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[何度目か、開いた扉に一瞥を向ける。その姿には――見覚えがあった。否。此処にいる常連客の全てには、「見覚え」が付き纏うのだが。それは常連仲間という以外にも、知った人物だった。
犯罪集団のボスである男は、その構成員の全てを詳細に知るわけではない。が、少なくない範囲、知っていた。三下ではない地位に位置する者なら、尚更だ。
その姿に、特別声をかけるような事はなく。
今し方鳴き声がした方を見やり]
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おしゃべりたのしーいーやばいーー
RPとしてものすごい基本の「誰かとしゃべる」ってだけでこんなに楽しいとかやばい飢えてた感ある
魚なら焼いたのより煮たのがいいな。
[ぽろりと落ちた呟きも、この男にかかれば恰好の思考のタネ。
白ワイン煮がいいか、いやトマト煮込みもいい。
トマトジュースは嫌いだが、トマト煮込みは好物だ。]
うん、美味しそう。
[自分の中で話を完結させて、何度も納得して頷いた。
独り言に勝手に食いついたのだから、あまり積極的に返答は求めていない。
薄い水割りをくーっと上機嫌に飲み干して、いよいよ自分も酔ってしまう気でいる**]
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ひまだから灰使おっと。
卜書きはわざと体言どめを多くしている。いつも多いじゃんっていうの禁止。当社比更に多いのだ。意図的に増やしてる。
卜書きに対してのキャラからの注釈を()書きにしてるのもわざと。
ぼく自身好きな表現じゃないから苦手な人もいるかもだけれど、もしそれで不快感や違和感をなんとなくでも覚えてくれたらレイヨはこのポジション取りとして成功だと思っている。スタンスの軽さとちょっとした引っかかりを伝えられていますように。
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アンハッピーバースデーとか
天高く馬肥ゆる秋(天高く己放り上げる棚)とか
嘘を嘘と見抜けないと以下略(悪い人を悪いと言えないようなら変人は難しい)とか
なんか言い回しやらを変に元ネタのあるとこから引っ張ってくるのも多少意識はしてる。
天高く馬肥ゆる秋を元ネタって言うべきなのかわかんないけど。
いずれにしろ酔うなら
[騒々しさに視線を店内へと戻す。
あの扉はあんなに軋んだっけ。
開く人によるのかもしれない。
それはそれで、きっと相応しい]
もっとゆっくり味わったほうが、深く酔えるものよ
[言葉とは裏腹に、傾けたグラスを一気に乾してみせる]
[立ち上がれば、高いヒールにより背筋はぴんと伸びる。艶かしく光る甲を晒して、女はバーを横切った。
手に持ったポーチには口紅が数色、入っていた]
……貴女
[隅の席、奥へと続く扉の前に座る女は、声をかけても顔をあげない。
前に置かれたグラスは汗すらかかず、口をつけた後もなかった]
私を知っているでしょう?
[問いかけに、視線が一瞬此方を向いた。
揺れる花飾りは、暗い中でも赤く、紅く、手を伸ばして手折ってしまいたい。嗚呼それより落ちるに任せたほうがいいだろうか]
[そのまま女は化粧室へ消える。
帽子をとって、髪をなおして、夜にあわせて目元の色を整えて
そして最後に、真っ赤な紅を唇に*置いた*]
[窓際の女が席を立ったから、少し視界が変わった。
羽音を確かめにいこうか、窓のほうへ視線をやれば、バーカウンターの影に隠れて女をひとり見過ごしていたことに気づく。]
やァ。
キミは鴉と、トマト煮込みとォ、どちらが好き?
[くすくすくす、と機嫌の良い笑いが止まらない。
比較対象がおかしくなっている事も、奥まった席の彼女の反応がひとつもないことも、さしたる問題ではない。
酒に酔うというのは、それほどに楽しいことだから**]
うる、へー
[ウルフはひらひらと片手を振った。そこに、そっとミネラル・ウォータのボトルが置かれ]
お マスター気が利くね
さすがじゃん?
……
私は食べる話をしたわけではないが……
……まあ、煮魚も、悪くはない。
[呟きつつ、頭に泳がせるのは氷の下に遊ぶ鈍色。
空になったグラスの代わりに、苺とミルクの酒を頼んだ。マスターが手渡してきた薄桃色の液体を、一度、二度、掻き混ぜて]
……、
[マドラーで突付いた果実が、静かに水面へ落ちた]
いー女じゃん、あれ
[うとうとまどろみつつも、薄目で他の客の様子を窺う。
店の客には、女が二人。
どちらもそこそこ、好みのタイプだ。
しかし一人はどう見ても堅気じゃないし、寂しい財布の中身を思うと迂闊に手も出せない。
他には男が二人と、かの変わり者。
いつもの顔だ。…… だ よな?]
食べないのォ。美味しいのに。
[ゆらん、と意識が揺れるから、語尾もふらつく。
煮魚も悪くはない、と続いたのにはまた何度も頷くのだけど。]
あれだ、おにーさんは割といい人だねェ。
ふふ。
[誕生日も聞けたし、杯も交わしてくれたし、それから煮魚も好き。
こんないい人も久しぶりだ。何度もこのバーに来ているのに、何故今までこの人と深く話したことがなかったんだろう。]
おれはー。
魚より、肉 だな
[そういえば、生まれ育った場所は海の傍、だった 気がする。
子供の頃は、あの海の生臭さが大嫌いだった、ような。昔のことなんて、忘れてしまったけれど。]
なんか肉ねえの?
ジャーキーみたいのでいいわ。
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あと誰が殺したかわからないほうが
(せめてPCにはわからないほうが)
楽しいよね
早い者勝ちで見つけりゃいいよなー
うん、うん
そういう方針でいこう、頭において
割といい人?
――は。
そんな風に言われる事は、珍しいな。
[ふと齎された評に、肩を竦めて笑った。唇の片方だけが上がる笑み。
珍しい。己は元々人相が悪い上に、世間的には「悪い人間」とされる人間なのだから]
変わった奴だ。
[それは他の奇行についても合わせて。何処となく、新鮮さを覚えながら、零した]
[化粧室の扉を開けた途端、一陣の風が店内を通り抜けた。
重いはずの扉が外へと開け放たれ、キィイ…と軋みながら大きく揺れた。
女は帽子を押さえ、ゆっくりと店内を見渡し――]
[女と目が合った]
……貴女
[風に揺れた灯りは、斜めになって止まっている。この世界は、女達をおいて暫し息をするのを忘れたよう]
[次の瞬間帽子がゆっくりと床へと落ちていった。
風にのり、それは席に着いていたはずの女の足元へ。
薄桃は、薄暗いテーブルの下、湿った何かを吸い込み色を濃くした]
[大人しく息を潜めて座っていたはずの、少女のような女。
隅に座っていた彼女は、今は床に横たわり。
首筋に見える割れ目は無理やりに開かれた秘部のよう。奥に見える白い骨が今にも零れてきそうなほど艶めいて]
……あら
[娼婦はゆっくりと足を進め、帽子を拾い上げようと身を屈める。
華奢な爪先がかつん、と何か――ナイフ、だろうか。この女を傷つけただろうものを蹴り飛ばした]
本当に、死んでいるわ
誰かの女だったの?
……誰が、これ、を
[赤に染まった帽子を手に、男たちを見渡した。
いまだゆっくりと、扉はゆらゆらと揺れている。
誘うように、手招くように、揺れている]
[なんでだろ、という言葉には、またくつりと笑い声を漏らした。
そして、薄桃色を満たしたグラスを傾け]
? ……
[ふと。
その甘い香りとは別の臭いを――嗅ぎ慣れたものを――感じた。荒げられてはいない女の声が、奇妙に大きく通って聞こえた。
顔を動かす。視界の端に、赤が映った。会話していた相手が先刻ぶち撒けていた酒、一見それと同じようで、しかし異なるのだろう色が]
[刃傷沙汰は夜の世界に珍しくない。
きゃあ、なんて可愛い悲鳴をあげることはない。
それでも足から力が抜け、一歩二歩と後ずさると、その場に崩れ落ちるようにして座りこんだ。
帽子は掴んだまま。
俯いて、小さく息を吐く]
[赤の中には、一人の女が横たわっていた。幼い顔立ちの女。見覚えがある、だが名も、声すら知らないように思える、人物。
遠目にも死んでいる事は明らかだった]
……ついさっき。
座っているのを見たように思うが。
……唐突だな。
[呟いては、グラスをカウンターに置いた。
その死体を、傍らに座り込んだ女を、他の面々を、丁寧にでもなく眺めやり]
[誰かの女だったの、は首を振って否定した。
特定の女を作ってどうこう、とかいうのは、近頃あまりやっていない。
苦いような変なにおい。これが血のにおいだとはっきり認識するには、経験が足りないが。]
だいじょうぶ?
[座り込んでしまった方の女に、声をかけながら立ち上がる。
さっき一気に水割りを呷ったせいなのか、逆にこちらの足がもつれかけて、たたらを踏んだのが見られていなければいい。
結構はっきりとバランスを崩したので、難しいかもしれない。
11月3日氏が面々を見聞するのと目が合えば、へらり笑った。]
だい
ええ、大丈夫
[少しだけ顔をあげて手を差し出した。
誰へ、というわけでもないが、それを取られるのはさも当然だという素振りである]
飲みすぎたの
貴方も、そうでしょう?
[人が一人消えて、死体が一つ増えた。
ただ、それだけだ]
[差し出された手。大丈夫かと声をかけて立ったのだから、その手をとるのは当然のこと。
ただ、酔っ払いの差し出す手。心強さまでは、保証できない。]
そうだなァ。
ちょっと、否定はできないかもォ。
[飲みすぎた、には力なくそう言う。
それにしてもアルコールというやつは安上がりだ。こんなに簡単に、たった一杯で、世界を変えてくれる。]
ねェ。
あの人、どうしちゃったの。
[あの人、と影の女を指す。その姿を見て脱力した女へ、全く遠慮はしない。
床面に広がっている赤を見て、ようやくこの生臭さが血液だと理解した。
どうにも、トマトジュースではなさそうだったから**]
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