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[目を伏せたまま、テープレコーダーから流れる議論を繰り返し聞いていた]
……どうし、よう。
[弓槻の告白と、近藤の『――君が本物であれ偽物であれ』という言葉が頭のなかでリフレインする]
見える人は出てきた方がいいって言っていた人たちは、見える人ではない気が、する。
力を持っている人は全員出てきた方がいいって言ってた人も、そう。 自分は見えないって言ってた子たちは、……勿論違う。
[手帳を開いて、外部からは見えないようにメモを書き込んでゆく。 独り言も、頭のなかで考えるのみで、実際に口にはしない]
椎名くんと、六花ちゃんと、須藤先生と、小鳥遊先生と、櫻木さんと、寺崎くんは、違う。
リウちゃんと、近藤先生と、ヨシアキくんと、クルミちゃんと、私……は、傍目からは、見える力の有無は分からない……と、思う。
……本当は、弓槻くんが出てきたから、全員見る力を持っているかどうか、話してしまった方がいいと思っているの。
だけど、私がそれを提案すると、……もしリウちゃんや、近藤先生や、ヨシアキくんや、クルミちゃんの中の誰かが……隠れていたい見える人だった場合に、困ってしまうんじゃないかって。
だから、……だから、今は先生の案に乗っておくのがいいのかな……。
[手渡された飴玉をじっと見て、視線は動かさないまま、隣に居るはずの近藤の気配を伺う。
時折衣擦れの音が聞こえる度に、僅かに身を強ばらせた。
……いけない、と手帳に並ぶ名前に意識を戻し]
力を持っている人は全員出てきた方がいいって言ってた人と、先に聞こえる力っていうのを持っている人が出てきた方がいいって言ってた人は、聞こえる人である可能性は低い、はず。
[かつん、とシャーペンの芯が手帳に黒い点をつくった]
弓槻くんは勿論違う、し。
椎名くんと、六花ちゃんと、胡桃ちゃんと、須藤先生と、近藤先生と、櫻木さんと、寺崎くんと、美空くんは、多分違う。
小鳥遊先生も違う……かな。『見極める側からすれば』って、意見の出し方を、していたから。
[考え込み、首を傾げ]
梨羽ちゃん……なのかな。
彼女は、両方隠れた方がいいって意見なんだよね?
でも、櫻木さんも見える人が先の方がいいって考えみたいだから、可能性はあるかも。
[梨羽ちゃんと、近藤先生と、美空くんと、胡桃ちゃんと、櫻木さん、と手帳に書き込んだ。
テープレコーダーを巻き戻して、再び議論の内容を聞いている]
[思い切って近藤の隣に腰を下ろしてみたものの、ぎこちなく身体は強ばっていて、視線が正面から反れることはなかった。
『しっかりしてるんだな』とかけられた言葉に、肩が震えて]
……っ、そ、…そんなこと、ないです……。
こわい、ばかりで……何か、考えていないと、……。
[力なく語尾が消える。 近藤の居る方向に身体を向けたものの、視線は彼の口元より上には上げられずにいた。
言葉を継ごうと口を開きかけた時、弓槻の『鬼を見分ける事が出来る』という告白が耳に飛び込んできて、弾かれたように彼を見る]
弓槻くん、……は。
どうやって、鬼を見分けるのかな。
……今すぐに、全員を鬼かどうか確かめてみることは、出来ない……?
[じっと弓槻見ながら、感情を込めぬ慎重な声色で訊ねた]
[横から近藤の苦い声が聞こえて、暫し黙考した後頷く]
……私は、近藤先生の案に乗ります。
そのためには、早く投票先を揃えなくちゃならない、ですよね……。
まとめについては、美空くんや、梨羽ちゃんの意見に、賛成。
テープレコーダー、少し借りてもいいですか。
[席を立ちかけた時、近藤から薬用喉飴を手渡されて]
……これ、……。
[思わず見上げ、目が合って、掌に指先が触れた感触に頬に軽く血が上る]
ありがとう、ございます……っ。
あの、私、お礼……こんなものしか持っていなく、て。
[先程出しそびれていたクッキーを、学生鞄から取り出す。
包装紙に店のタグやロゴ等はついておらず、手作りのものであることが伺える]
手作りの食べ物が、……嫌でなかったら。
[どうぞ、と手にしたものを近藤へと差し出した]
……あ、あの、えっと。 皆も、よかったら……!
[テープレコーダーの横へと置き、近くに居た須藤へも遠慮がちに薦めた]
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◆椎名バク 【非占・非霊】
「鬼を見分ける、ってのは重要だと思うから、俺も出てきてほしいと思う」
「じゃないと、話のとっかかりもないだろうし」
・見分けるものが出た方がいいと言いながら、出ない。
・非占
「本物か偽物かわからないけど、どちらにせよよろしく」
「そして近藤のおっさんの考えもわからなくはないな」
「一応俺も、見えるとか見えないとか言うのは避けておく」
・ブラフ可能性はあるものの、見極める側の言葉遣い。
・占先出し派であるのに、近藤案に流されている(話の取っ掛かりは?)
・非占・追従疑惑
「まとめ役がいれば助かる」
「この後投票まで名乗らないなら、暫定的に弓槻にまとめをお願いする」
「もし弓槻が鬼だったり鬼に味方するやつだったりしたら困ったことになる」
・まとめ役不在での混乱を懸念しながら、自分がまとめ役になろうという意識がない。
・弓槻が偽物である可能性の懸念が薄い。
・非占・非霊
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◆成瀬リウ 【非占・微非能?・霊・狩はある?】
「何かの力に頼りたい」「それはすごく同意できる」
「力あるものというものはそれだけ危険にさらされやすいんじゃないか」
・非能?
「力ある人がいるとしてそんな人って、鬼?の脅威とかになるんじゃ」
「見える人?も聞こえる人?も一斉に出てきちゃったら心配」
・能力者重視
「投票で名乗りでる」
「投票するならみんな足並み揃えたい」
・潜伏策希望
「聞こえる人を先にって話はりぅはいいとは思う」
「知らない間に彼女みたいに見える人がこんなことになったりしないかな」
「見える人が先も考えてみたけど、どっちも良し悪しがある」
・占先行COにも霊先行COにも迷いがある
/*
「一番懸念していた知らない間にいなくなってしまう」
「その状況は少しでも回避できるそう思ったからだ。」
「まだ弓槻が本物かどうかはわからないが、今は彼にすがるしかない」
・非占
・潜伏中の襲撃懸念
「近藤…さん?に賛成!」
「でてくることでも力を持つ人たちが守られるんじゃないかなとも思った」
「いつの間にかにいなくなっちゃうのは怖い」
「見える人も聞こえる人も両方でてきちゃったら守る対象いっぱいでよくない」
・占対抗潜伏続行賛成
・狩が居るから能力者は出たほうがいい
・潜伏中に襲撃されてしまうのが怖い
・占霊両方出るのは、護衛対象がブレそうなのでよくない
「見える人の意見に沿うけど、りぅだったらそんな感じで探す」
・占い方針を占に伝える意見。非占
はい、お菓子を作るのも、好きで。
……お口に合ったなら、よかったです。
[頬を薄く染めて、近藤に微笑んだ。
須藤の提案に、あ、と小さく声をあげて]
明言しない方法を取るのでしたら、弓槻くんにも、調べる先を投票用紙に記入して欲しいです。
弓槻くんからお返事、まだ貰っていないですけど、一気に全員を調べるのは無理なんですよね?……たぶん。
……あの、もし。
弓槻くんが嘘を付いているのだとしたら、状況に合わせて、調べる先を好きに変えられてしまったらこわいなって、思うので。
あ、あと、あの。あの。
レコーダーを聞き直している途中で、まだ全員分のことを考えきれていないのですが。
櫻木さん、鬼っぽくないかなっていう気が……ちょっとしていて。
あの、彼女、『何か欲しい』って、繰り返し言ってたでしょう。『きっかけになる何かが』って。
あれが何となく、とっかかりを見つけて、鬼を見つけたいって焦れのように感じたんです。
嘘をついて場を動かせる立場っぽくなくて、当たり障りなく乗り切ろうって感じでもなくて、控えめながらもうずうずしている、ような。
力を持っている人に隠れてもらうって流れだから……そこも、加味しつつ。
どちらかというと、見える人が調べる先にする方が、いいと思い、ます。
[櫻木に希望が集まりそうなのを聞いて、口にした]
[寺崎の違和感について言及する近藤に、頷く]
はい、寺崎くん、まっすぐですね。
やりたいこと、分かります。
力を持っている人は全員出て欲しいと強く思っていて、その上での伏せ投票の提案は、食い違って、いません。 自由投票、前提の進め方ですよね?これ。
投票用紙には名前を書くから、組織票も情報だっていうのは分かります、よ。
私とはやりたいことが違いますが、彼なりの最善に基いて、話をしていると、思います。
周囲の意見に合わせる流れも、変に思えなかった、ので。
力を持っている人は全員出て欲しいと言っていたから、隣の車両に移ってもらう候補として考えていたのですが、今は優先順位が下がって、います。
皆がほっとけない、なら。 彼も、どちらかというと調べる先にする方が、いいような、気がするのです。
[こほん、と喉元を押さえて、クッキーの礼にはお辞儀を返した]
[成瀬から飴を受け取って、目を丸くし]
えっ……あの、あの、ありがとう。
でも私、人に貰ってばかりで悪い……ような。
あの、食べ物は貴重なので、たくさんたくさんはいらないんです。
他の人にも、平等に回るようにしてもらえれば、と。
……でも、喉を痛めているのを見て、気遣ってくれたんだよね……?
[ありがとう、と嬉しげに笑みを返した]
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