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―― 夜/町外れの森 ――
昼間、手品師見習いの少年に起こって立ち去ったドロテアは、そのときした決意を胸に秘め、誰にも言わずに夜の森へとやってきていました。
「ぜったい、いるんだもの。
証拠もって帰るんだから……」
見慣れた森でも、夜の闇の中だと不気味に見えます。
ちょっとおびえたように立ち止まり、けれど意を決して歩き始めました。
それが死へと続く道だとも知らずに――
―― 朝/町はずれの森 ――
深夜に森で起こった惨劇の悲鳴を聞いた人は居るでしょうか。
朝の光に照らされた森の中。
大きな切り株の近くに横たわったのは――血に濡れたドロテアの姿。
獣に食べられたような後がそこここに残って居るものの、それがドロテアだと一目でわかる姿でした。
そして不幸な町の人がその姿を見つけるまで、ただしずかに*横たわって居るのでした。*
―― 深夜/町外れの森 ――
[一度は宿に帰って、奥の自室で休むふりをした。
それからそっと、気づかれぬように窓から外へと出て――ドロテアの匂いをおって今、森へとやってきた。]
――あーあ……せめて家に居てくれたら、あきらめたのに……
町の人には手を掛けたくなかったのになあ……
[暗い森の中でも、はっきりと見える視界にはおびえたように、けれど何かを探すように森を歩く少女の姿。]
まあ、しょうがないよね……
俺も生きなきゃいけないし……ほかの人を食べるぐらいなら騒ぎすぎたドロテアを食べるほうが、俺もらくだし。
[言い訳のように――いや実際見知った少女を襲うことへの言い訳を自分自身へと呟きながら、ゆっくりと少女が見たという大きな狼へと変じる。]
[金色の毛並みの大きな狼は、ゆっくりと少女へと近づく。
狼を見つけたドロテアが、「やっぱりいいた!」と叫ぶのと、牙をむいた狼がドロテアに飛び掛るのが同時だった。]
ごめんね、ドロテア。
俺のご飯になって。
[謝る声はドロテアにはうなり声にしか聞こえない。
肩をえぐられた傷みに、流れた赤い色に、少女が悲鳴を上げて逃げようとするのを許さずに、その喉笛を食いちぎり。
あとは暫し食事に没頭して――]
[ひとしきりむさぼって、満足して口を離しても。
ドロテアの姿はドロテアとして確認できるほどで。]
――まあ、いいか……
[今まで、よその村の人間を食べても感じなかった重苦しい思いをわずかに抱えながら血に濡れた口元をぬぐい。
森の奥の泉へと姿を消した。*]
―― 朝/自室 ――
[昨日はペッカの家にいったあと、町をぶらぶらしてから夕方ぐらいに宿へともどってきていた。
それからあれこれと手伝い、自室に戻って――起きたのが今という。]
うわあ……
[寝すぎだと、父親に怒られて頭を抱えながらもそもそと支度をして、宿の一階へとでていくのだった。]
─前日/ペッカの家─
あれ、ベルン。アンタも来てたのかい?
[同僚と話す先客>>1:86の姿に軽く、首を傾げ。
伝言に立ち寄ったのだと聞くと、土砂崩れ現場の方へふと視線を向ける]
……あの子も頑張るわねぇ……。
少し、頑張り過ぎてる気もするけど。
[一人で作業をしているのは知っているから、口をつくのはこんな言葉。
それじゃと手を振り離れるベルンハードを見送った後、同僚としばし語らいの時を過ごす。
話すのは、刺繍の図案のことや、これから産まれる子供のこと。
それから、外を駆け回る女自身の恋人の話。
他愛もないといえば他愛もないやり取りで時間を埋めると、帰途についた]
[帰る道すがら、ドロテアを探すものの、結局その姿を見る事はなく。
明日になったら家に行ってみるか、と思いながら帰宅し、翌日]
……帰ってない?
[朝一番に訪れた少女の家で聞いたのは、昨夜から戻らない、という言葉]
そっか……じゃ、アタシも探してみるわ。
……ああ、いいのいいの。どうせ、今は仕事も進められないしね。
[手間をかける、という家人に笑って言って、歩き出す]
……無茶な事してなきゃいいんだけど。
[昨日、最後に見た姿を思うと、不安が先に立つ。
ともあれ、それはひとまず押さえつけて、少女を探して*通りを歩いた*]
―― 宿の一階 ――
[あれこれと用事を済まして居るときに、どこかざわついた空気を感じて周囲を見る。
いつも来る人たちのうちの何人かが、どこか思案げな顔をして、昨夜からドロテアの姿が見えない、と呟いていた。]
――
[それを聞いて、一瞬手を止める。
僅かに息をついてから、暫し考えるように首をかしげ――]
まあ……昨日も顔を見てないし、探しに行くべきかなあ……
[どうしようかと、悩む素振りで手にしたモップの柄に顎を乗せた。]
―― 自宅 ――
んー?
[カーテンの隙間から差し込む日光に顔を顰めた。
昨日、帰路にベルンハードと話したことが脳裏に蘇る。]
ドリー。
―― →森 ――
[森の中には小さな家がある。
村一番の老婆が亡くなって以来、空家のそこ。
玄関は鍵がかかっているが、台所の窓は開けることが出来るのだった。]
お邪魔します……
[ぎし、ぎし、と重い音がする中、薬品が残されたままの戸棚へ近づく。
ドロテアがいないと騒がれていることも、ましてや、すぐ近くに遺体があることも、アイノはまだ知らない。*]
―― 自宅 ――
[朝食の席。ペッカは、姉の話を聴いていた。
前日の姉は、来客があって楽しく過ごしたらしい。
先に来たベルンハードは長居しなかったが、彼と
話すとのんびりした気分になれて好いという話。
ウルスラと刺繍の話をしたが、古布をほどいた糸を
使えば淡い表現が出来るかもしれないという話。
彼女のよいひとはまだひみつと詮無く勿体ぶる話。
あまり気の利いた相槌も打てないペッカだったが、
臨月の姉が和やかに笑むのを眺め朝食を摂った。]
――朝、宿の一室――
……むかつきますね。
[目覚めはあまりよくはなかった。昨日のことを思い出して独り言つ。
なにを言ってもウルスラにはさらりとかわされて。そのまま別れてしまえば苛立ちだけが残った。]
僕も気が立ってるんでしょうけど。早く開通すればいいのに。
[いつもの燕尾服に着替え、外にでる。]
戻ってない……?
[食堂に行けば、戻らぬドロテアが騒ぎになり始めていることを知った。何か知らないかと言われれば、首を振る。]
僕が知るはずないでしょう。彼女には嫌われてるんですから。
[僕も彼女が嫌いですよ、なんてことは言わなかった。]
/*
24h村だし、2日目はダミーの死をさくりと
認識しておいたほうがいい気がします。
後の展開が寸詰まりになるのでとかそんな理由。
…占い師はアイノですよ ね?
昨日は占われを目標に動いていたのですが、
どうだったかな。占って貰えたかな。
/*
そんな希望的観測。よし時間軸動かそう。
村建てさんの天声がきめ細やかだと、
つい展開に受身になりがちでいけません。
―― 森からドロテアの家へ ――
[――数人が運ぶ戸板に、横たわる亡骸。
森で見つかったドロテアは、村人らの手によって
無残な死の知らせと共に生家へと運ばれていた。
手伝いに呼ばれたペッカは、皮膚だけで体に繋がる
ドロテアの足が千切れぬよう、支えながら歩いた。]
… ……
[誰も口を開かぬ道行きは酷く重苦しく気味が悪い。
紅いしたたりは赤黒いねばつきへとかわりゆき――
恐ろしく長い時が、それでも移り行くのを示した。]
[ペッカは、呆然と光景を瞳に映す。
喰い散らかされた骸へ白布がかけられるのを見た。
その白へ、零れた命の色がじわじわと広がるのも。
『 人狼は 居たんだ。 』
深く暗い穴の底から昇るような怨嗟の声を聴いた。
死者の父親が蒼白な面持ちに怒りを混ぜるさまも。
――血腥い匂いを引いて、列は村へと向かう。]
[少女を探していたウルスラとは通りで行き会った。
ペッカは、目が合った彼女へぎこちなく首を振る。
遠巻きに、或いは駆け寄って。嘆きの列はゆく。
…村衆の列。誰からともなく、呟きは漏れ出す。
『 …狩り出せ。 』
『 追い立てろ。 』
『 人狼に、復讐を。 』
村を覆い渦巻き出す何かを感じて、ペッカは吐気と
悪態とを同時に堪えるような面持ちで列に従った。]
[亡骸のちいさな手が握り締めているのは、
僅かに毟り取ったらしきおおかみに似た獣毛。
…やがて、ドロテアの部屋から日記が見つかる。
記された直近の日記に、僅かでも名の挙がった者は
人狼の血を疑われ集められることと*なるだろう*]
―― 町の通り ――
[どうしようかと迷って居るうちにざわめきが大きくなる。
嘆きの悲鳴が聞こえ――、外へと出てみたものは、森からやってきた葬列だった。]
……まじかよ……
[ドロテアが、人狼が。
復讐を。
口々にいう人々の声が聞こえる中。
ゆっくりと近づいていけばペッカの姿が見える。]
――……
[その姿に声を掛けることはできず、ただ僅かに瞳を伏せて。
その視線の先、亡骸が握った金色の獣毛がいやに目に付いた。]
/*
この村設定&編成だと、疑い合いパートを
長く取ってもガチになりようがないはず、と
油断しまくっている私がいます。
皆さまはどうなんでしょう。
疑い合いパートを長く取りたくなかったり
するのでしょうか。。
[一階で、いつも通りの朝食を取っていれば、次第に大きくなるざわめき。]
『ドロテアが』『人狼が』『復讐を』
人狼……? まさか本当に?
[馬鹿にするような口調は、昨日ほどの勢いがない。ミルクを飲み干し、確認のために外へ向かった。]
[ドロテアの葬列は生家へと向かい。
そしてドロテアの日記を見つけた人が、疑わしきものの名を声高に呼ばわる。
その中にはベルンハードの名も含まれて。]
えー……
[疑われて心外だというように眉をひそめ。
ウルスラやペッカ、ラウリにアイノの名前まで呼ばれればさらになんで疑われるんだと、憤慨する。]
疑わしきは罰せよじゃねーだろお……
─町の通り─
[ざわめきが耳に届いたのは、しばらく歩き回ってからのこと。
切れ切れに聞こえる声に、嫌な予感を覚えてそちらへと向かい]
……な……。
[鈍い色を滲ませる、しろ。
それが何を意味するのか、つかめず。
彷徨わせた視線は、列に加わるペッカを捉えるものの。
彼から返されたのは、ぎこちなく首を振る仕種]
……なんで……よ?
[口をついたのは、そんな、呆然とした、呟き]
[知らず、呆然と立ち尽くすものの。
日記に記された名を元に疑惑をかけられたならひとつ、ふたつと瞬いて]
……ちょ、ちょっとちょっと。
幾らなんでもソレ、短絡じゃないの?
[上がるのは、先とはまた異なる理由で呆然とした、声]
う、ぁ……。
[赤黒く滲んだ白い布、それが示す事実に口元を抑える。
布の端からちらりと見えたのは、人間の力では絶対に無理であろう、噛みちぎられた切断面。街では見る機会なぞ無かったもの。]
……ただの狼じゃないんですか? その狼が人に化けているって言う証拠は?
[名前が読み上げられれば反論するけれど。力で叶うはずもない相手を前に、その声は生意気な色を潜めている。]
/*
さ、て!
投票と、ダイイングメッセージ、どうしようかな!
アイノ、占い師っぽく見えるから、デフォ投票はナシよねぇ。
そうなると、うーん……。
[短絡、との言葉に返されたのは、ならば何故昨日、少女を探していたのか、という問いかけ]
はぁ?
なんだか思いつめてるみたいだったから、話して落ち着かせようと思ってただけよ。
怒らせた理由の一端は、アタシでもあるからさ。
[平静を保とう、と念じながら、問いに答える。
けれど、声の端々に苛立ちが滲むのは、隠せない]
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