情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[彼女の表情に、反応が見られた。
大丈夫、まだ大丈夫。
唇が、微かに動いている。
何かを言っているのかもしれないけれど、聞こえない。
だが、まだ生きている。]
クルミさん
聞いているかい
君を喜ばせる事、探してきた
喜んでくれるかは、わからないけれど
外の写真、持ってきた
[彼女の意識を、保たなければならない。
意識を失うと、体温が下がる。]
外の写真って言ってもさ
ただの、風景写真なんだ
桜並木、夏の砂浜、秋の紅葉、冬の雪景色
私が君を治すから
そしたら、その目で見に行こう
君の先も、君の足も、ちゃんと治す
だから頑張れ、階段程度に負けちゃいけない
[足は、正直絶望的だけれど。
それでも、口から出たのはそんなでまかせ。
できない事を、できないと言うだけなら。
きっと、誰にでもできるから。]
君にはちゃんと、未来が待っている
それが今は見えなくても、明日はやってくる
証明してみせるから、気を強くもって
休憩室
[うつら、うつら。
暖かな室内で優しい夢の中をたゆたう。
部屋の外で起こっていた悲しい出来事に気づけずに
最後に、思い出したのは若い先生の笑顔だった。
『十分、価値のある人生ですよ』
そうだ。
俺ちがここに在ることを
誰かが そう言ってくれるだけで――]
――…ん、むう…、
おお、おお。…ねてた、よ
おはよう、お嬢ちゃん
[腰掛けたまま眠っていたらしい。
人の気配に気づいて目を開ければ
正面には、小さな女の子の姿があった。
困惑気味の面持ちへ、にこりと眉尻を落とす]
起こしてくれたのかい。ありがとうな
[触覚は既に失われている。
体中が、役立たずな両足の仲間になって、
何の感覚も得ずに屍のように横たわる。
瞼を伏せているせいというより、
視覚そのものも、失せていて。
血の匂いを感じ取る嗅覚も死に。
それでも鼓膜が震えれば
言葉は脳の奥に染み入る。
桜並木、砂浜、紅葉、雪景色、未来。
見たいな…と、思った。]
きゃ。
[声をかける前に目を覚ました事に驚いてしまい。
おそるおそると見つめた後、安心したように笑顔を浮かべた]
えっと、おはようございます、なの。
おじい…おじちゃん、ここでねるとかぜひいちゃうかもなのよ?
るりね、まえにねむっちゃったとき、すごくおこられたの。
かぜひいて、しゅじゅつがえんきすると、いけないのよって。
[空想の世界が私を手招く。
四季折々の美しい光景の中を、
健全に機能する両足で歩く空想。
けれど、私はそこへ飛び込むのを拒む。
車椅子での不自由なままでも、
明日は来ると、未来があると、
語りかけてくれる声が在るから。]
…、 ぁ 、
り が、 と ぅ 。 、
[最期に、未来を見せてくれて。]
[寝惚け眼を、ごしごし擦る。
寒い自室よりも暖かくて熟睡出来てしまい。
おずおずと此方を見遣る少女へと、
少し背筋を丸めて視線を合わせ]
そうか、そうか
こんなところで寝たらだめだなァ
おじいちゃん、ここがあったかいから
つい、寝ちまったよ
[気を使ってくれたのか、わざわざ「おじちゃん」と言い直してくれたので、「おじいちゃん」で良いのだと強調を。
孫達の中にもきっと、彼女と同じくらいの子がいるはずだから]
おお、るりちゃんはしゅづつをするのかい
えらいなあ
[体温が下がっていく。
止血しても追いつかない出血。
このままだと、ショック症状が起こる。
短時間の出血、大動脈からの出血だろう。
圧迫止血では間に合わないけれど。
凍結止血するにも、電気凝固させるにも、まだ手術室は遠い。]
どこへだって、連れて行くよ
平家蛍を見た事はある?
夏の低くて大きな空と
地上に舞う蛍の光が合わさって
まるで、天の川が二つあるようなんだ
一面の花畑、なんて見たことあるかい?
カラフルな絨毯のようで、綺麗なものだよ
春になったら、見に行こう
― 昨日 休憩室 ―
[どこかで聞いた、懐かしい歌がテレビから流れている。
あの歌は誰の歌だろう。テレビ画面をじっと見ようとすると、子供たちがその前を楽しそうに駆けていった。
ふふ、と笑うと、そのままぼんやりと歌を背景に、子供たちを眺め続ける。
と、隣の男性が、感慨深げにこちらに話しかけてきた。]
ええ、孫はわたしにもおりますよう
何人かいたけれども、みんなそれぞれ大きくなりましたねぇ
昔はよくみんな家に遊びに来たものだけど
でも、孫はそういうものでしょうねぇ
みんな立派になって、嬉しいですよ
[ちなみに同居していた長男の子供も、大学生となり、朝はご飯も食べずに部屋から直接出かけていき、夜は自分が起きているうちは帰ってこなかった。
ここに入った時、一度だけ家族で見舞いにきた。
他の孫も含め、もう、孫の顔を本当に見ていない]
子供は、いいねぇ…
私もそう思いますよ
[子供たちを通り越すように、ぼんやりと遠くを見て少し微笑んだ。
孫が14歳、という話には]
あらあらまあまあ
じゃあまだまだ小さいねぇ
可愛がってやりなさいな
可愛がってやれるのも今だけですよう
[今度は男性の顔に視線を向けて、微笑んだ。
しばらくすると、彼はこちらに軽く頭を下げると、立ち上がって去っていく。
こちらも彼に頭を下げた]
[手術室へと辿り着く前に。
私の身体からは
生命が抜け落ちてしまう。
手紙のお返事や、お手玉の約束、
写真もこの目で見たかった。
叶わなかった事は幾つかあるけれど。
そういった生への未練が在ることが、
この上なく嬉しかった。
未来は、あったのね。近くに。
私にも。
それを教えてくれた、
とても素敵で嬉しい言葉を贈ってくれた
先生への感謝の言葉が最期の言葉。
脱力して緩んだ口元は
ほんの微かに笑った時と同じ形に成り。]
秋は、川が綺麗でね
魚釣りをして、その場で調理して食べる
中秋の名月なんて、しっかり見た事あるかい?
お月見も、いいものだよ
冬はやっぱり、雪原だね
体を切るほど冷たいはずなのに
光を弾いて、真っ白に輝く朝
世界が最も輝く朝さ
君にはまだ、見てない世界が沢山ある
[ありがとう、彼女がか細く。
そう口にしたのが聞こえて。
動かないであろう手を取り、脈をはかると同時に語りかけ続ける。]
まだ、お礼を言うには早い
君を救って、それからお礼を言ってもらう
― 朝 ―
[朝日が部屋を照らし、いつもどおりに起きた。なんだか、心が晴れ晴れとしている]
あぁ、きたんだったねぇ
[机の上にあずきの袋が置いてあった。
昨日、部屋への帰りに職員からもらったものだ]
今日は、そろそろおしごとしなきゃだよ
[よしっと気合を入れると、朝食の準備に入った]
おそと、さむいもんね。
ゆきがね、たくさんふってたのよ。
[こんなにいっぱい。と、示すように両手を広げて。
10本の指を動かしながらゆらゆらとその手を下ろす。
どうやら雪の物まねをしているつもりらしい]
うん、えっと…。
あしたがね、しゅじゅつのひなの。
[首を傾げて記憶を探り。
思い出して、どこか誇らしげに伝える]
― 部屋 ―
[日のあたる部屋の中で、無心に、かつ丁寧に縫い目を作っていく]
いいねぇ
[昼頃、お手玉が、ひとつできた。
茜色と紫のちりめんのはぎれをあわせたものだ]
これはくるみちゃん用だね
おばあちゃんは、これにしようかね
[また別の、山吹色のはぎれを取る]
こうすれば、2人であそぶときに一緒になってもわかりやすいからねぇ
[ちくちく。静かに縫い始めた。
この調子なら、明日には最低でも2個は完成しそうだ。
明日はロビーでくるみちゃんを待とう。
きっと明日も今日みたいに日が出て、特等席も暖かいに違いない]
雪も、溶けてしまうかねぇ
[ちらりと窓の外の少し溶け出した雪を見やった]
/*
お手玉ーーーお手玉ーーー!!!
おばあちゃーーーーーーん!!!
あの世で一緒に遊んでもらうねん。
お手玉するねん˚‧º·(˚ ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )‧º·˚
んだな、外は寒いよ
でも、雪はきれいでおじいちゃんは、すきだなァ
[ひらりひらり、雪の降る様子を真似る少女に
「上手だァなあ」と頷いて。
彼女を真似て、自分でも手をひらひらと振ってみたが]
あしたかァ…、そうかァ
[一瞬だけ、眉間に皺を刻んでしまう。
何の手術かは解らないが、こんなに小さいのに
痛い思いをするのかもしれないと思うと、苦しさを覚え]
しゅづつしたら、ゆきだるま作ったり
できるようになるだろうなァ
雪で、うさぎさんも作れるんだぞ〜?
[だから、しっかり。
かけた言葉は、彼女に届いたのか。
測っている脈が、途絶えた。
力の抜けた四肢。
手術室は、もう少しだというのに。
頭の中では、もう答えは出ている。
動脈性出血による乏血性ショック。]
クルミさん?
クルミさん?
しっかりしてください
[医師としては、失格なのかもしれない。
死を前にした冷静さというものは、患者と親しくなれば吹き飛んでしまうもののようで。]
緊急補液
移動しながらでもやるんだ
― 夕暮れ ―
[2つ目が完成したのは、太陽も沈みかけた頃だった]
やっぱり若い頃に比べると、仕事がおそいねぇ
[目も指も、思ったようにはいかない。
それでも、できた2つのお手玉を見て、表情がほころんだ]
多分、くるみちゃんもあと2つは欲しいっていうよ
ちょっと準備だけしとこうかね
もう若くないからねぇ
[呟きながら、外を見る。
沈み行く太陽が、最後の光を地平線に広げている。その様に自分を重ねた]
[明日も、明後日も。
ずっとこんなふうに、ただ老いていく日々が続くのだろう。
自分は、病気の子供たちを妬むような人間だ。
病気なのだ。辛いだろうに。苦しいだろうに。
でも、彼らの目の前に広がる景色と、自分が見ている景色と、どんなに違うことだろう。
もしも、願いが叶うなら…]
夢だね
[薄暗くなった部屋で呟いた]
[頭の中では、無駄だとわかっていても。
そうせずにはいられないというのは。
はたして、幸せな事なのか、不幸な事なのか。]
心停止、心臓マッサージ
[手術室にたどり着き、心電図につながった時には、数値として。
患者の死亡を伝えていた。
試みるだけは、全て試みて。
自分にできる事は、全てやっても。
救えぬ命が、大量にある。
他人でも、知人でも。
大人でも子供でも、平等に。
救えぬ命は、救えない。
蘇生措置を試みるも、上手くはいかず。
結局は、また取りこぼす。
どれだけ救いたい命であっても。]
うん。
いっぱいふって、たのしかったよ。
おそとであそびたかったけど。
かんごしさんが、だめっていうから、おへやからみてたの。
うさぎさん…みてみたいなぁ。
あのね、うさぎさんは、おりおんさんにおわれてるんだよ。
ほんにかいてたの。
[説明を欠いている事にも気付かないまま伝えようとして。
思わず話にも熱がこもる。
しかしそこで、たまたま通りがかった看護師に見つかり。
そろそろ寝なさいと怒られてしまって、寂しげに頷く。
二、三言ほど離すと看護師は仕事に戻ってしまいそれを見送って手を振り]
ごめんね、おじいちゃん。
るり、あしたにそなえて、ねむらないといけないの。
[首をかしげてそう伝える。
看護師の受け売りである「明日に備えて」という言葉は片言だった]
じゃあおやすみなさい、おじいちゃん。
[ぺっこりと頭を下げる。
そのまま病室に戻ろうとしたが、ふと振り返り]
またゆきがふったら。
ゆきだるまつくるの、てつだってくれる?
[問いかけと微笑みを投げかけて。
その返事を聞く前に小さく手を振って、病室へと戻って行く]
医者が神を信じたがらない理由はこれだな
人事を尽くしても、何もできやしない
[小さく呟いた言葉。
それは心の中だったか、口から出たのだったか。
ご遺族への連絡等は済ませてあるようだ。
もうすぐ、やってくるのだろうか。
なんと説明しようか。
助けられなくてすみませんと、謝るのだろうか。
若者は、少し休むと言い残して屋上へ出た。
周りの人影は気にせずに、隅の方に座り。
タバコを咥えて、火をつけた。]
[あと何度、命を取りこぼしていくのだろう。
そう考える事自体が、医師として若いと言うことなのだろうか。
割り切れていたつもりであったのに。
この手で救えぬとなると、やはり苦しい。
頭が痛かったけれど、それを気にする余裕はなかった。]
神よ、貴方は人を愛するが故に
こんなにも早く、お呼びになるのですか
では何故に、人を地上に離されるのか
[吐いた言葉と、吐いた煙が。
空高く、登っていく。
ゆらり、ゆらりと登っていく。
風がそれを溶かして、天までは届かなくても。
毒づく権利くらい、あるのではなかろうか。]
[一生懸命話をしてくれる少女を
何時しか孫と重ねていた。
逢った事のない孫もきっと
こんな風に、人懐こい子達に違い無いと、思うのだ]
そうかァ、そうか…
げんきになったら、かんごしさんも
外で遊んでいいよ、って言ってくれるさね
うさぎさんと、……オリオンさんかい…?
[何処かで聞いたことのある単語だが、さて…
星に疎い男には、ピンと来なくて首を傾けた。
やがて、やって来た看護師に叱られる少女の姿を前に
「俺ちが引き止めちまったんで」と、看護師を嗜めた]
明日に、備えてか…、
おお、がんばれよ、明日な
[少女の小さな頭部をそっと、優しく撫でようとし]
[大人びた言い回しの裏に
本人や周囲の大人たちの苦労と痛みの痕が窺えた。
振り返りざまの言葉へ、暫し瞳を瞬かせたが]
おお、おお。いっしょにつくろうなァ
ゆきだるまと、ゆきうさぎさんなァ
おじいちゃんと一緒につくろうな、るりちゃん
[返答は、彼女の耳に届いただろうか。
まるでうさぎみたいに跳ねていってしまった小さな背へ
手を振り、見送った]
[ただ、そこに居るだけで周囲の空気を明るく変える、
そんな少女の存在が、昨日の光景を思い出す。
昨日、ここで話をした老女も
「子どもはいいね」と、そう言っていた。
彼等の先には、未来が続く。
まだ見えぬ道だからこそ、その先は明るく、心躍るのだろう。
老女の言葉を、思い出す。]
……そうさねェ、
かわいがってやりたいもんだがねェ…
[それは叶わぬ希望と知っているから、
過ぎ去っていった少女との約束を、守りたいと思っていた。]
あの婆さんも、誘ってみるかねェ
[今度会えたら。
逢えなくなる等と感じることなく、席を立った]
[医師であっても人間。
ただの人には、抗う事のできぬ範疇がある。
タバコの煙が、雲には届かぬように。
この声が、海までは響かぬように。
少し落ち着いた若者は、先ほど息を引き取った女性の最後の顔を思い浮かべた。
彼女は、幸せだったろうか。
いいや、幸せな人生であったかなどは考えていない。
息を引き取る間際、彼女は。
この世界を、愛して逝けただろうか。
若者の目には、彼女が笑って逝ったように見えた。
本当にそうなら、自分が彼女に出会った意味はあったのだろうか。
医師として、力になれずとも。
人として、力になれたろうか。]
医師として、力になりたかったけれど
屋上
[凍てつく外気を肌に感じた瞬間に
ぐわんと頭痛が響き、軽い眩暈を覚える中
煙草を吸う為に屋上の扉を開いた。
視線の先、昨日の若い医師の姿を見つけて歩み寄り]
よう先生。アンタさんも煙草――…、
[吸うのかい、そう続けようとした言葉は
彼の、余りの憔悴ぶりに先を失ってしまい。
理由は解らずも、その肩を励ますように叩こうと手を伸ばす]
[一瞬だけ、優しい風が頬を撫でて。
身を切る冷たい風に混ざったそれを、若者はとても不思議に思った。
見る目が変われば、世界は色を変える。
彼女の世界も、最後に少しでも変わっていればいい。
そんなことを思うのは、陶酔や逃げの類?]
ま、いいさ
[逃げだろうと、陶酔だろうと。
携帯灰皿で消したタバコを、片付ける。]
[そうしていると、男性の声が聞こえて。
振り向いた先には、昨日の男性がいた。
肩に伸びた手は、拒むこともなく。]
ええ、少し現実逃避に
[そう言って、笑ってみせた。]
そうか、そうか
先生だって人間だもんなァ
逃避したくなる時だって、あるよナァ…
[ポン、と軽く肩を叩いて
彼と同じように笑い飛ばした。
けれど、昨日の何処か楽しそうな思案振りと
現在の彼、明らかに異なる様子に――
煙草に火を点けながら、ぽつりぽつりと言葉を紡いで]
なァ、先生は… ヒトは死んだらどうなると思うかい?
俺はね、「死ぬ事は、生まれ変わる為のきっかけ」だと思うんさね
[医師という視点からすれば、笑い飛ばされてしまうような内容だろう。
けれど、男にはずっと常に心にある思いであり、
そうであると、信じて生きてきたのだ]
善行を詰めば、次はより幸福な人間に生まれ変わる…
そんなこたァどうでもいい
ひとつだけ確かな事はな、現世で出逢った人間とは
縁を引き寄せれば必ずや、来世でもまた出逢える、ってことだ
だから、もしもアンタさんが…
来世でも出会いたいと思う人と
死に別れる事があったら
その人の事を忘れずに、命日には花を手向けてサ…
そうしたらきっとまた、逢えるよ
[持論でしかないけれど。
肺を煙で満たし、ゆっくりと吐き出しながら
医師へ、微笑んだ]
まぁ、私も人間ですからね
人は死んだら、ですか?
[それはもちろん、骨になるさ。
そんな事は、わかっている。
でも、男性が言っているのはそういう事ではなくて。
科学に基づかない、信仰や思想のようなもの。
若者は、それを否定するつもりはない。]
そうですね
人の縁とは、不可思議なものです
生まれ変わる事が、たとえばできたとして
もし、その相手ともう一度出会えたとして
今度は、まともな関係が築けると良いですが
…―――
私は、生まれ変わってもこんなのでしょうし
気の利いたセリフ一つ、出てくる気がしませんよ
[命日に華を備えれて、冥福を祈るのは。
それは、来世での再会を祈る事なのか。
面白い事を言う人だと、思って。]
ふふ、お坊さんか何かですか?
[そう言って、首をかしげてみた。]
なァに、アンタさんは色男で頭がいい、
気の利いた台詞が浮かばなくても
相手が何を求めているのかを探ろうとする
そして、相手に答えたいという真摯な思いがある
[だから、心配するな、とばかりがははと笑い]
いやァ、俺ちはただの塗装工だァ
……明日辺り、仕事あればいいんだがなァ…
[詰まりは現状、無職にも同じだということ。
フィルターギリギリまで煙を味わい、灰皿へ吸殻を落とすと
「お先に」と声を掛け、屋上を後にした。
持論では、「生まれ変わる為の〜」そうは思っていても――
別れは、辛い。それは己とて、同じと*知りつつ*]
それは、過大な評価な気がしますけど
でも、ありがとうございます
[褒めてもらっているのだと理解している。
だから、若者は頷いて。
男性の仕事の話には、相槌を打つに止めた。]
はい、ありがとう御座います
お世話になりっぱなしで申し訳ない
[お先にと出て行く男性を、見送り。
若者は、今度何かお礼をしなければと思った。
相談に乗ってもらい、今日は励ましてもらった。
その行為にではなく、その心には。
心を返さねばならぬと思うからだ。]
次に会ったら、煙草でも奢ろう
[といって、できる事はこの程度であるけれど。]
[1] [2] [3] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了