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[何故、頭を打つと、鉄のにおいがするのでしょう…か。
そんな疑問と、まるで鐘の音のような痛みに頭を抱えていれば、声をかけられて。]
だ、だいじょうぶで、す…
何時もの事なんで…… ぇ……!?
[涙のにじむ目を開けて、しゃがんだままに声の方へと視線を上げる。
そこに広がっていたのは
一面の薄紫―― ]
[彼らの死は切欠。
あまりに唐突過ぎて、知らせを聞いても。
帰路、擦違いに掛けられた声。
それは一見、気遣いの。
その人達が、自分を好ましく思っていないことは知っていた。
けれど、それなのにいつも繕って。
何を言ったらいいのか判らないのに。
何が何だか、解らなかったのに。
それでも、精一杯繕って。
微笑んだのは、気遣いに対しての。
何処かでまだ、好かれようとして。]
……何なんだよ、一体。
……ってか、なんで兎が喋るし。
[薄紫の内側に佇んで、はあ、と零れ落ちるのは、ため息]
時計とか、鍵とか……螺子……とか。
いきなり、探せ、とか、言われても……。
[話している内に、何だか妙に息苦しくなってきたのは、気のせいか、それとも]
……うわ、やば。
こんなとこで、倒れてらんないってー……。
[小さく呟き、心臓の辺りを強く抑える。
落ち着け、と。
呟く声は、ごく小さなもの]
…ごめん。
[あの時、横たえられた両親の前で流した涙はただ。
自分を憐れんでいただけ。
霧雨の夜。
騒がしい家を抜け出し、辿り着いた先、
哀しげに揺れる花鈴、闇に浮かぶ藤色はなぜか。
滲んで、見えて。]
あ、れ。
[ここは何処だろう。
何故か兎が、立って話をしている。**]
そう?
「おいギンスイ、店さぼってデートかあ?」
[大丈夫という少女の様子を見ていると、背後から知り合いのからかい声が聞こえた。
誰がだ、と文句を言うため振り返ろうとしたが。突然に視界がぼやけて、クラリとする]
……とゆーか、そもそも、ここ、どこ。
[最大の問題は、そこだった。
さっきまでいた植物園でない。
ぐるり見回しても、目に入るのは甘く匂って揺れる藤の花だけで]
……裏山に似てるけど……違うよ、なぁ。
[その光景は、ふと思い出した子供の頃の遊び場にそっくりで、でも、違っても見えて]
……誰か、いる、かな。
[小さく呟き、カメラバッグを肩にかけ直して]
だーれか、いますかー?
[とりあえず、宛もなく声を上げてみた]
藤の花、なぁ…。
俺もさっきそんなの見たような…。
[妹の話を整理させて、何が起きたかを知る。
似たような体験をしたことを思い出して口にした時、ある音が聞こえた]
……鐘?
[スマホを耳に当てたまま周囲を見回す。
この植物園に鐘が鳴り響く時計なんてものは無い。
更に不思議なことに、父は何も気にしていないような雰囲気で作業を続けていた]
おや───
[父を呼ぼうとして、耳に届く妹の声。
「えっ、なに……鐘?」]
杏奈、お前にも聞こえるのか?
[問いかけを口にしたのが、鐘が13回鳴り響いた時のこと]
……へ?
[気付けば満開の藤林の中。
紫色の中にあるのは兎の姿>>#2。
それも、直立二足歩行の]
時計の『鍵』と『螺子』?
いや、知らないが。
待て待て、空間が崩れるって何だ。
と言うかここはどこだ!
[一方的に話を続ける兎を余所に、友幸を辺りを見回した。
見事に咲く藤の花はあの藤園のようだけど、何かが違うように思う]
……『木の想いの時計』?
いやだから探せって、何で俺が。
あああ、巻き込まれたくないならってことか?
訳分からんところに連れて来てなんだそれ!
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