。
[何度も何度も考えた。
だからこそ、他人事のような声になる]
私ね。
ネギヤを、もちもちの方よ。ネギヤを、刺したのよ。彼が出したナイフで。この手で。
動転して、逃げてきてしまった。
ナイフもその場に残してきた。
次の日警察が来て、ああ捕まるんだなって、思ったのに。
あれは、誰?
捨てたナイフもないし、立ったまま夢でも見てたのかしら。
[ひとりで喋っていたことに気づいて、苦笑する]
そうじゃないの。
私、あなたには謝らなくちゃ。
あの時、もっちりなネギヤに、何か用事があったんでしょう。
私が来たせいで途中になったうえに、こんな騒動で、ネギヤもいなくなっちゃうし。
ごめんなさい。
[小さく頭を下げた]
[サイレンの音に顔を上げる。
警察に事情を聞かれるのも何度目か。
他の人よりも多く声をかけられているような気がして歯噛みする]
今の音、何?
[聞けばモミジとゼンジが倒れたという]
あなたたち、いたんでしょう。
なにをしていたのよ!
[状態も状況も聞かず、声を荒げた]
もういいわ。あなたたち、当てにならない。
オトハさんのことも、おネギのことも、自分で探すわ。
[本を探していたオトハまで行方知れずだ。
ガモンに本に……、探すものばかり増えていく]
疑うなら、好きにしなさい。
確かにあの晩、部屋を出たわよ。でもそれだけで犯人呼ばわりじゃ警察が聞いて呆れるわ。
[言いつけて部屋を出ると屋敷を飛び出し庭へと**]
そう、ね。そう。
彼が見つかったら。
[鮫肌ネギヤを殺した覚えなんてないのだから]
ええ。
いったい誰がこんな事?
[つぶやく声は考え込む色**]
[男とと話をしていた女は、不意に、ため息をついた]
おネギが見つかったらね。
私、きっとそうするわ。
[密談の先、男に言われた言葉に、頷く]
でもあなた、
……いいえ、なんでもないわ。
[密談の相手を見て、不意に、ほろりと苦笑する。言いかけた言葉を飲み込んで頭を振った]
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