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[後ずさるモミジに複雑そうな表情を浮かべ]
わたしが嘘吐いている様に見えて怖い?
[首をかしげながら尋ねる。]
いや、怖くて当たり前だよね…。
変な手紙着た〜って持ってきたはいいが、信憑性も何も無いただの投函された手紙なら、どうにでも結果を偽ることも出来るしね。
でも昔からうちはこういう家だったし、困っていたら何か力になれるかなって思っただけだけど…。
怖がらせてしまったらごめん、モミジ。
[同意を重ねるタカハルには言えない。
高校時、毎夜のように悩まされたあの低く響く「しんぶ〜ん」の声と、無礼にもガッチャンガッチャン窓ガラスを破りながら、届けられた恐怖新聞の存在など。]
でも、どうせだったら1日1通なんてもったいぶらずに
一気に送ってくれたほうがありがたいんですけどね。
そうすれば、事件も起こらなくなりますし。
[ポルテの気も知らず、贅沢なことを言ってみる]
何人居たっけ? 村人…
[小夜の問いかけに首をかしげ]
ん〜、でも菊ばぁちゃんが狐とか言っているんだったら…まったくの外部の人間が攫って言ったっていうのもなんか曖昧な感じもするし…
第一普通の誘拐だったら身代金が無いって言うのも変だし、その自由帳に名前が書いてあって、消されているって言うのも謎。
だったら――
…身近なものの犯行?
[アイスコーヒーをちびちび啜りながら首をかしげて]
まぁ、確かに一通だけじゃなく、どばーって投函されたらそれはそれで早期解決だけどねぇ。
でもこの手紙ってどうやら人間が投函しているわけでもないようなんだ。
じゃぁ何かって言われてもわたしもさっぱりだからわかんないんだけど…。
[でもなんとなく感覚で異次元辺りから飛ばされてきているような感じは手に取るたびに解る訳で]
…宇宙からの交信? それとも未来からの手紙…?
[だんだんと問題がかけ離れていくのを感じた。]
郵便受け見張っていたら、誘拐犯来るかも知れませんね。
[少し笑って、喫茶店の扉を開く。
むせるような暑い空気が流れ込み、サヨは顔を顰めた]
[頭を下げるモミジに慌てて手を振って]
誤解させてごめん…。
ん〜、確かにアンって子だけの人攫いだったら普通に外部の人間って思うけども…。
たださぁ、何でこんな地元でも限られた人しか立ち寄らない喫茶店の自由帳に名前が記載されていて、挙句赤いインクで消されていたわけじゃない?
外部の誘拐犯がそこまで手を込んだことをやるかなって事が一つ引っかかったのと。
あと村の人でも常連でもない人間が、わざわざこんな手の込んだことをするのかなぁって思ったのもあるかなぁ?
って何でわたし警察でもないのに推理してんだろ? 常連っていっても大概高校生なのに、人攫いって出来るんかって話よね…。
[突っ走りすぎた自分の妄想をかき消すように、ポルテは一気にコーヒーを飲み干した。]
[名前の書かれた頁にたどり着く、名前を上から指でなぞっていく。そこには確かに9人の名前と赤く塗りつぶされたアンの名前があった]
だれよ、こんなの書いたの。
[近くにあったボールペンを手にとって、ぐりぐりと自分の名前を黒で塗りつぶす]
よし、赤になんか負けないんだから。
[ふふんと鼻で笑ったところで息を飲む。ぶわりと黒のインクが水に滲むように延びて、そのまま消えうせた]
そうか。一晩郵便受けに張り込み…ってそんなのやりたくない。
[小夜の言葉に想像するも一瞬でかき消し。]
てかあの自由帳に描かれていた絵って何だろうね? しかも菊ばぁちゃんの狐ってのも気になるし…。それとわたし的には手紙の投函…。
これって本当にただの人攫いなの、かなぁ?
[と、現実を確認するかのように、リウが手にする特大オムライスを眺めながら独り言のような*呟き*]
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