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おなかがいっぱいで幸せ。
ううん……それだけじゃなくて……。
[お腹の辺りを手で押さえる]
ここに、あったかいものが来た。
[ふわりとした感覚に包まれたと思ったら、意識に急激にもやがかかって。何が起こったかを理解していない。感覚すら鈍く。
今はただ、ぼやける意識のままで……]
…ミナツ……獏……世界…。
結びつき…。
ほん、ものの……
絵…もう一度……
一緒に……
[強く心に思い浮かべていた言葉が、無意識に唇から紡がれる。今はまだ、不安定で。]
[墨色に透ける亡霊には、「カナメ」の声は聴こえない。
然し人々が僅かに違える様子を悟り…気紛れに歩き出した。]
…ルリさん。
記憶の鍵を…回せるといいですね。
[ルリへ一言だけ告げると、亡霊は階下へと下りゆく。
先刻此方へ――彼にとっては虚空へ向けて――名を告げた、
緑帽子の少年の前を通り過ぎる。眠たげにも丁寧な一揖。]
貴方が生き延びる方法は、誰かを手向ける事です。
[いきのびる。たむける。突然届いたカナメの声に、その頭痛を引き起こすような異様な調子も手伝って、すぐに言葉の意味を理解する事ができなかった。
生き延びる。手向ける。ゆっくりと心中で復唱して言葉を意識できても、その本当の意味までは受け取れないままで]
あの二人が「勝利」できれば、貴方も「勝利」できる。
勝利とは、生き延びる事です。
あの二人や貴方が生き残るためには、他の人間を手向けなければならない。
[生き残るためには。手向ける。
手向けるとは……命を、奪う?]
――二人以外の他人を手向けていく事――
これが、ルール。
これからが本当のゲームですよ。
「縁起でもない事を……」
[本当にそうだ。縁起でもない。それではまるで。まるで殺し合いをしろとでも、言っているようで。眩暈がする。見える赤が、目に痛い]
/*
シスメが何か変な気がする。
襲撃と溶けまで手向けられるのか…?
レンさんお疲れ様ッス!
そして絆もない純粋村人なのであたし何しましょうね。
[感じることがひどく鈍くて。それでも少しずつ。少しずつ。]
声が……聞こえる。
みんな…?
…花?
[鈍い感覚の中。つい先ほどと違う、そんな違和感。何もかもが]
/*
投票先と襲撃先は仮置き。
美味しそうなのはルリだけど(顔グラ的な意味で)。
さて、どうしようかなぁ。
今日吊られに行けばいいのかな?
というか、レンどうしよう。喰った?
もし食べたことになってるなら、ごちそうさまでした。とても美味しかったです。
(ふかぶか)
[会釈をしながら目の前を通り過ぎた男。ぼうっとする中、それを無意識に目で追って]
男…背の高い……30過ぎ……
[口から紡がれるは、いつかペケレに聞いた特徴。結びつける言葉、名前は。]
テンマ。
[呟いた名前だけが、まるで当たり前のことであるかのようなはっきりとした響き。
こつ、こつと聴こえてきた足音に。誘われるように歩き出す。]
/*
ユウキ占、の溶けかな?
そういえば絆先落ち先によっては次明けて終わってるとかもありえるのか。
まあ、明日は多分あるだろう。
[響くテンマの言葉に]
……なるほど、ね。答えのない、曖昧であった理由。
俺は、望んだこともあった。
目覚めてしばらくはそれでもいいって思ってた。
どんな形であっても、世界と結びつくことが全てだと。
けれど、あの絵の世界を見たから。
今は、望まないから。
だから、還っていない。
この形で結びつくことを望まないから。
……だから眠れずに居る、のか。俺も……。
[紡がれる言葉は、心の感じるままに。感じることこそが全て。]
――…
[背後で呟かれた名は、確かに自身のもの。
ゆらあり 振り向いた影は、穏やかに笑む。]
ええ。
…レンさん、でしたね。
[先刻は――…と声音は含む。歩む距離はみじかい。
亡霊が導く先には…新しく刻まれた墓碑がふたつ。
供えられた赤い華もふたつ。ふたつの死のかたち。
墓所の前には、やさしい桜色に透ける少女の亡霊が
屈みこんで――呆然と、己の墓碑を眺めて居る。]
[少しずつはっきりして行く意識。
目に映るのは共に居たみんなの騒ぐ様子。
そんな中、スケッチブックを持つ少女へと視線を向けて―――]
そうか。俺を、描いてくれたのか…。
[その手のスケッチブックの中の新しい絵を見て呟いた。]
きっと…俺は強く願いすぎたんだろうね。結びつける事は、きっと、高い代償を伴うもの。そう感じる。
…ミナツ。
君が、もう一度世界の絵を描けますように。
だから。君はこちら側へ来てはいけないよ…。
[強い願い。それは、祈り。自分の置かれた状況は心が感じている。言葉などにしなくとも。]
[彼らの墓碑へ、やがて生者も訪れることだろう。
遠巻きに立ち止まるのは、この亡者の流儀らしく]
…還っていない。なるほど。
[とろりと緩慢な瞬き。浅過ぎる眠りに酔う如く。]
絵、…
ミナツさんの、ですね。
結びつけられた絵の世界…
[己の墓碑へ手向けられた、いろえんぴつの青い花。
視線を遣って…影は淡く明滅する。
青い花が、青いから。
男の世界では、青い花はずっとずっと乾涸びていたから]
死に絶えなければならないのなら、
死に絶えればいい…私はそう思っていますが。
生き延びる方がお出でなら、
しあわせに生きて下さるといい…
[気持ちが悪い。吐き気がする。頭が痛い。鼓動が速くなっているのが、わかる。
眠るか何かしたのだろうと。
頭ではわかっていた。だが、何故か、どうしようもなく揺さぶられる]
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