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[ふぅわり、ふわり。上も下も右も左もない世界。
自分が何者かさえ思い出せない中、覚えているのは、切ない気持ち]
俺は何を見てしまったのか。
知らなければよかったのか。
それでも知ってしまったからには…
[ふぅわりふわり。遠くで薄ら白く輝いているものがある。
近寄ってみると、それは桜吹雪。
桜舞う向こうに、懐かしく感じる人たちがいる。
少女の悲しげな声に、胸がずきりと痛む。
傍らに行って慰めたくても、できるわけもなく。
届かない手を彼女に向けて伸ばした]
[彼女の様子が見えるたびに、感情がぐるぐると回る。
言うな、言うなと心の中で叫びながら。
ヌイの言葉も耳に入らずに]
俺は…俺はどうすればよかったんだよ!
こんな力…なければよかった…
[抑えきれずに、涙を流す]
…あんたに言うことじゃないよな…[自嘲して]
俺の…俺の心が弱かったからなんだよ…
彼女が人だと信じたかったから…
そして彼女が「人狼」なら、彼女の手で死にたかった…
[彼女の声が聞こえるたびに、でもそれは子供じみた感傷なのかと後悔して]
[笑い声に、がくりとひざをつく]
はは…は…はは…
俺が…俺が悪かったんだよ…なぁ…
[涙をボロボロと流しながら崩れていく]
ナオぉ…ナオぉ…
[届かない声。それでも言わずにいられなくて]
[こぼれた水は元には戻らない。動き出した運命は元には戻らない。
やさしい魂に触れられて、慰められはしたけれど。
好きになったナオが「人狼」と知っても、それも些細な事にしか思えずに。
身体さえあれば、わかっていても彼女を抱きしめたいと…
今はただ、涙を流しつつ*見つめているばかり*]
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