情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
キャラ設定からミスって、ソロールだからと適当に動いてたらミスって、オーノー
サッカー談義になって、ヴィラのペトロフが白血病になった話を聞いて、そっからもってきたって言い方は悪いけど、
そうしたらソロールキャラになった。
サッカーだと透けるのでバレーボールにしたけど透けるかなぁ…
[病室の入り口近くで、近づいてきた医師に目を留める。
先刻の若い医師だと気がついて、ゆっくりと会釈をした。]
ああ、先程の…。
はい、千夏乃の母です。
[初めて会う医師だったので、娘の名を呼ばれてすこし、驚いた。どこかで関わりがあったのだろう。
差し出された人形には、不思議そうな顔をして]
人形、ですか…?
[古いタイプのプラスチックの人形。子供の頃、こんな人形を持っていた記憶がある。]
[沢渡の傍に佇む母親へ、浅く会釈を返す。
驚いた様子は尤もだった。横たわる沢渡を一度、見つめる。
そういえば彼女も、いつも同じぬいぐるみを抱き『弟の次に大切だ』と言っていたのを、思い出した。]
この人形……、奇跡的に、……戻って来たんです。
沢渡さんならきっと、大切に、してくれると思いまして。
……元気になるように、…願掛け、染みたものですが。
[さらり、金色の人形が零れ落ちる。
そっとそれを母親へ差し出した。]
[そこは白く、老人には居心地が良くなかった。
彼女はゆっくりあたりを見渡し、それから立ち上がった。立ち上がった時、ようやく自分が座っていたことを知った。]
――…… ちゃァん……
[か細く、名前を呼んだ。誰を呼んだのか、彼女には解らなかった。ただ、ひとつ、確かなのは、彼女の傍には誰もいないということだった。家族の役柄を託した人形も、彼女の本来の家族もおらず、彼女はただ打ち寄せる白波の音の間にたゆたうよう、そこにいるだけだった**]
……きせ、き。
[その意味はよく解らなかったが、元気になるように、という言葉の意味は、理解できた。そして今の彼女にはそれを反芻する余裕は、なく。]
ありがとう、ございます…。
[ほとんど反射的に人形を受け取って礼を述べ。]
[反芻される『奇跡』の言葉。
奇跡に頼る他無い現状を課せられた少女の運命が、余りにも酷だった。
母親へ人形を手渡すと、これで良かったのだ、と安堵する心が存在した。
母親が少女の傍に人形を置いてくれたなら、酷く穏やかな表情でその光景を見つめただろう。
人は死んだら、そこで生涯を閉じる。
霊魂になって生者を見守ったり、天国へ向かう、という思想は持ち合わせていなかった。
けれど、せめて。
この病院で起こったすべての死に誘われた者達が、残されたこの少女が淋しくなければ良い、と。]
『柏木先生、急患です。応援をお願いします。』
[不意に背後から耳打ちされ、我に戻る。]
申し訳ありません、――僕は、これで。
[沢渡の母へ会釈し、一階へと*戻っていった*]
[そうしてまた、不安げに娘の方に向かう。
最後に話をしたのはいつだっけ、何と言って、別れたのだっけ。記憶を探る。努めて明るく、普段通りに。娘を不安にさせないように。
ああ、そうだ。退院したらどこに行きたい?なんて、そんな話をしていた。]
『今年は海に行けなかったし、また、みんなで海に行きたいなあ』
[千夏乃はそう言って、「 」いた。
そんな小さな望みが叶わないなんて。そんなことがあるはず、ない。]
[やがて夫も病室に駆けつけ、時を同じくして千夏乃を乗せた寝台は数人の看護師たちによって運ばれていく。沢渡夫妻は声を失ったまま、その後を追い。
それが、かろうじて生きている娘を見た、最後になった。]
おかあさんは…?おかあさんや、おとうさんや、ハルちゃんは、いっしょじゃだめなの?どうしてわたしひとりなの?
『どうしても、だよ。チカノ。
誰でも、いつかはそうやって旅に出るんだ。
あの男の子も、お婆さんも、そうやって旅に出た。
きみには、ほかの人よりほんの少し早く、そのときが来ただけ』
ゴトウさんと、おばあちゃん?
一緒じゃだめなの?やだ、みんな一緒がいいよう…。
『泣かないで、泣かないでチカノ。
ぼくが見送ってあげるから。ね?』
やだ…。みんなにはもう、会えないの?
わたしのこと、忘れてしまうの…?
『わすれない。わすれないよ、チカノ。大丈夫』
ほんと…?
『大丈夫だから。ね?ほら、あの桜の下を通って。
海へ向かうんだ。…わかるよね?』
……うん、
『さ、もう時間だ。行かなきゃ』
もう、かえってこれないのね?
『……そうだね』
…そっか。
『ごめんよ、チカノ。
ぼくだって、きみとはなれたくなんかないんだ。
…だけど』
だいじょうぶ。だいじょうぶだよ、ポーちゃん。
…うん、ひとりでいけるよ。
わたし、もう十四歳だもの。…さみしい、けど、
『………』
ううん、しかたないよね。
…あのおばあちゃんのお人形さんみたいだね、
遠くから一人でお船に乗ってきたんだって。
わたしも、お船に乗って行くのかな。
『…そうかもね』
あの子も一人で頑張ったんだもの。
きっと、わたし、へいきだよ。
ね?だから、大丈夫。
……いままでありがと、ポーちゃん。
でも、…あーあ、せっかく旅に出るなら――
階段:踊り場
[静かに沢渡の部屋を後に、急いで搬送室を目指した。
目指した、つもりだった。
このところ、録に眠れていなかった。
精神的に不安定な為、数種の薬を服用していた所為もあっただろう。
冷たい汗が額を滑る。眩暈で地面が揺れる。
胸が、締め付けられるような痛みに襲われた。
壁に凭れて胸元を、強く掴んだ。]
いやだ、……死、ぬのは、…… 、
[ 嘘だ 死にたくない
どうして 何故 こわい
助けたい たすけて
生きていたい ごめんなさい
ひとの ぬくもりを 感じたい
――生きていたい。
何があっても たとえ自分が死神だとしても]
[震える指先で白衣のポケットを探り、父の形見の、柏木と『誰か』が直してくれた腕時計を握り締める。
血圧が上がっていた。視界が赤に、染まる。
……は、ぁ……、…… っ、
苦しい。気管が狭まる。
薄く開いた唇から零れる言葉は、もう音にはならず。それでも、意思だけは大気へと溶けていく。
人は最期の刻、何を望むのだろう
もしも、願いが 叶うなら――]
『 』
[自分の声の代わりに哀しげな白鳥の鳴き声が、聞こえた気がした。
医師はその場に崩れ落ち、意識を取り戻す事はなかった。
けれどポケットの中の時計はずっと、時を刻み続けていた。
陽光が傾き掛けた頃、人の気配の欠いた階段の踊り場で医師の遺体が見つかる。
急性心筋梗塞だった**]
[野木は、受付名簿に記された名前を見つめていた。
さっき入院患者よりも青白い顔で入っていったのは、誰かの母親だろう。
―――子供を亡くす母親が一番、見ていられない。
不吉なことを考えた自分に気づくと、誰に誤魔化すでなく咳払いをし、深く帽子をかぶり直す]
「結城先生もありゃ寝てないね」
[同僚の言葉に頷き、しかしそれはいつものことであり]
また、医者の不養生なんてことにならなきゃいいが
[待合室から歌が聞こえてくる。CDでも流しているのだろう、今はもういない歌手の歌だ。祈りの言葉は病院に相応しいようでいて―――けれど……。
野木は口を噤み、目を逸らして日常に戻った]
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了