[1] [2] [3] [4] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
っ……
[脳内に響いた声にこめかみを押さえる。確かにカナメの物だが、酷く金属的な硬さを持った、神経を抉るような響き。
「貴方が生き延びる方法は――」
「これが、 。
これからが本当の ですよ]」
……う、……
縁起でもない事を……
[振り切るように首を横に振った。ペケレらの方に走るユウキに気付くと、緩慢な歩調で近付いていき。目に入ったのは]
赤い花……?
貴方が生き延びる方法は、誰かを手向ける事です。
[いきのびる。たむける。突然届いたカナメの声に、その頭痛を引き起こすような異様な調子も手伝って、すぐに言葉の意味を理解する事ができなかった。
生き延びる。手向ける。ゆっくりと心中で復唱して言葉を意識できても、その本当の意味までは受け取れないままで]
あの二人が「勝利」できれば、貴方も「勝利」できる。
勝利とは、生き延びる事です。
あの二人や貴方が生き残るためには、他の人間を手向けなければならない。
[生き残るためには。手向ける。
手向けるとは……命を、奪う?]
――二人以外の他人を手向けていく事――
これが、ルール。
これからが本当のゲームですよ。
「縁起でもない事を……」
[本当にそうだ。縁起でもない。それではまるで。まるで殺し合いをしろとでも、言っているようで。眩暈がする。見える赤が、目に痛い]
アン……
レン?
アン、という人には会った事がないが。
レンは……今まで、此処にいたのではないのかね。
[先程ルリが呼んでいた声を、遠くも確かに視界の端に映った姿を思い出す。二つの赤い花を見据えながら]
……プレートに。
名前が書かれている、のかね?
[誰にともなく問うような、確認するような言葉は、空気に溶けるように語尾が掠れ]
墓碑に……
[ペケレの呟きに返すような呟き。
赤い花や扉より少し離れた位置、それ以上進みもひきもせずに、立ち尽くし]
/*
ユウキ占、の溶けかな?
そういえば絆先落ち先によっては次明けて終わってるとかもありえるのか。
まあ、明日は多分あるだろう。
[プレーチェやバクの声が耳に入れば]
手向けるとは、神や仏……死者に捧げ物をする事。
旅人にはなむけ……贈り物をする事。
[視線は赤い花に向けたまま、穏やかだが響く声で二つの意味を口にする。
ふらりと墓碑に近付いては、新たに増えたプレートを、そこに刻まれた名前を確認した。天井を見上げてから、目を閉じて]
[気持ちが悪い。吐き気がする。頭が痛い。鼓動が速くなっているのが、わかる。
眠るか何かしたのだろうと。
頭ではわかっていた。だが、何故か、どうしようもなく揺さぶられる]
[己の部屋へと戻る足取りは重く、半ばも行くか行かないかのところで止まってしまった。壁に背を預け、そのままずるずると座り込み]
……カナメ。
[俯き、呟くようにそれを呼ぶ。返事があったかないかのところで]
カナメ。
[もう一度、呼んでから]
何だか、何かを思い出せそうな気がする。
何かを思い出しそうな、気がする……
気持ちが悪い。頭が痛い、……
[弱い声で続ける。ぐ、と拳を握り締め]
どうしたらいい。
こういう時は、どうしたらいいのか……
教えてくれたまえ。
苦しい。
思い出せそうだというのに、酷く苦しいんだ。
[すがるような問いにカナメは沈黙の後、返す。「思い出さなければ、いいんです」と。
どことなく遠く聞こえるそれに]
駄目、だ。思い出さなければ私は……
私は、私が誰だったか思い出せない。
「貴方は、ライデンですよ」
私は……
「忘れてしまいなさい」
思い出したいんだ、
「思い出す事が幸せとは限りません。
……気分が悪いのは、頭をぶつけたせいでしょう。
あのドクターに診て貰った方がいいのではありませんか?」
[話をそらすカナメの声は奇妙に優しく]
……Since brass, nor stone, nor earth, nor boundless sea, But sad mortality o'ersways their power,……
[今度は歌ではなく、台詞のようなものを口にして。カナメの囁きに誘われるよう、そのまま目を閉じ、通路の半ばで*眠り込んだ*]
[1] [2] [3] [4] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ