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それなら祈ればいいじゃないか。
神様にでも、お星様にでも、お月様にでも。
[童話に出てくるような単語を羅列する自分がおかしくて、少し笑う。
お悔やみ欄のあるページだけ破り、テーブルに残した]
[お社の柱に刻んだ言葉も『帰る』だったことをと思い出して
少し呆れた表情を見せた
自分はどれだけこの村が好きだったのかと]
先生が言うとご利益なさそうだねぇ
神様も、お星様も……お月様もさ。
[グンジがテーブルに残したものをちらりと横目で見ながら
笑い声を上げた]
気にするな。
叶えるのは俺じゃなくて、誰かだ。
[窓の向こう、細く立ち上る煙が見えた。
太陽は沈み出しているが、本土から見えないこともないだろう]
何をもって死とするのか。
[藁人形の入った袋を拾い上げ、浜辺へ戻っていく]
疲れてるように見えますか。
じゃあ疲れてるんでしょうかね。
先生ほどじゃあないと思いますがね。
薪だけじゃあ、良く燃えますが
あんまり煙が良くありませんぜ。
[そう言って、注意深く火の様子を見ながら、
取り出した小さな薬瓶の中身を燃料にかける、と
硝煙の匂いとともに、もわりと煙がまっすぐ立ち昇る]
こいつは食中毒に効くんですが、
まあ場合が場合ですからねえ。
あまり量が無いから、
どんだけ良いかはわかりませんが、
まあ、無いよかましでしょう。
[残っていた胸ポケットの中の煙草も
ついでのように燃料に混ぜると、硝煙の匂いと混ざり
むっとするような匂いが立ち込めた]
しかしどうにも、さっきまで、自分が消えるものか、
消えてやるものかなんて思ってたんですがねえ。
なんなんだろう。
[煙の先を見ると、何かを見つけたように]
やあ、昼の月だ。ははっ。
[既に話しかけていた相手が
宿舎に戻ったのに気づいたのか、
そのままじっと空を見ている]
[やがて日の沈みだす空で、
月が徐々に存在感を増していく]
打ち上げ花火は持っていないのかい?
[ライデンに声をかけながら近づき、袋の中から取り出した藁人形を一つ取り出し放る]
スズキって書いたの誰だ。
[藁人形を手にしてまた外へ出て行くグンジを
少し怪訝そうに見遣る]
誰か、って?
先生、あんた…ずいぶん他人事みたいに言うねぇ
[その言葉は外に出たグンジには届いたか、否か]
何をもって、死とするのか、か。
[ふと自分の手を見つめた]
[プレーチェの手の温もりを思い出す。
少年の髪を撫でた感触、その柔らかさ。くすぐったそうな笑顔。
イマリの入れてくれたお茶だって、熱かった。]
ねえ、私達今ここにいるね。
この先はどうだか判らないけど、今生きてるね。
皆も、生きてたよね。
ここで、確かに生きてたよね。
[室内に戻って来た教師と帆澄の会話を黙って聞く。
やがて彼が出て行くと、残されたお悔やみ欄のページをじっとみた。
その空欄はもうだいぶ少ない。
全部に文字が入るとしても、あと、二人も名前が載ればいっぱいになるだろう。]
帆澄ちゃん、私達も行こう。
[どこへとは言えなかったけれど、幼なじみの手を引いた。]
[戻ってきたグンジのほうをちらと見るが、
すぐにまた月を見つめる]
何でも揃う薬屋も、さすがに花火はねえですな。
銀坊だったらロケット花火のひとつくらい、
いたずらに持ってたかもしれませんがねえ。
そいつ、イマリちゃんのでしょう。
イマリちゃんが書いたんじゃねえんですかね。
[黒、緑、桃……さまざまな色で名が書かれた死亡届を一つずつ紙飛行機の形に折っては、海に放り投げる]
何故自分は生きているのだろうと考るたびに、誰かに生かされているような気がしてしまう。
願おうが足掻こうが、もう自分の没日は決まっているのではないかと。
[手元に残った4つの藁人形を、どうしたものかと見下ろす]
ナツ……娘が成人するまでは死ねないと思っていたりもしたんだが、最近はそれも薄れてきた。
イマリ君は、『鈴木』が漢字で書けないのか……。
[複雑な表情。
四つの藁人形は袋に戻して、口を縛った]
かえろう。
[袋ごと火に投げ入れた。
月は見ぬように俯いたまま]
[やがて教師の手が止まると、一歩、火に近づいた。
ポケットに入れたままの封筒を取り出す。
かつてそれを渡した男に封筒を返した。]
[飛んでいく紙飛行機を見て]
うまいですねえ。
そうだ、先生。これも返しますよ。
[そう言っていつぞやもらった鼻眼鏡を出す]
もう、笑かす相手もいねえみてえだし。
[残った二人もとてもそんな冗談をやれるような
雰囲気ではなかったしな、と思いながら]
娘さん笑わせてやんなさいよ。
六十円くらい、ケチったりしません。
[相手の言葉に、むっとした顔でそっぽをむく。
白い袋が火に溶けて、藁人形が燃えるのが見えた。]
なんで、私になんですか?
先生が、自分で出せば良いじゃないですか。
あ、うん。
[エビコに手をひかれて外へ。
もうもうと上がる煙を黙って見上げていた]
これで、船が来るのかしら。
[その船はどこへ向かう船なのだろうと
おぼろげに思いながら]
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