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いえ。
[マシロには小さく首を傾けて微笑み返し]
ええ、勿論。行ってらっしゃい。
気を付けて下さいね。
[集会所を出ていく姿を見送った]
ホズミさん。
無実なら……そんな事を言ってはいけません。
[ホズミが呟いた内容を繰り返して聞かせていたなら、そう言っただろう]
今は……犯人を捜さないと。
[内容を知れていなかったとしても、それだけは口にして。いつの間にかすっかり冷めた茶を飲み干すと、ゆっくりと立ち上がり]
少し、外に出てきます。
また後程お会いしましょう。
[そのように言い残すと、男も集会所を後にした。何かを考えるようにしながら、道を歩いていく。時々すれ違う村人は、複雑そうな視線を男に向けてきた。言を憚っているのだろう、話しかけられる事はなく]
確か、あの話の終焉は……
[断続的に独りごちながら。あてつけているかのようによく晴れた空の下を、*進む*]
うん。
二年前の儀式の時に…
[あれから2年。双葉もすっかり大きく成長したのだと思い起こす。
背を向けたままだと清治の笑むのは気配と口調でしか解らないままだが]
村の外だと、ちゃんとお父さんが解る人が多いのかな。
…一緒に暮らすなんて、考えたこともなかったよ。
[長い白衣の裾がぱさぱさと揺れる。
容疑者として集められた6人に村の周囲の人の目は痛く感じられた。]
―――― うん。すごく、良かったよ。
また出来れば嬉しいくらい。
[問いの返事は背が語るを見ても嬉しそうで
自然と下腹部近くに手をあてる。]
きっと、ダンちゃんの子は村にまだいるんだろうけどその内の1人が私から生まれたなんて、 …幸せだよ。
……せーじ くん?
[彼が立ち止まれば距離が開いて
顔だけではなく身体も彼へ向ける。]
清治くんは、この村が 嫌…
――――― え?
[殺された。
その言葉に、驚きが全身を襲い足を止めた。]
はわわっ。
あ、ああっ!せーじくんっ!!
[足を動かすきっかけは彼の眦に見えたもののおかげて、遠くへ行かないよう手を伸ばしながら掛ける。]
せーじくんっ!!!
ま、まままっ、待って。
…まtt
―村外れ―
はあ、はあ……。
[闇雲に走り続ける。
足は無意識に人気の多い方向を避けて、気が付けば村の外れにまで到達していた。
周囲には村と外との境界を示すように、疎らに木が生えていた]
…………。
逃げちゃった、なあ。
[足を止めると、幾分か冷静になって状況を振り返る事が出来た。
犯人と確定した訳ではないが、十分に怪しまれる要素にはなっただろう]
……なんで、
[広げた両手をじっと眺め、呟く。
しかし理由は明白で、自嘲気味に笑う事しか出来なかった]
ははは、……あーあ、馬鹿だなあ。
[騒々しい蝉の大合唱に、か細い呟きは飲み込まれていった]
私はやっていませんと言っても信じてもらえないのと同じように、
私がやったんですと村長さんに言っても、信じてくれない気がする。
[手にしていた鞄をたたきの隅に置き、代わりにダンケが持ってきた木桶を手にした。
向かうのは集会場のすぐ近く、死者を料理する為の斎場]
――斎場――
[容疑者は、遠巻きにされる。
まな板の上に湯剥きしたトマトを置いて、包丁の背で叩き割った。
同じくまな板に鎮座する、かつてアンであった肉片に赤い汁が飛ぶ]
誰のことを食べたい?
[洞窟でセイジに向けた質問が思い出され、口の中で呟いた。
トマト、にんじん、玉ねぎ、そして肉。
すべてを鍋に入れて、ひたひたと水を注ぐ]
え?うーん。まあ、確かにあんまり信用されないかもねぇ。
この状況で犯人が自白する理由が無いし。
[ほずみの言葉に考え込みながら、斎場へ向かうほずみを見送る。暫くはそのまま集会場に残っていたが、手持ち無沙汰になり]
あの、畑に戻ってもいいですか?世話が終わったら戻って着ますから。
[村長に許可を得て、一度畑へと戻る。]
[
じゃりっ。]
[土を掴む音がした。
周囲の村人はまるで態度を変えて助ける手すら伸ばしてはくれなかった。]
っ…
確かめなきゃ。
清治くんのお母さんのこと。
[突っ伏したまま小さく小さく呟いた。**」]
[狭い村だからだろう、どこかで炊かれる鍋の匂いが漂って来た。
一番色濃い匂いは、肉。
刻まれた娘の肉体は、鍋の中で単なる食材に変わってゆくのだろう]
肉……肉……全部、ただの肉。
[呟いて、ふらりとまた、何処かに向かって歩き出す]
[擦りむいた膝の治療のふりをして診療所へ戻る。母から受け継いだカルテを開いて清治の母の名を探す。]
…ない。
母さんが死体を確認したわけじゃないんだ。
でも殺されたって ――― 本当に?
ンガムラさんなら知ってるかな…?
―畑付近―
[定まらない足取りで歩いている所に、声を掛けられる]
あ、……ダンケさん。
集会所の方は解散になったんですか?
[つい普段よりまじまじと見てしまったのは、若葉の話を聞いていたせいだろうか]
いやー、解散になったわけじゃないみたいだけど、なんか。皆出て行っちゃったから、僕も畑を見に来たんだ。
なんだか、大変なことになっちゃったねぇ。
[言葉とは裏腹にいつも通りののんびりとした口調で。]
…?僕の顔に何か着いてる?
[清治の視線に首を傾げる]
そっか。あんな所に居たって、息が詰まるだけだしね。
[ダンケの言葉に頷く]
……そうだね、
[曖昧に頷きつつも、相手に首を傾げられると]
いや、ちょっとね。
変な話だけどさ……
[相手の顔をじっと見て、迷いながらも、ついには口に出す]
父親って、なんだと思う?
[村の片隅。木陰の下の岩に腰掛け、周囲を見るともなく眺めていた。人通りが少ない道。時たま通りがかる村人は、此方を一瞥するだけで、やはり避けるように歩いていく。村は何処か静まり返ったようだった]
……
[男自身もまた、黙って]
まあ、確かに。あそこに居てもあまり進展は無さそうだったし
[そう言って苦笑いを浮かべつつも、清治からの父親の事を聞かれれば]
チチオヤ…?うーんそうだねぇ…
[暫く考え込み]
よく分からないなぁ。今まで考えた事もないし…
[少し困ったような表情で頭を掻く]
それにしても、なんでまた父親なんて?
[逆に清治に聞く]
[白衣についた土を払いながら村の中を歩くも空気が重い気がした。
きゅ、と唇を引き締めて堪える面持ち。
照りつける太陽の熱さに自然と木陰を探せば]
…ンガムラさん、…
……そっか。そうだよね。
[ダンケの答えに頷く]
自分が父親になってるかどうかさえ、そうそうわからないしね。
[質問を返す声には曖昧に笑って]
いや……ただ、父親の気持ちってものがわかる人がいるのかな、と思っただけだよ。
僕は誰かの父親じゃないし、多分もう父親になる事はないから。
[探し人を呼びながら歩いている]
どこ、行ったのかな。
[一人でいると、どんどん思考が考えたくない方へ向かってしまう。
小さい頃から見栄っ張りで、人前では強気だが誰もいないと何もできないんだねぇと困った顔をしていた探し人を思い出す]
おいていかないで…。
帰ってきて…。
――ワカバさん。……大丈夫ですか?
[現れた姿を見て、その名を呼ぶ。少し間を置いてから続けて問いかけた。土で汚れて見える白衣と、沈んだような様子に向けて。尋ねる男の声もけして明るくはないものだっただろうが]
[ぐつぐつと音を立てる赤い煮汁を、お玉でかき混ぜ続けていた。
スカートが引っ張られる感覚に、腰の辺りを見る]
どうしたデンゴ。
怒られちゃうよ。
[そう言った途端、涙があふれた]
えへへ、そんなに。
[へにゃりと眉を下げて情けない面持ち。]
でも、良かった。
ンガムラさんを探してたの。
清治くんとさっきまでお話していたんだけど
…清治くんのお母さんって 殺されたの?
その時、私はまだ小さかったけど…
そんな記憶があんまりなくって。
[泣き落としというよりも、駄々っ子の様相で、お玉をデンゴに押し付けた]
絶対絶対、焦がしちゃ駄目だからね!
あと、勝手に食べたらあとでもっと丸坊主にしてやるからね!
[両手の甲で涙を拭って、斎場を離れる]
うん。そうだね。
僕だって気付いていないだけで、誰かの父親になっているのかもしれないし。
[双葉の父親である事には気付かぬまま]
どうだろ?多分居ないんじゃないかな…
なに言ってるのさ。まだまだ若いんだし、清治君には頑張ってもらわないと
[曖昧に笑う清治を茶化すように言う]
[うつろな目で、民家の軒下にある漬け物壺を覗き込んでばーちゃーんと呟いている]
……?
[はたと村人たちから向けられる奇異なものを見る視線に気付き]
あ、ああ、そうか。アンを殺した犯人を捜してるんだった。
……ばーちゃーん、犯人さーん。
[考え込んだ末に、呼びかけが一つ加わった]
そうだよね。
[多分いない、という答えに頷くが、続く言葉に]
それは、――出来ない。
[茶化す言葉に視線を逸らす]
母さんを死なせた奴と、同じ事なんて出来ないよ。
それに――
[顔を俯ける。前髪に表情を隠すように]
罪人の子供なんて、きっと誰も産みたくない。
産まれるべきじゃないんだ。
大丈夫なら、良いのですけれど。
……こんな状況で、平気かどうかなんていうのも、妙な話でしょうけれどね。
[眉を下げて僅かばかり笑み]
私を?
……セイジさんの、お母さんが。
[続けられた問いかけには、瞬き、驚いたような顔をした後、困惑したような表情になった。じっと、思案するように沈黙していた後]
……本当のところは、知りません。
実際に何があったのかは。
ですが……
[何かしら躊躇うように、呟くように零した]
[歩いていたら斎場まで辿り着いたらしい。掛けられた声に振り返り、誰か確認すると駆け寄り]
ホズミさん…!
……?
[そっと目元に手を伸ばし触れようとして躊躇い、問いかけるだけにとどめた]
…何かあったんですか。
何を…言ってるんだい?
[突然の清治の言葉に思わず聞き返す。しかし、罪人の子供と聞くと驚いた表情を見せて]
まさか…清治君が…?
[それしか言葉にできぬまま、清治の返事を待つ]
不慮の転倒による死亡。
……それだけにしては、奇妙なところがある事故だったという事は、覚えています。
当時は私も若かったですし……あまり真剣には考えませんでしたが。
……
もしかしたら、あれは……
「事故」では、なかったのかもしれない。
[曖昧な言葉は、しかし神妙に]
[ダンケの言葉に、無言のまま懐を探る。
白い布に包まれた棒状の物。
布を解けば、中から鈍色に光る刃が現れた]
……ダンケさん。
大人しく殺されてくれたら、君の子供とその母親は助けてあげるよ。
最期に、父親らしい所、見せてくれないかな?
[肉切り包丁を握り締め、ダンケに向けて構えた]
[打ち明けられた涙の理由に気まずい顔をするが、すぐに浮かんだ疑問を口にするまいか悩んでいるうちに手を取られる]
犯人、ですか。
この村にいるんですよね…。
[みんなの顔を思い浮かべてみる]
…ホズミさんは?
事故じゃなかった…
誰かによって、事故に?
[その理由は思い浮かぶほど材料はなく、彼の言う奇妙の内容は彼女は知らない。]
――――でも、それが理由なら
清治くんがしたことは…
[下がった眉の隙間に皺が寄る。]
禁忌じゃないって事になるのかな。
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