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何か、聞こえるね
[そう答えたのは一人の少女だった。深い、深い森に佇むこの病院で、幼いながらも一番の古株である彼女は]
歌かな?
[生まれてから一度も、森を出たことがなかった]
― 病院の屋上 ―
潮風、きっついなあ
[風に靡く髪をうるさそうに払う。風は冷たく、それでも此処から見える景色は]
シキ、あんたもここからの眺め、好きだった?
[素晴らしく。
妹に会うことのなかった姉は、けして妹が見ることのなかった景色を、眩しそうに眺めていた]
■概要
この村は【ダイイングメッセージ機能http://sebas.chips.jp/sow/sow.cgi?css=default&cmd=operate#dying】を使った、勝負度外視の完全RP村です。
ダイイングメッセージには、PCの願いをひとつ、記入して下さい。
墓下に行った日、その願いはPL視点で公開され、確実にその願いは叶えられます。
舞台や世界を変えるような願いでも構いません。
叶うことのない願いでも構いません。
死にたくない、や生き返りたい、でも構いません。
ただしそれが叶うのは、エピローグに入ってからかもしれませんが。
■進行
更新間隔は24h。システムの日付変更=村内日付変更。
リアルタイム準拠としますが「出来るだけリアタイに合わせる」でOKです。
この村で何か村建て側から事件が起きることはありません。
プロからエピまで、地上はひたすら日常です。
ただ、人が死ぬだけです。
25日頃までに終わるよう、調整…
調整できるようがんばります(希望的観測
■処刑・襲撃について
処刑者は、毎日人狼である村建てNPCが表で[[who ]]を振って指定します。
襲撃は基本パスですが、話の展開によっては承ります。
自殺か、心中か、それとも……?
襲撃申請はロール後メモにてどうぞ。
■操作方法
http://sebas.chips.jp/sow/sow.cgi?css=default&cmd=operate
を参考に一言メモの使用や肩書きの変更はご自由に。
ただひとつだけ。
【村人希望】でお願いします。
病院受付
[去っていった見舞い客の残した憂いが
12月の冴となって病院内を包み込む。
それはほんの少しの寂しさと
同じだけの優しさを孕んでいるような気がして
故に、警備員の男にとって
そう、悪いものとも感じなかった。]
501号室
[内科病室内、しわくちゃの老女の手をそっと掴む男は
うん、うん、と老女へ相槌を返し
時折、目を細めて笑った。]
おお。嘘じゃねえよ。
今やってる仕事が上手くいけばよ
あいつら迎えに行くからよ
そんな心配すんじゃねえ 母ちゃん
じゃあな、また来っからよ
それまでに身体治せよ、母ちゃん
[皺の多い、苦労の後の残る指先を
老女の腹部へと添え、
男は病室を後にした。
蔵作の母は末期の癌である。
御年80をとうに越えた彼女は痴呆も入り
息子の声に少しばかり、頷いて反応を返すのみだった。]
あー…、煙草…
[病院の、淀んだ空気が嫌いだった。
それでも、なんとなく母の元へ足を運ぶ。
いつ逢えなくなるのかわからないから。
いつ喪うのかわからないから。
なくしたものは二度と取り戻せないと
この歳になって、漸く気づいてしまったから。]
屋上
[病院の屋上で、冷えた空気に身を晒す。
外仕事に慣れている所為か、さほど寒気を感じない。
取り出したセブンスターの本数を数える。
残りは5本。大事に吸おう。
ぼんやり思案し、先端に火を*点けた*]
―926号室―
[かみさまがいなくなって、どれだけ経ったのでしょう
いまのわたしには、それもわかりません
わかる事は、座っているベッドがかみさまといた時のものよりも硬くて冷たくて、それからひろいということくらい
それがちょっぴり寂しいなって思いました]
[窓からそとを眺めました
ここは高いところにあるみたいで、とてもけしきが綺麗だと思います
でも、かみさまはきっと、もっと高いところにいるのでしょう
わたしもかみさまの所へ行きたいと思いました]
[昨日は、四人もわたしに会いにきてくれました
だけれど、ごめんなさい
わたしにはもう、あなたたちの名前がちゃんと思い出せないのです
なんて呼んでいたかは、覚えているのに]
[こんな風に少しずつ、きえていっているのです
毎日、ちょっとずつ、わたしがきえていくのです*]
[海の歌が聴こえる。
賑やかなあらゆるものは私を避けて過ぎ行き
残されたものは静かで平らな毎日。
此処にあるのは
遠くの波音と車椅子が軋む音だけ。]
896号室 ひとりきりの部屋
[真っ白な部屋の窓際。
膝に乗せた青い表紙の日記帳を撫でて。
その、海とも空とも似ていない
つまらない青色を指の先で愛しんで。
私は、そっと世界に幕を下ろす。
そして閉じた瞼の内側に砂浜を描き。
空想の中へと、駈け出した。]
[思い描いた空想の正体はきっと、
本当なら私が歩むはずだった未来の画。
瞼を持ち上げて、世界をみつめて。
冬の砂浜で犬と一緒に走る午後を、
日記帳に書き留める。
嘘と夢が綴られた日記帳はこれで三冊目。]
…明日の散歩は何処へ行こうか。
キミは何処へ行きたい?
[冷たい硝子窓に映る私に問いかける。
アン・シャーリーに倣ったひとり遊び。
私の<友達>には、名前がまだ無いけれど。]
― 夜中 ―
[がちゃん がちゃがちゃっ と大きな音が響く]
やれやれ、お隣さんにもまいったものだね
[介護病棟の自室のベッドの上で呟いた。
隣の老人は夜中に廊下に出ては、部屋に戻ろうとして間違えて隣の部屋をがちゃがちゃやるのだ。今日もまた目が覚めてしまった]
うーん
[眠れないながらもごろりと寝返りを打った。ここに入ったばかりのときは丁寧に、お隣の部屋ですよ、とドアを開けて対応したりもしたが、今はそれもしない]
…角部屋なだけ、良かったね
[この病院は、角部屋の窓が大きい。
もう一度、よいしょと寝返りをうって、窓のほうを見た。
隣の老人は、扉が空かないので諦めたのだろうか。
毎度の音に気づいた職員が連れて行ったのだろうか。
静まり返った病院に、わずかな潮騒が響いている気がする。
窓の外遠くに光る月が見えた**]
まだ退院できないんですか
[簡素な入院着を身に纏った男は、努めて抑えた声でもう一度問うた。答えは何度聞いても同じで、無駄を嫌う男は、医師の促すまま席を立ち]
……今後も、よろしくおねがいします
[ゆっくりと部屋を出て行った。
窓の外、はるか遠く水平線から空へ伸びる
白
途切れた青に背を向け、病室へと足を向ける]
お集まり頂き、ありがとうございます。
予定通り本日深夜3:30に開始予定です。
ぎりぎりまで枠はこのままにしておきますので
本参加枠3名様、見学参加2名様
よろしければご参加くださいませ。
※見学参加の場合でも
ダイイングメッセージ使用可です。
願いを紡いでから墓下へ落ちることができます。
[珈琲を啜りながら、カルテを眺める若者が一人。
次の予定はなんだったか、時計を見る。]
えーっと…―――
[首を捻り、考える。
手術は、今日はなかったはずだし。
会議なんてはいってたろうか。
どうも最近、記憶が曖昧だ。]
ま、何かあれば呼ばれるさ
[元々大雑把な性格をしている若者。
特に気にする事もなく、カルテに再び目を落とした。]
896号室 ある日の午後
[長らく役目を果たしていない両足を、
真っ白で清潔なシーツに、置く。
グラウンドを駆けた筋肉は死んで
鳥の足みたいになってしまった、私の足。
どうせなら腕も羽根になれば良いのに、
感覚の無い腿を擦る私の手の平からは
しっかり五本の指が生えている。]
…ねえ、アレをしてよ。
[病室を整えてくれる看護師の指を握り。
足の先の10枚の爪に
色を乗せて欲しいとお願いする。
今日は、赤が良い。林檎の赤。]
…でも、たぶんもう私は駄目だよ。
歩いて行きたい場所が無いもん。
[熟れた林檎色のペディキュアが乾くまで、
リハビリをしようと促す看護師と
遠くの潮騒を聴きながら話をする。
消極的な意見はお気に召さないようで
彼女の表情が曇ってしまう。]
…少しだけね。
その後で、屋上へ連れて行ってよ。
[しばらく、そうした話が続き。
根負けして、私は車椅子に乗った。
せっかくの赤い爪先を隠すのは
勿体無いから。
素足のままで。*]
[少女の心臓には爆弾がついている。
勿論それは比喩なのだけど、少女はその言葉を信じていた。
その爆弾を取り除くには、手術をしなければいけないらしい。
成功率は<54>%だと大人は言っていたけれど、少女にとってはそんなもの、実感が湧かないただの数字に過ぎなかった]
[夢を見ていた。
暗い中に、ぽっかりと明るい場所があり、その空間で老人が生い茂る草木に水をあげていた。
ああ、これもよくある夢だ。でも、いつも同じことをしてしまう]
おじいさん、おじいさん
もう私も十分生きましたよ
そろそろお迎えにきてくださいな
[老人に声をかけながらゆっくり明るい空間へ向かう。
老人が水遣りの手をとめて、こちらを見た。
そして首を振った]
― 朝 ―
[目を覚ますと、部屋に明るい光が差し込んでいた。この部屋の、朝日の当たりがとてもよいのが好きだ]
…よっこいしょ
[朝ごはんを食べに食堂へ行かないと。と洗面台に向かって身支度を始める]
豪勢な部屋だよ
トイレもあるし、鍵もかかるしね
わたしをこんなところに入れるなんて、もったいないさ
[家にいたってよかったのに。
ぱしゃぱしゃ顔を洗いながら呟いた]
さてと…
[朝食を終えるとふらりと病院棟へと足を向けた。
ここの食事は成年から見れば粗食も粗食だが、正直老いた自分にはそのそっけなさがちょうどいいくらいだった]
自分で作らなくていいなんて、豪勢だねぇ
[また呟きながらゆっくり渡り廊下を歩いていく。
昼間は介護棟でもレクリエーション的なことをやっているのだが、自分は散歩によるリハビリと称して病院棟や、庭に出るのが好きだった。
というか、レクリエーションに出るのが嫌だった]
[ここに来たばかりの頃、レクリエーションによるリハビリを職員に勧められ、目を留めたのが歌のレクリエーションだった。
これでもずっと若い頃には、満州のカフェで歌を歌ったこともあるのだ。あの頃歌ったような曲は演奏するのだろうか。
どんな人がいるのかというのもわくわくして、少し身なりを整えて会場に行き、椅子に座って開始を待った。他にも10人近くの老人が職員に連れられて集まっていた。
レクリエーションの時間になると、若い男の職員が2人やって来た。1人はギターを持っている。
『じゃーレクリエーションやりまーす。分かる人は歌ってくださーい』
やる気のない声に隣の職員がくすくす笑った。
ほかの集まった老人は、椅子に座ってぼんやりと2人を見ていた。
ギターを持った職員はその後、なにかよくわからないテンポの早い曲を弾いた。合いの手を入れるにしても早すぎてどうしようもない。
『あなにお前それ弾けんの?じゃああれ弾けねぇ?あのCMのさあ』
『お弾ける弾ける、ていうかお前もあれ好きなんだー』
[雑談しながら曲を弾きつづける2人を自分もぼうっと見ているだけだった]
ここの景色は綺麗だね…
[ふと渡り廊下から外を眺める。立つ木々は寒々しいが、ぽかぽかとした太陽が庭を照らし、遠くには漣立つ海が見えた]
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