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――舞台設定――
時代は蒸気機関車が大きな街に走り始めたころ。
蒸気機関がやってくる街から馬車で半日はなれたところにある小さな田舎町が舞台です。
新緑がまぶしい季節なのに、珍しく大嵐がありました。
そのせいで街と田舎町をつなぐ唯一の道が土砂崩れで通れなくなりました。
その前から、この周辺地域で人狼の噂が出ていました。
どこそこの村が人狼に襲われて壊滅したとか、
どこそこの村では退治したらしいとか、どれが本当かもわからない噂ですが。
蒸気機関が走るようになったとはいえ、いまだ迷信深い田舎町。
人狼を信じている人たちもいてどうしたものかと町に唯一ある宿兼集会所で話し合ったりもしていました。
そんな中での嵐による土砂崩れ。
人々の不安は知らぬ間に高まって行き――。
そして、ドロテアが人狼を見た、と騒ぎ始めました。
土砂崩れがおこって閉じ込められてから三日後のことでした。
ドロテアは本当に人狼を見たのでしょうか。
信じる人、信じない人、入り乱れながらも――新緑の季節の人狼騒動が、始まるのでした。
投票・吊り襲撃について:
投票はPC視点PL視点どちらでも、物語が面白くなると思うほうへ投票してください。
決まらない場合はランダムを使用してもかまいませんが、PCにとって矛盾がないようにがんばってください。
吊り…人狼だと思う人を村人が殺害する。又は自警団に突き出して殺害してもらう。
襲撃…人狼に襲われた人は死亡する。
【※残酷描写については一応R指定をつけますが、無理せずほどほどでもかまいません。】
人数・役職について:
人数はダ込み9〜13名を予定していますが、少人数開始もありえます。
人狼・2名…そのまんま。人間の振りしてずっと田舎町で生活していても良いし、旅人としてやってきたのでもよい。
食事は普通の人間と同じように食べていて問題ないけれど、何年かに一度どうしても人間を食べたくなる時期があって、それがちょうど今、ということにしてください。
占い師・霊能者…これまたそのまま。それぞれの血筋でもいいですし、たまたま道具らしきものを手にしたということでも、なった方が適当に決めてください。
守護者…10人こえたらいれようかと思います。占い師や霊能者と同じく適当に。
村人…説明不要ですね。人狼を信じていても信じていなくても、騒ぎに巻き込まれた人々。
※共鳴は13名になったらいれようかなとも思います。能力の説明は血のつながりとか、適当に。
C狂は13名になったらいれようとは思っています。能力は適当に説明してください。
発言領域について:
白ログ…完全RP領域。PL発言は禁止です。
独り言…PL領域。RPも可能ですが、白ログには反映されませんし、独り言で出した設定は他人には見えないので矛盾されても問題がない場合のみ可。
墓…RPもPL発言もご自由にどうぞ。楽しんでください。ちなみ墓にいる人は全員は死んでるので、幽霊として村をうろついている設定です。
メモについて:
一言メモ…出現予定時間やON・OFFの表記に利用してください。
通常メモ…使用してもかまいませんが、村たてからメモのテンプレは出しません。
縁故…ログ優先で、縁故が結ばれてから確認用にメモに載せてください。のせなくてもかまいません。※基本的に小さな村なので、村人全員顔見知りです。
土砂崩れで閉じ込められた田舎町。
全員顔見知りの小さな町でいったいどんな騒ぎが巻き起こるのか――
新緑の人狼騒動が今始まります。
―宿兼集会所―
土砂崩れがおこってからすでに三日目。
道の確認にいった者たちからは、とてもじゃないけど町の住人だけではあの土砂はうごかせないという話をしていました。
運悪く閉じ込められてしまった田舎町としては少ない人数でどうしたものかと、今日も宿の一階で顔をつき合わせています。
そんな中一人の少女がぽつりと、「人狼を見た」と言い出しました。
大人たちはドロテアのその発言を信じるもの、信じないものそれぞれで――
今は集会で、子供は発言するものじゃないと、少女は追い出されてしまいました。
追い出されたドロテアは、集会に参加していなかったものたちにも「人狼を見た」と訴え始めます。
そしてその話が密やかに広まるころ――
あなた達は、不安に思ってか、なんとなくか――それとも誰かに呼ばれたりなどして徐々に宿へと集まってくるのでした。
―― 宿の近くの木陰 ――
[集会に呼ばれていたけれど、顔も出さずに木陰でのんびりとしていた。
そこに誰かが近づいてくる気配を感じて]
んー? なんだ、ドロテアかあ。
はぁ? 人狼を見た? えー?
[本当に見たと主張するドロテアに猜疑心いっぱいの視線を向ける。
全然信用してないとわかる態度で欠伸をした。]
それってさあ、最近言われてた噂だろー?
土砂崩れが怒ってただでさえぴりぴりしてる奴多いんだから、そんなデタラメ吹聴してたら、そのうち誰かに怒られるぞー。
[まじめに忠告してみるけれど、ドロテアは納得しないどころかどうして信じないと反対に怒る始末。
どうしたものかと肩をすくめれば、もういい、とドロテアがその場を立ち去っていった。]
[立ち去っていったドロテアを見送り、ぼさぼさの髪をぐしゃぐしゃと掻く]
あの調子で言いふらさなきゃいいけどなあ。
そもそも人狼を見たっていうけど、人影を見間違っただけ、とかいうオチも有りそうだしねー。
[独り言を呟きながら、どうするかなあと首をかしげる。
いつのまにやら集会は終わったらしく、宿から幾人かの人が出て行くのが見える。
戻って何か食べるか寝るか、それとも誰かのところに遊びに行くかと迷うように、ぼんやりと新緑がみずみずしい木々を眺めた。]
―― 土砂崩れの現場 ――
[――ペッカは、岩を抱え上げる。
泥まみれの其れは滑りやすいが、落とさぬように。
力を籠めると、肩から首周りがぐっと太く膨らむ。
浮いた汗が、濡れた肌へ泥混じりの流れを作った。]
ふっ、 …
[息を詰めるちいさな音にすこし遅れ――
どうん、と投げ捨てた岩が地響きを立てる。
ペッカはひとり、黙々と岩を抱え、運び、捨てる。
道を埋めた崩落の幅は広く…向こう側は見えない。]
[嵐の過ぎた森。萌えだしの新緑が日差しに映える。
せせらぎの音に喉は渇くが、土砂の合間を縫って
流れる水は濁っている。ペッカはひひとわらう。]
漕がにゃ進まん、凪もあらぁな。
[集会へ向かう姉夫婦に向けたのと同じ台詞を呟く。
水夫のペッカが乗る船が次に出航するのは半月後。
急がぬ男は、然し僅かずつ海へ向かう日々を送る。]
[いつのまにか木陰に座り込んで転た寝をしていた。
この時期の穏やかな日差しは眠たくなるから危険だと欠伸をしながら思う。]
んー、とりあえず、もどるかぁ。
[こきり、と首を鳴らしながらゆっくりと宿へと戻る。]
――宿の一階――
[集会所と兼用になっている宿の扉は大きい。
その扉をゆっくりと押し開いて、中へと足を進める。]
ただいまぁ。
[集会に参加していた人たちはほとんど帰ったけれど、残っていた――というより残って当然の宿の主人には渋い顔をしてで迎えらてしまった。]
いいじゃん、俺が聞かなくても問題ないし。
[のんきに呟きながら、グラスに水を注いで喉を潤す。]
[宿の主人は、息子たるベルンハードの
呑気な台詞に、さらに渋い顔をつくる。
カウンターの傍へ腰掛けていたペッカは言う。]
… ソレ、さっき俺も言った。
[喉を潤す幼馴染みを見やって、卓へ突っ伏す。
川の水を被ってきたものの、まだ泥に塗れた姿。
宿の主人は、呆れた態でペッカが帰り際の一杯と
称して注文したエールを用意して運ぶところらしく]
[渋い顔をする父親にはへらっとした笑みを向けておいた。
カウンターに突っ伏す幼馴染にはちいさく笑う。]
ペッカも参加しなかったんだ。やっぱ間違ってないよな、うん。
……って、ほらしっかりした大人がいるから大丈夫だと思ってさ。
[ペッカにエールを渡した宿の主人が怒ったような顔を向けるのを見れば、あわててぱたぱたと手を振って弁解した。]
それに俺だって何もしなかったわけじゃないぞ。
ドロテアが人狼がどうとか言ってたの、広めないようにってちゃんと注意しといたから。
[ほら、仕事してる、といわんばかりに胸を張ってみた]
[宿の主人からエールの杯を引ったくりながら
ペッカは幼馴染みへ腫れぼったい目を向ける。]
おう、むしろ居ねえほうがいいだろってな。
何かドロテアが追い出されたとか聞いたぜ?
俺らじゃ、追ん出すにも苦労すンだろうよ。
[ほとんど胃へ落とし込む勢いで杯を傾けると、
日に焼けた腕の太い手首で口元を荒く拭う。]
親父さんからちらっと聞いたけどなァ…人狼?
海の上じゃ、眉唾話も侮れねえもンだが…ふうん。
[エールを飲む幼馴染の言葉にそのとおりと頷き。]
なんか、噂できいた人狼を見たって煩かったんだよなあ。
いくら季節外れの嵐で驚いたからって、そんな思い違いをするかなあ。
[腹をたたくペッカにそこは違う、とつっこみながら首をひねり。
息子とその友達に呆れた宿の主人はとっとと厨房に引っ込んだ様子。]
まあ、ドロテアだって、皆に否定されりゃそのうち勘違いに気づくよな、きっと。
[がっしりした幼馴染と対照的にぽっちゃりした腕で頬杖をつきながらカウンターの上にあった莓の籠をそーっと引き寄せて、春の恵みを食べ始めた。]
…木の芽時、ってヤツか? らしかねえやな。
[普段のドロテアを思い起こしながら鼻を鳴らす。
早々に宿の主人が引っ込めば、次杯を頼み損ねて]
あ、なんでぇ本当に一杯だけかよ…。
[文句を言いながら視線を戻して、ペッカはふと
真顔になる。苺を食べる幼馴染みをしげしげと見]
そりゃ間違いだって言われ続けたらお前ェ、
本当だって勘違いと思っちまうんじゃねえの。
[籠の苺を、ひとつ摘んで齧り]
なァ。
勘違いじゃなかったら…
誰か気づいてやれっと思うか?
[――――他愛無く口にする。]
あはは、あんまり出てくるのが遅いようなら俺がいれようか。
[エールのお代わりがもらえないのが不満そうな様子に笑う。
らしくない、というドロテアの様子を思い返せば、真剣に訴えてきてたことを思い出して。]
うーん……まあ、否定され続けたらそう思うかもしれないけど。
[もぐもぐと口を動かしながら小さく応え。
他愛なく口にされた、幼馴染の言葉にぽかんと口を開く。]
勘違いじゃなかったらって――ペッカは本当にいると思ってるわけ?
[首をかしげたところで、苺のへたを口の中へと放り込まれた。]
うぇ、ちょっ、ペッカ、なにするんだよ!
[ぺっぺっと、へたを吐き出しながら日に焼けた男を睨めば、厨房から父親がでてきて、うるさい、と怒られるのだった。]
… どうだかなァ
[返答の代わりに投げ入れた苺のへたに慌てる
ベルンハードの様子に、ペッカはひひとわらう。
幼馴染みの父親に一緒に叱られるのは楽しげで、
船が寄稿する合間の休暇においては常の光景。
降った怒声で有耶無耶になった話題は続かずに、
ほら仕事仕事、とばかり相手へ酒杯を*預けた*。]
くそう、なんでペッカのせいで俺まで怒られなきゃならないんだ……
[笑うペッカを恨めしそうにじと目で睨む。
幼馴染が居るときの日常に、嵐や土砂崩れ、人狼の噂といった非日常が僅かに薄れる。
杯を手渡されてふかーいため息をついた。]
エールの代わりにミルクでもいれてやろうか……
[ぶちぶちと呟きながらも、酒杯を片手にカウンターの中へと入る。
そして樽からエールを注ぎ、ペッカの前へと置く。
その後はしばらく、カウンターごしに対面しながら、会話を続けるのだった。]
―― 町の広場 ――
さて、そのころのドロテアは街の広場にやってきていました。
宿の息子に否定されても、人狼を見たと言い張る少女は、広場にある花壇のところで少し休んでいます。
「ほんとうに、見たもの」
ぽつりと呟くドロテアは信じてくれる人が現れるまで、町の人々に声を掛けることをあきらめないようでした。
周囲に視線を向けて、目に付いた人物への側へと寄っては訴え続けるつもりのようです。
ほら、また一人――まだ声を掛けていない人物を見つけた少女はその人のところへと足を向けるでしょう。
─町の広場─
あーあ、全くもう。
こんなんじゃ、商売上がったりだねぇ。
……新しい糸を受け取りに行かなきゃならないってのに。
[ため息つく仕種にあわせ、帽子の長いリボンと大きな耳飾りがゆれる。
広場までやって来た女は、何気なく周囲を見回し]
……んん?
どうしたんだい、ドロテア?
……え? 人狼、見たって……。
あんた、なぁに、言ってんの。
[訴えかける少女に、女は僅かに眉を寄せる]
本当だ、って言われてもさぁ……ああ、確かにあんたは嘘つくようなコじゃないけど。
んー……いきなりそんな話されたって、ねぇ?
アタシも困るしさ。
とにかく、ちょっと落ち着きな……って。
[困り顔のまま、宥めるように肩を叩けば。
少女は、怒った様子で女の傍を離れて行く]
あーあ、もう……。
[他の住人に向けて訴えを繰り返す少女の様子に、零れるのはため息、一つ]
あんな調子で、イラついてる連中に当たられたりしなきゃいいんだけどねぇ……。
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