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[料理人になって、自分の店も持って。
でも、彼女の口に合う野菜料理はついぞ作れないまま、月日は流れ。]
従姉ちゃんが退院してくるまでに、色々考えとかなきゃな……。
[来年の春まで保つかどうかも危ない、そう医師から告げられていたけれど。
本人もそれは知っているはずだけれど。]
[自分の席に戻りがてら、ふと思う。
まだおれは彼女を「謎かけ少女」と内心で呼んでいる。
だが、まあ、それでいいのだろう。この店に来ればまた会うかもしれないし、もう二度と会わないかもしれない。]
祭といえば…… ……あ。
[祭の光景、居並ぶ屋台、朝顔の鉢。
きっと西欧の楽しいお祭りとやらとは全然違っていて、人々の賑わいだけは似ている地元の祭。昔、じいちゃんとした約束を、思い出せそうな気がした。]
帰りたくないなぁ……
[二杯……いや三杯目のコーヒーを睨み付ける。
これを飲み終えたら席を立たなければならない。
マフラーをしっかり巻き直して、寒空の下、家に帰らなければならない。
手を伸ばすは白い角砂糖。
ぽちゃんと音たて沈むは雪のよう。
ゆっくり、ゆっくりと溶けて、もう元のコーヒーには戻れない]
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